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2022.08.22

【鯖を読む】の正しい意味は?由来や類語も解説

 

「鯖を読む」とは年齢や数をごまかすことを意味する言葉です。鯖は傷みやすいため早口で数えられ、数が合わないことがありました。転じて、いい加減に数えたりごまかしたりする意味で使われるようになったとされています。今回は「鯖を読む」の意味に加え、由来、例文を交えた使い方を解説します。

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「鯖を読む」とは都合よく年齢や数をごまかすこと

「鯖を読む」は「さばをよむ」と読み、都合よく年齢や数をごまかすことを意味する言葉です。

鯖を読む

年齢の場合は少しでも若いふりをしたり、体重の場合は実際よりも軽いと偽ってしまうことがあるでしょう。少しでもよく見せたい、という心理による行動であるといえます。

ただし、最近ではたとえば実年齢が36歳でも「もうすぐ40歳になりますから」といったように、実年齢よりも上の年齢を申告する人もいるようです。「(その年齢より)お若く見えますね!」という褒め言葉を期待した言動といわれています。このように逆に鯖を読むことを「逆サバ」というようです。

辞書には記載されている意味は以下のとおりです。

【鯖を読む:さばをよむ】《一説に魚市で鯖を数えるとき、わざと急いでその数をごまかすといわれるところから》実際より多く言ったり少なく言ったりして数をごまかす。「―・んで四、五歳若く言う」

(引用〈小学館 デジタル大辞泉〉より)

「鯖」は魚の名前、「読む」は数えるという意味

鯖」は魚編の漢字であることからわかるように魚の鯖のことを指します。そして「読む」は現在使われる「本を読む」といった意味とは異なり、「数える」ことをあらわした言葉です。

万葉集がつくられた7世紀から8世紀頃から、数えることを読むと表現していたといわれており、沖縄の民謡などにその名残があります。

つまり、「鯖を読む」とは、昔の解釈では「鯖を数える」となります。

鯖の傷みやすさが由来

鯖はとても傷みやすい魚であり、数も多かったため、早く売りさばく必要がありました。そのため早口で数えられることが一般的であり、実際の数と一致しないことが珍しくありませんでした。

そのため、いい加減に数を数えることを指して「鯖を読む」というようになったといわれています。さらに転じて、数や年齢をごまかすことをたとえるようになったとする説が有力です。

魚市場から生まれたとする説も

ほかにも、江戸時代、魚市場や魚卸屋のことを「いさば」と呼んでいたことに由来するという説もあります。

当時、魚市場や魚卸屋には冷蔵庫などの長期保存するための設備がありませんでした。そのため、魚を独特の抑揚とリズムをつけながら早口で数えていたことにちなんで「いさば読み」という言葉が生まれました。その「いさば」がいつしか「さば」になり、「鯖を読む」に変化していったというものです。

魚を数えることから生まれた言葉とする点には変わりないのですが、鯖のように種類を特定しているわけではないことが、先ほどの説との違いだといえるでしょう。

【例文付き】「鯖を読む」の使い方

「鯖を読む」は、実際より数を多くいったり少なくいったりしてごまかすときに使われます。「鯖を読む」を使った例文をご紹介しますので、実際に使うときの参考にしてみてください。

鯖を読む

・あまり親しくない人に年齢を聞かれたときは、【鯖を読んで】伝えるようにしている
・体重で【鯖を読んで】いたが、どうやら嘘だとばれていたらしい
・親に先日のテストの点数を聞かれ、とっさに【鯖を読んで】答えてしまった

「鯖を読む」の類語4つ

「鯖を読む」には、いくつかの類語があります。ここでは次の4つの類語をご紹介します。

鯖を読む

1.言葉を濁す
2.お茶を濁す
3.下駄を履かせる
4.まやかす

いずれも真実を明らかにせず、はぐらかしたりごまかしたりするニュアンスを含んだ言葉です。類語もあわせて覚えておくことで、表現のバリエーションが広がります。それぞれの意味や使い方を確認していきましょう。

【類語1】言葉を濁す

「言葉を濁す」とは「ことばをにごす」と読み、はぐらかしたり取り繕ったりしてごまかし、その場をしのぐことをあらわす言葉です。はっきりと意見をいわず、うやむやにしたまま先送りにするという意味もあり、白黒はっきりとつけたがらない、日本特有の表現ともいえるでしょう。「彼女の【言葉を濁す】曖昧な態度に、いつも振り回される」というように使います。

【類語2】お茶を濁す

「お茶を濁す」とは、いい加減なことをいったりしたりしてごまかすという意味の言葉です。茶道の作法の知識がないのに、さも知っているかのように抹茶をかき混ぜて濁し、それらしく振る舞うことが由来といわれています。

言葉の由来からも、知らないことや自分に都合の悪いことがおきたときに、本当のことを正直に伝えずごまかしたり繕おうとすることを指すことがわかるでしょう。「曖昧な返事をして【お茶を濁した】」などと使います。

【類語3】下駄を履かせる

「下駄を履かせる」とは、本来の数を水増しさせて、実際よりも多く見せるという意味の言葉です。下駄を履くと実際よりも身長を高く見せられることが由来と考えられますが、詳しいことはわかっていません。ごまかす、偽るというニュアンスがあるため、一般的にはあまり良い意味では使われないことを覚えておきましょう。「入試で特定の学生に【下駄を履かせて】いたことが明らかになった」というような使い方をします。

上記以外の意味として、囲碁の手筋や印刷用語として使われることもあります。

【類語4】まやかす

「まやかす」とは、上辺だけをうまく取り繕ってごまかしたり、欺いたりすることを意味する言葉で、「鯖を読む」と似たような意味をもつ言葉です。「まやかす」は動詞であり、名詞形の「まやかし」のほうがよく使われる言葉といえるかもしれません。「見物人を【まやかす】」などと使います。

まとめ

「鯖を読む」は、都合よく年齢や数をごまかすことを意味する言葉です。

鯖を読む

「読む」は「数える」という意味で使われており、傷むのが早い鯖を売りさばくために早口で数えていたことに由来するという説が有力です。鯖を早口で数えていたことが、いつしか適当に数を数えることをあらわすようになり、そこから転じて現在の意味になったといわれています。

「鯖を読む」の類語には、「言葉を濁す」、「お茶を濁す」、「下駄を履かせる」、「まやかす」などがあります。この機会に、「鯖を読む」という言葉の由来や意味を正しく覚えておきましょう。

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写真・イラスト/(C) Shutterstock.com



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