「猫の額」
「猫の額」は「ねこのひたい」と読み、また「猫額」と書いて「ねこびたい」とも言います。「額」とは「おでこ」のことで、「猫の額」が狭いことから、「面積が狭い」という意味で使われることが多く、例えば「私の家は猫の額くらい狭い」のように表現します。
最近、使う人は減りましたが、おでこが狭い人を揶揄する時に、「猫の額のよう」とか「猫額」と言っていたので、使い方には気をつけましょう。
「九牛の一毛」
「九牛の一毛」は「きゅうぎゅうのいちもう」と読みます。「九牛」は文字通り「九頭の牛」を意味するのではなく、「たくさんの牛」という意味です。つまり「たくさんの牛の中の一毛」、「ほんの一握り」や「取るに足らない」という慣用句となります。
中国の『文選』に収録された司馬遷の文章が由来といわれています。司馬遷は自分が皇帝の怒りを買い、死刑宣告をされた時のことを「九牛の一毛」と例え、「私が死んでも何の影響もなかった」と述べたそうです。
英語表現とは?
「雀の涙」を英語で表現すると、どんな言い回しになるでしょうか。3つ紹介しますので、チェックしましょう。
「a drop in the bucket」
「a drop in the bucket」は英語表現ではポピュラーな言い回しで、直訳は「バケツの中の一滴」で、「ごくわずかな量」「微々たる量」を意味します。「雀の涙」の他、「焼け石に水」や「大海の一滴」など日本語の表現だとニュアンスに差が出る言い回しですが、「必要な量に対してほんのわずかな量」の英訳として、使いまわせるので、覚えておきましょう。
「chicken feed」
「chicken feed」は直訳すると「鶏のエサ」になります。「鶏のエサ」くらい「ほんの少しの量」を意味しますが、語彙的には「わずかなお金」「はした金」を意味します。「雀の涙」は、お金以外の「微々たる量」のこと全般に使えますが、「chicken feed」はお金の量にしか使えないので、その点は注意して使いましょう。
「An insignificant amount」
「An insignificant amount」は「insignificant」が「取るに足らない」で、「amount」が「量」を意味します。慣用句的な表現ではなく、ストレートに「わずかな量」を英訳したい時に使えますね。
逆に「An insignificant amount」を和訳する時に、文脈によっては「雀の涙」や類語表現に置き換えて使ってみると、幅が広がるでしょう。
最後に
「雀の涙」について、様々な角度から紹介しましたが、意外と知らなかったことも多かったのではないでしょうか。ネガティブな感情表現やお金にしか使えないと思っていた方もいると思います。ただ、ポピュラーな表現の1つですので、これからも正しく使うためにも、覚え直しておきましょう。
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