間違いやすい「一挙一動」との違いは〝動作の大きさ〟
「一挙手一投足」の類語のなかでも、混同されやすいのが「一挙一動」です。はっきりと違いを説明できるようにしておきましょう。
まずは「一挙一動」の意味を辞典で確認します。
【一挙一動】いっきょいちどう
一つ一つの挙動。ちょっとした振る舞い。一挙手一投足。
引用:小学館 デジタル大辞泉
言い換え表現として、「一挙手一投足」が挙げられるほど似ている言葉ですが、「一挙一動」は大きめの肉体的な動作を表します。例えば、驚いて振り返る動作、友人に気付いて手を振る動作などです。
動作の大小で、「一挙手一投足」と「一挙一動」を使い分けましょう。
「一挙一動」を使った例文
「一挙一動」の例文を確認すれば、使い方のイメージを持てるはずです。主に人や自分の動作に注目したり、気を配ったりといったシーンで用いられます。
【例文】
・出会ってすぐ彼女の【一挙一動】から目が離せなくなった。
・モデルの仕事を始めて、人に見られる場所での【一挙一動】にとても気を遣うようになった。
・失礼が無いよう【一挙一動】に注意しながら、会社見学をさせてもらいました。
「一挙手一投足」を使った言い回しと例文
「一挙手一投足」は、こまかい動作と少しの努力・労力という2つの意味を持っている言葉です。どちらの意味でも使えるようにしておくと、間違う心配もありません。
新しい表現を使う際には、フレーズで覚える方法も有効です。「一挙手一投足」を使った頻出フレーズを3つご紹介します。
また、「一挙手一投足」を自然に使いこなすためのヒントとなる例文も確認しておきましょう。
よく使われる3つの表現
「一挙手一投足」を使った、日常生活でも使用頻度の高いフレーズは次の3つです。
・「一挙手一投足」に気を配る(こまかい1つ1つの動作に気を付ける)
・「一挙手一投足」が気に触る(こまかい動作すら気に食わない)
・「一挙手一投足」の労(少しの努力、労力)
言い回しとして覚えておくと、使い方を間違える心配がなくなります。いざという時に使えるチャンスが巡ってくる可能性もあるため、しっかり把握しておきましょう。
「一挙手一投足」を使った例文
ご紹介した3つのフレーズも登場する、「一挙手一投足」を使った例文をご紹介します。
【例文】
・両家顔合わせの席では、緊張して【一挙手一投足】に気を配っていた。
・会議に遅れて来た彼女の【一挙手一投足】が気に触り、全く集中できなかった。
・憧れの人に出会えるとしたら、【一挙手一投足】を目に焼き付けておくつもりだ。
・【一挙手一投足】の労を惜しまず、着実に成果を出していきたい。
類似表現との使い分けをマスターしよう!
「一挙手一投足」は、『1つ1つのこまかい動作』と『少しの努力』という2つの意味を持っています。現在は動作を指す際に使われることが多いものの、かつては主に努力や労力を表す意で使われていました。
「一挙手一投足」の類似表現のなかでも、違いを理解しにくいものとして「一挙一動」が挙げられます。「一挙一動」は「一挙手一投足」よりも、大きな動作を表現する際に使うのが特徴です。
つまり、「一挙手一投足」は眉やまぶたといった小さな動きを表すのに対し、「一挙一動」は貧乏ゆすりや手を振るなどの動作を表します。
似ている言葉でも、しっかりと違いを認識することで正しい使い方ができるようになります。「一挙手一投足」を適切な場面で使って、表現の幅を広げてみましょう。
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