「未来永劫」の意味
「未来永劫」とは、これから先に続く果てしなく長い年月を意味します。「未来永劫」の読みは、「みらいえいごう」ですが「みらいようごう」と読まれる場合もあります。
デジタル大辞泉に記載されている意味も併せて確認しておきましょう。
【未来永劫】みらいえいごう
これから先、無限に長い年月にわたること。みらいようごう。「戦争の苦しみを―忘れない」
(引用〈小学舘 デジタル大辞泉〉より)
言葉の意味をより詳しく理解するために、「未来」と「永劫」の2つの単語に分けて意味をご紹介します。
「未来」の意味
多くの人が将来を表す言葉として未来を認識しています。しかし、未来という言葉には、次の3つの意味があるとされます。
1.将来、これから先に起こること
2.来世、後世、死後の世界(仏教用語)
3.これから実現するものとして述べる語法(西欧語の文法用語)
「未来永劫」の四字熟語のなかでは、未来はご紹介した意味3つの内1番目の、これから先の将来という意味で用いられています。
「永劫」の意味
「永劫」とは、極めて長い年月を意味する仏教用語です。それぞれの漢字に分けて意味を確認すると「永」は限りがないこと、「劫」は終わりの見えない長い時間を意味します。
これら2つの語を組み合わせた「永劫」は、限りなく終わりがないように感じられる長い時間を表すようになりました。「劫」の意味する気の遠くなるような長い時間は、鶴が羽で岩山をなでて少しずつ削り取られてなくなっていくまでにかかる時間に例えられます。
羽のような柔らかい物質で岩を削るのは、実質難しいことから、途方もなく長い時間を必要とするのが分かります。
「未来永劫」の由来は仏教語の「劫」
「永劫」の意味をご紹介する際にも触れましたが、「劫」は仏教にルーツを持つ言葉です。そして、「未来永劫」という言葉自体が、「劫」というキーワードに由来しています。
仏教用語としての「劫」は「こう」と読まれ、とてつもなく長い時間を意味しています。「劫」は、仏教における最長の時間を表す単位です。
ちなみに「劫」という言葉を含んだ「億劫」という単語も仏教から生まれたもので、終わりの見えない「劫」の1億倍の長い時間を表します。時間がかかるため気乗りしない、面倒くさいという現在の意味で使われるようになりました。
「未来永劫」の類義語・対義語
表現をより詳しく理解するために、類義語・対義語を学ぶのも有効です。類義語と対義語、それぞれ3つずつ表現をご紹介します。
【類義語】
「未来永永」「生生世世」「天長地久」
【対義語】
「造次顛沛」「電光石火」「一朝一夕」
類義語や対義語を知れば、言い換えや否定をする際に役立つでしょう。各表現のニュアンスをしっかり把握することが欠かせません。
類義語は「未来永永」「生生世世」など
途方もなく長い時間を表す「未来永劫」の言い換え表現として、次の3つの言葉をご紹介します。
・「未来永永(みらいえいえい)」:果てしなく永遠に続く時間
・「生生世世(しょうじょうよよ、しょうじょうせせ、しょうじょうぜぜ)」:人が生まれ変わって経験する多くの世、いつまでも
・「天長地久(てんちょうちきゅう)」:変化のない天と地のようにいつまでも続くこと