フタバカゲロウ
カゲロウ目フタバカゲロウ属。日本の代表種。淡水の池や湖、沼などに生息し、世界中に分布する種類です。成虫の体長は10mmほどで、緑色がかった色から褐色のものなどがあります。幼虫は浅い池や学校のプールなどに住み、成虫は7月〜8月に現れます。
モンカゲロウ
カゲロウ目モンカゲロウ科。大型の「蜉蝣」で、体長は約16mm。体は黄褐色で、雄の頭部は黒褐色。北海道、本州に分布し、晩春の夕方あたりに一斉に羽化し、群れで飛びます。
キイロカワカゲロウ
カゲロウ目カワカゲロウ科。日本にはキイロカワカゲロウ1種のみが生息しています。体長10mmほどで、黄色を帯びた羽を持つ種類です。頭部の中央から前胸まで褐色の縦紋があり、成虫は6月〜8月に羽化し、日本各地に分布しています。
クサカゲロウ
アミメカゲロウ(脈翅)目クサカゲロウ科。体長は約1cm。体は緑色、羽は透明な淡緑色で美しく、多くの翅脈(しみゃく)があります。5月~9月頃、草むらなどにみられ、街灯に寄ってくる習性が。幼虫、成虫ともに、アリマキを捕食します。優曇華(うどんげ)と呼ばれる、長い柄のある卵を屋内などにうみつけます。日本全土、台湾、ヨーロッパに分布している昆虫。
ヒトリガカゲロウ
カゲロウ目ヒトリガカゲロウ科。乳白色に曇った羽をもつ、特異な種類で、鱗翅 (りんし) 類のヒトリガに似ているためこの名が付けられました。体長は11mmほど、雌はやや大きく、太めであることが特徴です。夏に羽化し、明かりのあるところに集まります。
「蜉蝣」とトンボの違いとは?
細い体に大きい羽をもつ「蜉蝣」。その見た目はトンボとそっくりですよね。田んぼや道端で見かけても、どっちなのか見分けがつかない方も多いのではないでしょうか。 その上、トンボは漢字で書くと「蜻蛉」、カゲロウも漢字で「蜻蛉」と書くこともあり、同じ漢字を使うため、何かと混同されてしまいがちです。
そこで、両者の違いを簡単に解説していきます。
「蜉蝣(カゲロウ)」もトンボも、同じ節足動物の昆虫網に属する昆虫です。ですが、「蜉蝣(カゲロウ)」はカゲロウ目、トンボはトンボ目に属しています。そのため、厳密にいえば種類が異なることになります。
また、両者とも幼虫は水中に住みます。カゲロウの幼虫には特に名前はないようですが、トンボの幼虫は「ヤゴ」と呼ばれます。子供の頃に、田んぼや学校のプールなどで見つけた記憶のある方もいることでしょう。
その後、カゲロウは亜成虫という独自の段階を経て成虫へと成長しますが、トンボには亜成虫の段階はありません。また、カゲロウの成虫には口がなく食事をとりませんが、トンボには口があり、餌を食べます。種類にもよりますが、トンボは成虫では約3か月ほど生きられるそう。「蜉蝣(カゲロウ)」に比べると寿命が長いようです。
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英語表現とは?
「蜉蝣」は、英語で「mayfly」といいます。5月〜6月に羽化することが多いことから名付けられたといわれています。
最後に
「蜉蝣」の特徴や種類、名前の由来などを解説してきました。 「蜉蝣」の寿命が短いことは有名ですが、成虫になってから1日ほどしか生きられないなんて驚きです。これは、「蜉蝣」の成虫に口の器官がなく、食事の摂取ができないことも原因であるようです。
とにかく次の命を残すために懸命に生きる姿には、考えさせられますね。夏の水辺に飛ぶ昆虫を見つけたら「これは蜉蝣か、トンボか」と観察してみてはいかがでしょうか。
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