「弱り目に祟り目」は不運が重なることを指す言葉
「弱り目に祟り目」は「よわりめにたたりめ」と読み、不運な状況にあるのにさらに不運が重なるという意味の言葉です。「祟り」とは、神様や仏様から受ける天罰のことです。「弱り目」は弱った状態、「祟り目」は天罰のような災いを受けた状態で、2つの言葉の語呂をあわせています。
困っているときや落ち込んでいるときはその状況の改善を望むものですが、追い打ちをかけるように悪いことが重なるというあまり遭遇したくない状況をあらわします。
辞書にはどのように記載があるか、確認してみましょう。
【弱り目に祟り目:よわりめにたたりめ】
弱ったときに、さらに災難にあうこと。不運が重なること。泣き面に蜂。
(引用〈小学館 デジタル大辞泉〉より)
「目」の不調を表す言葉ではない
「弱り目」とあるため、「目」に関する言葉だと誤解することもあるかもしれません。しかし、ここでの目は物を見るための器官の目ではなく、「落ち目」などと同じように状況をあらわすために使われています。たとえば、「ものもらい」のような目の病気を指しているわけではありません。
「祟り目」についても、目が祟られているということではなく、神様や仏様からの天罰のような災いを受けることを表現しています。
由来となる特定の故事はなく、自然にうまれた言葉
「弱り目に祟り目」には由来となる特定の書物や故事はなく、日本で自然にうまれた言葉だといわれています。
困っているところに別の種類の災難がふりかかるという状況は、程度の大小はあれど、誰でも1度くらいは経験したことがあるでしょう。そのため、日本人の昔からの暮らしの中で、自然に使われ始めたと考えて良いでしょう。
【例文付き】「弱り目に祟り目」の使い方
「弱り目に祟り目」という状況は頻繁に訪れるわけではありませんが、不運が重なるという単に「運」によるものであるため、誰もが陥るシチュエーションといえます。比較的よく使われる言葉であるため、使い方を確認しておきましょう。
【例文】
・先日スマホを無くして散々な目にあったばかりだというのに、今度はパソコンにコーヒーをかけて壊してしまい、【弱り目に祟り目】だ
・階段で足を踏み外して骨折、次の日はストーブで火傷をしてしまった。まさに【弱り目に祟り目】の状況だ