「犬も歩けば棒に当たる」の2つの意味と使い方
「犬も歩けば棒に当たる」という言葉には、2つの意味があります。「棒」を障害物や災難と考えるならば、「犬が散歩したらひどい目に遭う」と解釈できるでしょう。この場合は、何かを始めたことで、思わぬ災難に遭ったという意味になります。
しかし、「棒」を幸運と考えるならば、「犬が散歩をしたら思わぬ幸運に出会う」と解釈することが可能です。この場合は、何かを始めたからこそ良いことにも出会えたという意味になります。
【犬も歩けば棒に当たる】
1.何かをしようとすれば、何かと災難に遭うことも多いというたとえ。
2.出歩けば思わぬ幸運に出会うことのたとえ。
(引用〈小学館 デジタル大辞泉〉より)
出過ぎた行為を戒める言葉
「犬も歩けば棒に当たる」をネガティブな意味で解釈した場合は、出過ぎた行為を戒めるときに用いることがあります。例えば、次のように使えるでしょう。
・【犬も歩けば棒に当たる】というし、あまり夜遅くに出かけるのは感心しないな。
・【犬も歩けば棒に当たる】というでしょ。そんなにSNSで交友関係を広げていると、何か事件に巻き込まれるかもしれないよ。
行動することの大切さを示す言葉
「犬も歩けば棒に当たる」をポジティブな意味で解釈した場合は、行動することの大切さを強調するときに使います。例えば、次のように表現できるでしょう。
・とりあえず興味を持ってくれている人には営業をしてみるほうが良いと思います。【犬も歩けば棒に当たる】というから、取引が成立することもあるでしょう。
・【犬も歩けば棒に当たる】の気持ちで、毎週末お見合いを続けた。結果的に今の夫に出会えたから、何事もとりあえず始めてみることは大切だと思う。
「猿も木から落ちる」とは異なる
「猿も木から落ちる」という言葉は、得意なものでも失敗することがあるという意味の言葉です。猿は木登りが得意とされていますが、思わぬ失敗をすることもあるでしょう。
また、似た言葉としては、「河童の川流れ」や「弘法も筆の誤り」などが挙げられます。いずれもその道を得意としている人でも、失敗をすることがあるという意味の言葉です。
「犬も歩けば棒に当たる」と似ている言葉として「猿も木から落ちる」が挙げられることがありますが、このように意味はまったく異なります。ただ、犬も猿もどちらも身近な動物なので、動物を使った慣用句である点が似ていると考えることもあるようです。
「犬も歩けば棒に当たる」の類義語を例文でご紹介
「犬も歩けば棒に当たる」という言葉には、似た意味の言葉や表現が多数あります。しかし、そのほとんどが「行動することは大切だ」というポジティブなニュアンスか、「出過ぎたことはすべきではない」というネガティブなニュアンスのどちらかで、「犬も歩けば棒に当たる」のように両方の意味を併せ持つことはあまりありません。