忌諱に触れる(ききにふれる)
「忌諱に触れる」とは目上の人が話題にしてほしくないことに触れて、相手の機嫌を損ねてしまうという意味です。「逆鱗に触れる」と同じように、自分よりも年上の人や地位の高い人に対して使います。
【例文】
・部長がかつて取引先とトラブルを起こしたことについて、A君があまりにもしつこく聞いたために、部長の【忌諱に触れて】しまいました。
不興を買う(ふきょうをかう)
「不興を買う」は自分のせいで相手の機嫌を損ねるという意味です。この語句も目上の人に対して使うのが一般的といえるでしょう。なお、「不興」という語句は機嫌を損ねること、興が冷めること、おもしろくないことなどの意味があります。
【例文】
・プロジェクトの失敗によって、社長の【不興を買って】以来、専務はずっと冷遇され続けている。
・営業の担当者が取引先の社長の【不興を買って】しまったため、我が社への発注が大幅に減少してしまった。
憤怒させる(ふんどさせる)
「憤怒させる」は相手を激しく怒らせるという意味の言葉です。憤怒は激しい怒りという意味であり、通常の怒りよりもさらに強い感情を表す言葉といえるでしょう。「逆鱗に触れる」との違いは、相手が目上でなくても使えることです。
【例文】
・妻の誕生日にフレンチレストランでディナーを予約していたのだが、仕事の都合で大幅に遅刻してしまい、妻を【憤怒させて】しまった。
反感を買う(はんかんをかう)
「反感を買う」とは相手に反抗や反発の感情を抱かせてしまうという意味です。「買う」という言葉には自分のしたことがもとになって、好ましくないことを身に負ってしまうという意味があります。
「反感を買う」の他にも「恨みを買う」「顰蹙(ひんしゅく)を買う」などの使い方が一般的です。
【例文】
・地域再開発の説明会でのプロジェクトリーダーの上から目線の発言が、地域住民の【反感を買って】しまった。
【目次】
まとめ
「逆鱗に触れる」とは目上の人や地位の上の人を激しく怒らせてしまうという意味の言葉です。皇帝を竜にたとえて、怒らせると大変であると説明している中国の故事成語が語源になっています。
ビジネスシーンはもとより、日常会話でもよく使われる言葉ですが、目下の人や自分よりも地位の低い人に対しては使わないので、注意が必要です。「逆鱗に触れる」の意味を知って正しい使い方をしてください。
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