「努努」は何と読む?意味や由来などを解説
「努」という漢字を重ねた「努努」の読み方をご存じでしょうか?努は「努力」や「努める」などに使われる漢字ですが、「どど」や「つとつと」ではありません。
ヒントとして、努努には「決して」という意味があり、禁止や打ち消しの表現と一緒に使われることが多いです。気になる正解の読み方や努努の由来、類義語などを見ていきましょう。
努努の読み方は「ゆめゆめ」
それでは正解を発表します。「努努」の正しい読み方は……「ゆめゆめ」でした!まずは辞書での説明を確認してみましょう。
【努努:ゆめゆめ】
[副]《副詞「ゆめ」を繰り返して意味を強めた語。「努努」「努力努力」などとも当てて書く》
1.(あとに禁止を表す語を伴って)決して。断じて。「ゆめゆめ忘れるな」
2.(あとに打消しの語を伴って)少しも。まったく。「ゆめゆめ考えもしなかった」
3.つとめて。心して。
「汝、なほ—仏を念じ奉り」〈今昔・一二・二八〉
(引用〈小学館 デジタル大辞泉〉より)
「努努」は「決して」や「断じて」を表す言葉です。後ろに禁止を意味する表現を付けて、「決して〇〇しないように」といった形で使います。または、後ろに打ち消しの表現を付けて、「少しも〇〇しない」「まったく〇〇しなかった」のように使うこともあります。
「努努」の由来は「努」を強調したもの
そもそも「努」は、「不運なことに巻き込まれないように」という忠告を意味する言葉として使われていました。努努と重ねるようになったのは、耳に残りやすい響きにすることで、意味を強調する狙いがあったためとされています。
また、努を「ゆめ」と読むのは、「ゆゆし」という言葉を由来とする説があります。ゆゆしは忌まわしいなどの意味をもつ古語です。ゆゆしの「ゆ」と「目(め)」が合わさり、努にゆめという読み方が当てられたといわれています。
「努努」の類義語は「断じて」など
「努努」の類義語には以下が挙げられます。
・断じて
・決して
・絶対に
「断じて」は、強い禁止や打ち消しを意味する表現です。「断じて許さない」「断じてそんなことはない」といった形で使うことが多いです。
「決して」は、強い打ち消しの意志を示す際に用いられます。ただし、無条件に否定するわけではなく、譲歩のニュアンスを含むのが特徴です。例えば、「決して遅れてはいけない」のように使います。
「絶対に」は、無条件に否定する際に使える言葉です。または「絶対に行く」のように肯定文でも用いられます。
【例文付き】「努努」の使い方
「努努」は「努努〇〇するな」「努努〇〇しなかった」などの形で使うのが基本です。適切に使えるように、正しい使い方を例文で確認しておきましょう。
・基本的なポイントこそ、【努努】忘れるべからず、です。
・【努努】裏切られると思いもしなかった相手だったので驚いた。
・【努努】判断を誤らないように気をつけましょう。
・【努努】疑うことなかれ。
・政治に関わろうとは【努努】思ってもみなかった。
同じ漢字を重ねる難読漢字4選
「努努」のように同じ漢字を重ねる難読漢字は多数あります。このような言葉は「畳語(じょうご)」といい、同じ意味の言葉を重ねることで意味を強める効果があります。ここでは、「努努」とあわせて覚えておきたい難読漢字を4つご紹介します。
1.緊緊(ひしひし)
2.爽爽(さばさば)
3.態態(わざわざ)
4.片片(ひらひら)
それぞれの読み方や意味を理解しておきましょう。