「紆曲曲折」
「紆余曲折」を使うべき場面で、誤って「紆曲曲折」を使用しているケースもよく見られます。「紆曲」自体は存在する熟語で、うねり曲がることや遠回りすることを表します。紆余と紆曲の意味が似ていることから、「紆曲曲折」と誤用する人が多いと推測できるでしょう。また、「戦戦恐恐」や「威風堂堂」のように同じ漢字が連続する言葉があることも、誤用しやすい理由の一つと考えられます。紆余を紆曲と間違えないためには、「紆余曲折」の言葉の成り立ちを理解しておくことが大切です。
「紆余曲折」の類語や言い換え表現
「紆余曲折」の類語や言い換え表現には、「試行錯誤」「多事多難」「悪戦苦闘」「難航」などがあります。
「試行錯誤」
「試行錯誤」の意味は、目的に向かって試みと失敗を繰り返し、解決を目指すことです。事情が込み入っていることを表す「紆余曲折」に対し、「試行錯誤」は自主的に行動するニュアンスを含みます。「紆余曲折」は状況に関する感想、「試行錯誤」はその人の努力を表す言葉として使い分けるといいでしょう。
「多事多難」
「多事多難」は苦労や困難、問題がたくさんあることを意味する言葉です。「紆余曲折」に比べて、さらに乗り越えるのが難しいようなシチュエーションで使われることが多いでしょう。また、「紆余曲折」は困難以外の変化も含みますが、「多事多難」は困難なことが起こる場合にのみ使われます。
「悪戦苦闘」
「悪戦苦闘(あくせんくとう)」は、困難な状況の中で苦しみながらも懸命に努力し、戦うことを意味する四字熟語です。単に「難しい」だけでなく、「不利な状況」「困難」「強い敵(問題)」が存在し、それに立ち向かう「努力」や「苦しみ」が強調されます。
「難航」
物事が順調に進まず、困難な状態にあることを指します。ビジネスシーンでは交渉、会議、プロジェクトの進捗など、特定の目標に向けて進める作業が困難に直面し、停滞している状況を表現しています。なお、「紆余曲折」が経過を振り返る表現であるのに対し、「難航」は進行中の状況を表現する言葉です。

「紆余曲折」の対義語
「紆余曲折」の対義語としては、「順風満帆」や「一路邁進」が挙げられます。
「順風満帆」
「順風満帆」の意味は、あらゆる物事がスムーズに進み、順調であることです。「順風」は進行方向に向かって吹く風、「満帆」は帆を張ることを指し、追い風を受けて船が順調に進む様子を表しています。
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「一路邁進」
「一路邁進」は、目的に向かってひたすら前進し続けること。ゴールを目指して突き進むことを表すため、さまざまな事情から複雑な状態に陥る「紆余曲折」とは正反対の意味といえるでしょう。
「紆余曲折」の英語表現
「紆余曲折」の英語表現としては、下記2つが一般的かつ自然です。「紆余曲折」という言葉が持つ「順調でなく、複雑な経過をたどる」というニュアンスを最もよく表します。
【英語表現】
・twists and turns(紆余曲折)
・after many twists and turns(紆余曲折を経て)
よくある質問
「紆余曲折」に関して、ビジネスシーンでよくある質問とその回答を紹介していきます。
Q. 紆余曲折は失礼な言葉ですか?
「紆余曲折」という言葉自体は、失礼な言葉ではありません。丁寧語や謙譲語のように相手への敬意を示す言葉ではありませんが、自身の苦労や経過を謙遜し、達成した結果を際立たせるために、ビジネスや公の場でも広く使われています。
Q. 紆余曲折な人生とは、どういう意味ですか?
波乱が多く、困難や状況の変化が続いて順調には進まなかった、複雑な道のりの人生を意味します。単に「大変だった」というだけでなく「さまざまな困難があったけれども、それを乗り越えてきた」という、過去の道のりへの感慨や重みを込めて使われることが多いのが特徴です。
Q. 「紆余曲折を経て」の例文は?
「紆余曲折を経て」というフレーズは、困難を乗り越えた達成感や周囲への感謝を込めて、ビジネスや個人的なスピーチなどでよく用いられます。
【例文】
・紆余曲折を経て、ようやくこの新規事業プロジェクトを成功裏に完了することができました。
・両社の長きにわたる契約交渉は、幾度かの紆余曲折を経て、本日、無事に最終合意に至りました。
・様々な紆余曲折を経て、私はこの度、営業部門のリーダーという重責を担うことになりました。
Q. 「紆余曲折ありましたが」は、どんな場面で使いますか?
「紆余曲折ありましたが」は、「紆余曲折を経て」と同じ意味ですが、より口語的・会話的な表現で、主に物事の完了や達成を報告・感謝する場面で使われます。「道のりは平坦ではなかった」「裏ではいろいろ大変だった」というニュアンスを簡潔に伝えつつ、ネガティブな情報ではなく、達成した結果や努力を強調するために用いられます。
まとめ
- 「紆余曲折」は物事の完了や達成を報告・感謝する場面で使用されることが多い
- 「紆余曲折」を用いることで、困難を乗り越えた達成感や周囲への感謝が込められる
- 「紆余曲折」の類義語には、「試行錯誤」「多事多難」「悪戦苦闘」などが挙げられる
「紆余曲折」は「曲がる」を意味する言葉を組み合わせた四字熟語です。ぐねぐねと曲がりくねる様子を表し、達成するまでにさまざまな事情があって手間取ったという意味があります。
主に人生を振り返る際や、物事の完了や達成を報告・感謝する場面などに使うのが基本です。「紆余曲折」を使用することで、困難を乗り越えた達成感や周囲への感謝を込められます。
類義語や対義語、誤用されやすい表現があるため、それぞれをきちんと理解しておきましょう。「紆余曲折」の意味や使い方を覚えておき、会話の中で使ってみてくださいね。

写真・イラスト/(C) Shutterstock.com
Domani編集部
Domaniは1997年に小学館から創刊された30代・40代キャリア女性に向けたファッション雑誌。タイトルはイタリア語で「明日」を意味し、同じくイタリア語で「今日」を表す姉妹誌『Oggi』とともに働く女性を応援するコンテンツを発信している。現在 Domaniはデジタルメディアに特化し、「働くママ」に向けた「明日」も楽しむライフスタイルをWEBサイトとSNSで展開。働く自分、家族と過ごす自分、その境目がないほどに忙しい毎日を送るワーキングマザーたちが、効率良くおしゃれも美容も仕事も楽しみ、子供との時間をハッピーに過ごすための多様な情報を、発信力のある個性豊かな人気ママモデルや読者モデル、ファッションのみならずライフスタイルやビジネス・デジタルスキルにも関心が高いエディターたちを通して発信中。https://domani.shogakukan.co.jp/
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