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「千変万化」とは?
「千変万化」は「せんぺんばんか」と読みます。意味は、「さまざまに変化すること。場面、事態、様子などがつぎつぎと変化していくこと」です。
この「千変万化」という言葉は、「千変(せんぺん)」と「万化(ばんか)」という2つの言葉からできています。どちらも「いろいろに変化すること」という同じ意味の2つの言葉を重ねることで、より変化が強調されています。変化のスピードが早く、予測のつかない現代社会は、まさに「千変万化」な社会といえそうですね。
次に言葉の由来を紹介します。「千変万化」という言葉は、西暦500年代、中国の古典『列子』に書かれた逸話が由来となっています。木から人形を作る細工師『偃師(ぼくし)』が、まるで人間のように動く人形を作り、当時の王様『穆(ぼく)』に献上し、喜ばれたという話から来ています。目まぐるしく動く人形の様子を「千変万化」といいました。
「千差万別」、「変幻自在」との違いは?
よく使う言葉で似ているものに、「千差万別(せんさばんべつ)」という言葉があります。この「千差万別」は、「それぞれに違いがあること」という意味です。現状を表す言葉であり、動的な変化を表しているものではありません。つまり、すでに今あるものにさまざまな差があるという意味になります。
また「変幻自在(へんげんじざい)」も似た言葉として挙げられます。「変幻」は動的な変化を表しますが、「自在(じざい)」という言葉には「意のままになる」という意味があります。「千変万化」は変化を客観的に捉えており、「変幻自在」は変化を自ら操っていると考えるとわかりやすいのではないでしょうか。
「千変万化」の使い⽅を例⽂でチェック
では、「千変万化」の使い方について例文を使ってチェックしていきましょう。「千変万化」という言葉は、「千変万化する」「千変万化の〇〇」という形で使われます。物理的に目に見える形で変わっていくものに対しても、社会情勢や人の心といった目に見えないものに対しても使用することができます。
千変万化する時代を生きていくのは大変だ
時代はどう変わるかわからない。変化が激しく、先を見通せない「千変万化」な時代を生きていくのは容易なことではありません。自分の考え方や行動の指針を持っていないと、時代の渦に巻き込まれてしまいますね。
朝令暮改の上司に千変万化の彼を見て感心する
上司は朝令暮改で言うことがコロコロ変わる。彼はそんな上司に対して、文句もいわず命令されたことに都度対応している。そんな彼を見てすごい! と感心しているところを切り取った一文です。
クラゲの千変万化する姿を見ていると、生命の神秘を感じる
クラゲは、姿形を様々に変えて泳ぎます。その様子には、生命の神秘が感じられますね。そのことを「千変万化」を使って、表した一文です。
類語や⾔い換え表現にはどのようなものがある?
では「千変万化」という言葉の類語や言い換え表現にはどのようなものがあるのでしょうか。見ていきましょう。