「気風」の意味や読み方とは?
「気風」は、「きふう」、もしくは「きっぷ」と読みます。読み方によって若干意味が異なりますので、それぞれ見ていきましょう。
まず、「気風」を「きふう」と読む場合、意味は「気性」「気質」です。特に、ある地域や集団において共通する気質のことを指します。
一方、「きっぷ」と読む場合、意味は「その人の言動からうかがえる気質」。特に、思い切りがよく、さばさばとした気性をさすことが多いです。そのような人のことを「気風がいい人」と表現します。一般的に、男性に対しての褒め言葉として使われるケースが多いですね。
では、なぜ「きふう」と「きっぷ」の、2つの読み方があるのでしょうか。日本語のなかには、発音が難しいなどの理由で、言葉を言いやすくするために、音を変化させるものがあります。この「気風」も、もともとは「きふう」と読まれていました。それがやがて、発音しやすくするために「きっぷ」とも読まれるようになったそうです。
使い方を例文でチェック!
では次に、「気風」を使った例文を見ていきましょう。「気風」は読み方によって、意味が若干変わります。自分が表現したい内容にあわせて、使い分けてみてください。
1:「一般的に言われるように、沖縄の人は明るくて大らかな気風だ」
この例文で使っているのは、人の気質をあらわす「気風(きふう)」です。旅をした時や、自分の出身地以外の人と話した時などに、その土地で生まれた育った人ならではの「気風」を感じることはないでしょうか。このように、地域によって共通の気質を感じた時に、「気風」を使って、その特徴を表現してみましょう。
2:「転職先の会社は、のびのびとした自由な気風で自分に合っている」
「気風(きふう)」は、地域だけではなく、ある特定のコミュニティに対しても使えます。この例文で表しているのは、会社における「気風」。会社によって風土や、社内の雰囲気が異なるため、その会社で働く人たちにも、ある共通の「気風」が見受けられる場合がありますよね。そんな時にも、「気風」を使えますよ。
3:「近所のおじさんは生粋の江戸っ子で、気風がいい」
ここで使っているのは「気風(きっぷ)」。江戸っ子は、物事にこだわらず、さっぱりした性格の人が多いです。男らしくて、心意気もあるため、周囲の人から頼りにされているなど、たいていは好印象をもたれています。まさに「気風がいい人」の代表格といえるでしょう。
類語や言い換え表現とは?
「気風」の類語には、「性格」「気立て」「気前」「いなせ」などが挙げられます。いずれも、その人の性質を表す言葉です。それぞれの意味を見ていきましょう。
1:性格
「性格」は馴染みのある言葉ですよね。あらためて意味をおさらいすると、「行動などに表れるその人の感情や意志の傾向」「ある物事に見られる傾向」です。「気風」という言葉がとっさに出てこなかった場合は、「性格」を使うとよいでしょう。
2:気立て
「気立て」は「きだて」と読みます。意味を辞書で引いてみると下記の通りです。
他人に対する態度などに現れる、その人の心の持ち方。性質。気質。(<小学館デジタル大辞泉>より)
たいていは、女性の気質を表す言葉として、「気立てのいい女性」「気立ての優しい娘」などと使われ、思いやりのある親切な人のことや、優しくて気遣いのできる人のことを指す言葉です。多くの場合、褒め言葉として使われます。
3:気前
「気前」とは「きまえ」と読みます。意味は2つあり、「気立て」と「さっぱりした気質」。後者の場合は特に、お金を出し惜しみしない人のことを表し、「気前よくお金を払う」などと使われます。「太っ腹な人」ともいえるでしょう。
「気風がいい」とほとんど同じ意味ですが、「気前がいい」というと、「お金の出し惜しみをしない」という意味合いを含みます。しかし、「気風がいい」には、お金の出し惜しみをしないといった意味合いはありません。その違いだけ覚えておきましょう。
4:いなせ
「いなせ」とは、「男気があり、さっぱりしているさま」という意味。また、そうした容姿や「気風」を持つ若者のことを指します。言葉が生まれたのは、江戸の町。当時日本橋魚河岸で流行した髪型が、ボラの幼魚「鯔(いな)」の背に似ていたため、「鯔背銀杏(いなせいちょう)」と呼ばれていたのだとか。それがやがて、「粋な若者」を「いなせ」というようになったのだそうです。
英語表現とは?
「気風」は、「きふう」と「きっぷ」で、多少意味が変わりますので、それぞれの意味にぴったりな英語表現を紹介します。例文もあわせて見ていきましょう。
1:character
「気質」をあらわす「気風(きふう)」を英語で言いたい場合には、「character」が適しています。「character」は、「性格」「性質」「気質」などの意味を持つ単語です。例えば、イタリア人の国民性を「the character of the Italian」などと言います。
例文:He has a cheerful character.(彼は陽気な性格をしている)
2:personality
「personality」は、「性格」「個性」という意味。「character」と並んで、「性格」を表現する場合によく使われる単語です。
例文:My mother has a bad personality.(私の母は性格が悪い)
3:disposition
「disposition」は、「性質」「気質」「傾向」などの意味を持つ言葉。優しい気質を「gentle disposition」、イライラしやすい気質を「irritable disposition」などと表現できます。
例文:My sister has a very irritable disposition.(私の姉はとてもイライラしやすい気質だ)
4:generous
「generous」は、「気前のいい」「寛大な」「思いやりがある」などの意味を持ちます。「generous man」と表現すれば、「気風がいい男性」という意味に。「generous」を、同じく「寛大な」という意味を持つ「open-hearted」「big-hearted」に置き換えても構いません。
例文:My father is a generous man.(私の父は気風がいい)
最後に
「気風」は、人の性格や気質を表す時や、さっぱりとした性格の人に対して使える言葉です。しかし、「きふう」と読むのか、「きっぷ」と読むのかで、意味が変わるのが難しいところ。
しかし、「きっぷ」の方の意味で使われる場合、「気風(きっぷ)がいい」という、定型フレーズで使われることがほとんど。間違えにくいものの、もしどちらかわからなかったら、文脈で判断するようにしてください。