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LIFESTYLE 雑学

2022.02.23

「朝だけ菜食生活」を送る台湾人が多い理由【台湾の朝ごはん】

 

台湾生活の中で私がいちばん衝撃と感銘を受けたのは何といっても “朝ごはん文化”。種類の豊富さ、グツグツモクモクが掻き立てる高揚感、そしてそれをお目当てにしてかしないでか朝早くからアクティブに活動する現地の人々。台湾という国が今のこの世の中でサバイバーとして経済活動を続けられている秘密はきっと「朝ごはん」にある、私にはそんな気がしてなりません。だから私も始めてみることにしました、朝ごはん屋さん。連載第98回目となる今回は「台湾の菜食生活」について。

Text:
有田 千幸
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「我早餐吃素 (私は朝はベジタリアンです)」という台湾人たち

台湾で生活し始めた当初は毎日が驚きと発見の連続でした。その中でも特に印象深かったことのひとつが、台湾の人たちの食生活。

実は台湾では健康のため、または宗教的観点や動物愛護の観点から「朝だけ菜食生活」を送る人も少なくなく、CA時代午前中の早い時間に出発する便では、動物性食品や動物由来製品・卵・乳製品を一切含まないVOML (Vegetarian Oriental Meal) という東洋風味つけのベジタリアンミールの搭載が全体乗客数の1/5〜1/4に及ぶことも少なくありませんでした。そんな「朝だけ菜食生活」を送る人のことを中国語では「早餐吃素 (朝はベジタリアンを食べます)」といいます。

このときは特に気には留めていなかったこの「早餐吃素」、後に私は大きく共感することになりました。

あれから15年、朝ごはん屋でもヴィーガンメニューを提供するように

ここ数年さまざまな理由から私自身も植物性の素材を多く摂る食生活になっていたことで、自分が台湾朝ごはんを提供することになったとき、メニュー決めのベースにしたのがこの台湾の「朝だけ菜食生活」でした。

ある日のメニュー。食事はノンヴィーガンとヴィーガンから選べるように

▲ ノンヴィーガンメニュー: 発酵白菜の水餃子と南瓜の甘酢漬け

▲ ヴィーガンメニュー: 黒胡麻玄米麺

スイーツはヴィーガンオンリー

▲ あたたかい蜂蜜と生姜のスープに浮かぶ豆花。この日のトッピングは大棗、はと麦と蓮の実。

ちなみに朝ごはんではメニューにヴィーガンがあることを特に強調しているわけではありませんが、お店をはじめて半年ほど経ったころ「実は可能であればヴィーガンのほうがよくて」という人がちらほら食べに来てくれていることを知りました。

完全にどちらかに振り切らないにしても、選択肢があることがこれからの食生活について考える時間をもつきっかけになるのであれば、それは私にとっては非常に大きなやり甲斐なのです。

【続】

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ライター・家庭薬膳アドバイザー・中医薬膳師

有田 千幸

外資系航空会社のCA、建築設計事務所の秘書・広報を経てライターに。ニュージーランド・台湾在住経験がある日・英・中の トリリンガル。環境を意識したシンプルな暮らしを心がけている。毎週水曜日の朝限定で、東京都目黒区にあるコーヒーとクラフトビールの店 – WR. にて台湾朝ごはんを提供中。プライベートでは一児の母。ワインエキスパート。@chiyuki_arita_official

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