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2023.06.22

知っているようで知らない!? 【藪蛇(やぶへび)】ってどういう意味?

 

「藪蛇」とは余計なことをして悪い結果を招いてしまうことを指す言葉です。今回は、「藪蛇」の詳しい意味や語源、関連することわざ「薮をつついて蛇を出す」などをご紹介します。使い方や例文、類語、対義語も解説しているため、正しく言葉を理解したい方はぜひ参考にしてください。

「藪蛇」の基礎知識

藪蛇」の読み方は「やぶへび」です。他にも「やぶ蛇」、「ヤブヘビ」という表記をする場合もありますが、どちらの表記であっても同じ意味を指します。意味は、余計なことをして悪い結果になってしまうこと。「藪蛇」の由来・語源や関連することわざ、現在の使い方、例文について、詳しくチェックしていきましょう。

口に手を当てる少年

「藪蛇」の意味は余計なことをしてしまうこと

【藪蛇(やぶ‐へび)】
《「藪をつついて蛇を出す」から》よけいなことをして、かえって自分にとって悪い結果を招くこと。「文句がとんだ―になる」

(引用〈小学館 デジタル大辞泉〉より)

「藪蛇」あることわざを略した慣用句であり、意味は余計なことをしてしまったために、自分にとって悪い結果になることです。

「藪蛇」の由来・語源は「打草驚蛇」

「藪蛇」の由来・語源は「打草驚蛇」だといわれています。「打草驚蛇」とは、中国の南北朝時代の兵法書である『兵法三十六計』に書かれた方法で、もともとは戦いで実践するための戦術の一つでした。

また、「藪蛇」とは関連することわざである「藪をつついて蛇を出す」を省略した表現でもあります。わざわざ藪をつついたことによって蛇を出して噛まれてしまうという愚かな行動を表現しており、必要ないことをして面倒を引き起こしてしまうことを指す表現として使われるようになりました。

関連することわざ「藪をつついて蛇を出す」

関連することわざである「藪をつついて蛇を出す」についても詳しくチェックしていきましょう。もともとは「藪をつついて蛇を出す」や「藪をたたいて蛇を出す」という表現で使われていたもので、1800年代は略さずに使われていました。その後、1902年出版の「社会百面相」で「藪蛇」という省略した形で使用されたことが確認されています。

現在での使い方は「藪蛇」か「藪蛇になる」の形が多い

先述のとおり、「藪蛇」とは「藪をつついて蛇を出す」や「藪をたたいて蛇を出す」という表現で使用されていた歴史がある言葉です。しかし、現在では「藪蛇」か「藪蛇になる」の形で使われるケースが多いといわれています。

なお、「薮をつついて蛇を出す」や「藪をつついてヘビを出す」という表記もあります。どれも読み方は「やぶをつついてへびをだす」です。

「藪蛇」を使った例文

藪をつついて蛇を出すというイメージから、突拍子もないような出来事によって悪い結果を招いてしまうような印象を持っている人もいるようです。しかし、「藪蛇」は周りから見たら「やめておけばいいのに、やっぱり悪い結果になった」と感じるようなことでも使えます。「藪蛇」を使った例文をチェックして、どのように使えばいいのかをしっかりと確認しておきましょう。「藪蛇」を使った例文は、以下のとおりです。

例文

・彼女に恋人とのことを聞き出そうとして怒られるなんて、とんだ藪蛇だったね。
・あの人の仕事がうまくいっていないことは明白なのに、その結果をわざわざ聞くだなんて藪蛇だよ。
・アドバイスをしてあげたつもりが怒らせてしまった。どうも藪蛇だったようだね。
・さっき冗談をいったら藪蛇になってしまったようだ。さっきほかの人とケンカしていたらしくて、彼はイライラしていたみたいだ。

 

「藪蛇」の類語と対義語

「藪蛇」の言い換えができる類語と対義語についてもチェックしましょう。「藪蛇」の類語と対義語の例は以下のとおりです。

藪蛇の類語

「雉も鳴かずば撃たれまい」、「寝た子を起こす」、「裏目」、「逆効果」、「自業自得」、「身から出た錆」、「付けが回る」など

藪蛇の対義語

君子危うきに近寄らず」、「触らぬ神に祟りなし」など

「藪蛇」の類語や対義語もまとめてチェックし、効果的にボキャブラリーを増やしていきましょう。

会話する男女のイメージイラスト

「藪蛇」の類義語

先述のとおり、「藪蛇」の類語はたくさんあります。そのなかでも言い換えをしやすい表現とその意味は以下のとおりです。

雉も鳴かずば撃たれまい(きじもなかずばうたれまい)

余計なことをいったせいで災いを引き起こしてしまうことという意味。石川県民話の「あずきまんま」が由来だといわれています。

寝た子を起こす(ねたこをおこす)

起きていると泣いてばかりいて育児が大変であるのに、せっかく寝た子どもを起こしてしまったという表現。静かに収まったのにあえて手出しをして、トラブルを引き起こすことをたとえた言葉です。

自業自得(じごうじとく)

自分がおこなったことの報いを自分自身が受けること。悪業の報いを受けるケースで使うことが一般的です。

身から出た錆(みからでたさび)

自分の犯した悪行の結果、自分自身が苦しむこと

このうち、「雉も鳴かずば撃たれまい」は余計なことをいったという言葉に関する表現で、行動によって災いがあった場合には使いません。言い換えの際には注意をしましょう。

「藪蛇」の対義語

反対に、「藪蛇」の対義語は以下のとおりです。

君子危うきに近寄らず(くんしあやうきにちかよらず)

賢くて教養がある人ならば、危ないことには近寄らないというたとえ。危険があることには近付かないようにと促す表現です。

触らぬ神に祟りなし(さわらぬかみにたたりなし)

神様に対して悪いことをすると祟りを受けてしまうことがあります。神様と関係がない状態であれば、祟りを受けることもないだろうというたとえです。尾張いろはかるたの札のひとつが由来。

先述のとおり、「藪蛇」は余計なことをしてしまって悪い結果になることを表現しています。その対義語は、余計なことをするべきでないと促す言葉だといえるでしょう。

まとめ

「藪蛇」は「打草驚蛇」が語源で、省略しない本来の言い方では「藪をつついて蛇を出すと表現します」。余計なことをして悪い結果になることを意味しており、現在は「藪蛇」または「藪蛇になる」という形で使われるケースが多いです。

類語には「雉も鳴かずば撃たれまい」、「寝た子を起こす」、「自業自得」などがあります。言葉が持っている意味や語源、使い方、類語、対義語などをしっかりとチェックして、さまざまな言葉を正しく使えるようになりましょう。

緑色のへび

写真・イラスト/(C) Shutterstock.com

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