懸河之弁(けんがのべん)
「懸河之弁」は「けんがのべん」と読み、弁舌が流暢である様を意味する言葉です。「懸河之弁」の「懸河」は、傾斜のように滝の流れが速いようすを表現しています。そのため、「一気呵成」とは「一呼吸に、一気に」という点が共通しています。
【例文】
・私の妻は【懸河之弁】であるため、口喧嘩では勝てません。
・昨日のスピーチは、【懸河之弁】でした。
・私の状来の夢はアナウンサーなので、【懸河之弁】でなくてはいけません。
一足飛び(いっそくとび)
【一足飛び(いっそくとび)】
1.両足をそろえて飛ぶこと。
2.目的の地点まで一気に移動すること。「三階まで―に駆け上がる」「飛行機で―だ」
3.順序を踏まないで、飛び越えて進むこと。一気に飛び越えること。「―の昇進」
(引用〈小学館 デジタル大辞泉〉より)
「一足飛び」とは、目的地まで一気に移動する様子や、一気に飛び越える様を表現した言葉です。そのため、「一気呵成」の「一気」と似た意味の言葉といえるでしょう。ほかにも、両足を揃えて飛ぶ様子を表したいときにも用います。
【例文】
・私の父は会社で大きな成果を挙げたため、【一足飛び】で昇給しました。
・いとこが発表した小説が大きな話題となり、【一足飛び】で有名になりました。
「一気呵成」の対義語2つ
「一気呵成」の対義語は、「熟慮断行」と「沈思黙考」の2つです。「熟慮断行」とは、よく考えたうえで行動する様を表現する言葉です。
「沈思黙考」は、静かにじっくり考える様子を表すときに使用します。どちらの言葉も、一気に物事を進める「一気呵成」とは反対の意味を持っているといえるでしょう。ここでは、「一気呵成」の対義語について解説します。
熟慮断行(じゅくりょだんこう)
【熟慮断行(じゅくりょだんこう)】
よく考えたうえで思いきって事を行うこと。
(引用〈小学館 デジタル大辞泉〉より)
「熟慮断行」とは、物事の判断をする際によく考えたうえで行動するという意味の言葉です。熟慮には「さまざまな要素について、よく考えること」、断行には「困難を乗り切って行動すること」の意味があります。
そのため、一気に物事を進める「一気呵成」とは、反対の意味を持つ言葉といえるでしょう。
【例文】
・プロジェクトのリーダーは、業務をうまく遂行するために【熟慮断行】を行う必要があります。
沈思黙考(ちんしもっこう)
【沈思黙考(ちんしもっこう)】
沈黙して深く考えること。
(引用〈小学館 デジタル大辞泉〉より)
「沈思黙考」とは、静かにじっくり考える様を表した言葉です。「沈思黙考」の「沈思」には「物事について深く考える」、「黙考」には「静かに考える」という意味があります。そのため、「一気呵成」とは反対の意味を持つ言葉だと判断できます。
【例文】
・卒論のテーマは卒業に関わる重要な事柄であるため、【沈思黙考】しなければいけません。
・最近はなにかと忙しく、【沈思黙考】する時間を確保できずにいます。
「一気呵成」の正しい使い方を覚えよう
「一気呵成」とは、一気に文章を書き上げる様から転じて、最後までやり遂げるという意味を持つ言葉です。休息や休憩を取らずに仕上げる様子から、効率の良さを表現しているともいえるでしょう。
「一気呵成」には、「一網打尽」や「破竹の勢い」といった類義語があります。それぞれ似た意味を持つ言葉ではあるものの、正確には異なるため、正しく使い分けることが大切です。また、対義語の使い方にも注意しましょう。
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