身から出た錆(みからでたさび)
「身から出た錆」とは、悪いことが起きても、元はといえば本人の悪い行いが原因となっていることのたとえです。刀の錆は刀身そのものから生じ、刀の価値を失うという話が由来となっています。刀身を自分自身にたとえ、自分の悪い行いで自分に悪いことが起きることを意味しているのです。
「自業自得」とほとんど同じ意味合いですが、「身から出た錆」には良い意味はなく、もっぱら自分の悪い行為に対する報いという意味で使われます。
自縄自縛(じじょうじばく)
「自縄自縛」とは、自分の心がけや言動が自分を縛り、自由に振る舞えずに苦しむという意味です。「自縄」とは自分の縄のことで、「自縛」とは自分を縛ることを表します。その様子から、自分の言動によって自分自身が身動きできなくなるという意味になったのです。
「自業自得」は自分の行いが原因で報いを受けますが、「自縄自縛」は自分の言動が原因で苦しい立場に陥ります。「自業自得」のように良い意味は含まれず、ネガティブな意味で使われる言葉です。
【目次】
「自業自得」の対義語
「自業自得」には対義語になる言葉もあります。幸運や不幸は予想できないという意味の「人間万事塞翁が馬」、自分の運は天が左右するという「運否天賦」などがあげられます。
どちらも「起きた結果は自分の行いとは関係ないところにある」という点で、「自業自得」とは対極にある言葉といえるでしょう。
それぞれの意味をご紹介します。
人間万事塞翁が馬(にんげんばんじさいおうがうま)
「人間万事塞翁が馬」とは、起きた出来事を見ただけでは幸運か不運かは容易に判断できないという意味のことわざです。一見、不運に思えることでも幸運につながり、その逆もあるとしています。
良し悪しの結果は自分の行いが原因とする「自業自得」とは、反対の意味合いとなる言葉といえるでしょう。
運否天賦(うんぷてんぷ)
「運否天賦」とは、人の運命は自分では決められず、天が定めるという意味の四字熟語です。「運否」は幸運と不運を表し、「天賦」は天が与えるという意味があります。
自分ではどうすることもできず、運を天に任せるという意味合いであり、良いことも悪いことも自分の行いの結果という意味の「自業自得」とは対極にある言葉です。
まとめ
「自業自得」は、自分の行いに対する報いを受けることを意味する言葉です。「悪い結果は自分が招いたもの」という戒めともいえる言葉ですが、本来は良い意味も含まれます。ただし、実際にはほとんどネガティブな意味で使われているため、使う場面には注意したほうがよいでしょう。
「自業自得」には類語や対義語もあるため、あわせて覚えておけばより深い理解につながります。
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