晴雲秋月
「晴雲秋月」とは、「せいうんしゅうげつ」と読みます。「純真で汚れのない心のこと」です。「晴雲」は「晴れた空に浮かぶ白い雲」、「秋月」は文字の通り「秋の空に浮かんだ月」を表します。美しい自然の様子を人の心に重ね合わせた言葉です。心が清らかなさまが「明鏡止水」と共通しています。
《例文》
・子供の目はキラキラとしていてまさに晴雲秋月だ。
対義語とは?
続いて、「明鏡止水」の対義語を見ていきます。「澄みきった心」の反対の意味の言葉にはどのようなものがあるのでしょうか。
疑心暗鬼
「疑心暗鬼(ぎしんあんき)」は、日常生活で時折耳にする言葉でしょう。意味は以下の通りです。
うたがう心が強くなると、なんでもないことが恐ろしく感じられたり、うたがわしく思えたりする。(<小学館デジタル大辞泉>より)
元は「疑心暗鬼を生ず」という言葉から生まれた四字熟語です。心の中に不安や嫉妬心が渦巻いていると、些細なことでも疑ってしまう人間の気持ちを表しています。
《例文》
・Aちゃんは彼氏が浮気しているのではないかと疑心暗鬼になった。
・何にでも疑心暗鬼になる前に相手のことを信じてみたらどうかと上司に言われた。
意馬心猿
「意馬心猿」とは、「いばしんえん」と読みます。言葉の意味は以下の通りです。
仏語。馬が奔走し猿が騒ぎたてるのを止めがたいように、煩悩・妄念などが起こって心が乱れ、抑えがたいこと。(<小学館デジタル大辞泉>より)
澄みきった心を表す「明鏡止水」とは、正反対の言葉ですね。自分の激しい感情に振り回されて、制御が効かない様子が伝わってくるようです。
《例文》
・ものを盗むことは犯罪であることがわかっていながら、意馬心猿の気持ちを抑えることができなかった。
・意馬心猿の状態で全く作業が進まなかった。
英語表現は?
「明鏡止水」に近い表現としては「calm and clear」があります。「calm」は「落ち着く」、「clear」は「綺麗」という意味です。
《例文》
・She became calm and clear in her heart.(彼女は明鏡止水の心境になった)
最後に
「明鏡止水」の意味や使い方、類語・対義語などについて解説してきました。 「明鏡止水」は、「なんのわだかまりもなく、澄みきって静かな心の状態」のこと。明鏡止水の気持ちでいれば、マイナスの感情や固定概念に縛られることなく、柔軟な考え方ができそうです。清らかな気持ちで毎日を過ごしたい方は「明鏡止水」を座右の銘とするのもよいでしょう。
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