謝罪が必要な場面では、「今後ともよろしくお願いいたします」の使用を避け、「ご迷惑をおかけしまして大変申し訳ございません。」など、お詫びの言葉を用います。
「何卒(なにとぞ)」や「切に」で強調できる
「これからもお世話になりますので、どうかよろしくお願いします」という気持ちを強く持っているときは、「何卒」や「切に」を使って意味を強めることができます。
たとえば、子どもの担任に挨拶するときや、仕事上でいつもお世話になっている方に挨拶するときは、「何卒、今後ともよろしくお願いします」や「今後とも切によろしくお願いします」のように表現できるでしょう。
例文
・何卒、今後ともよろしくお願い申し上げます
・今後とも切によろしくお願いいたします
「今後ともよろしくお願いいたします」のNGシーン
「今後ともよろしくお願いいたします」は、目上の人に使っても失礼に当たらないだけでなく、メールなどにも使えるので、大抵のシチュエーションで挨拶に用いることができます。
しかし、あまり適さないシーンもいくつかあるので注意が必要です。特に次の3つのシチュエーションでは、「今後ともよろしくお願いいたします」はふさわしくないかもしれません。
それぞれのシチュエーションで、なぜ「今後ともよろしくお願いいたします」がふさわしくないのか解説します。

(c) Adobe Stock
謝るとき
「今後ともよろしくお願いいたします」は、お世話になった方やこれからお世話になる方への挨拶です。ただし謝罪の要素はないため、謝る必要がある場面では使用を避けましょう。
もし、発注ミス等でクライアントに迷惑をかけた場合、相手が許してくれたとしても「今後ともよろしくお願いいたします」と言うと厚かましく思われることがあります。その際は、「ご迷惑をおかけしまして大変申し訳ございません。今後はこのようなことがないよう、十分注意してまいります」と謝意をしっかり伝えましょう。

親しい相手
「今後ともよろしくお願いいたします」は、丁寧な挨拶の言葉ですが…普段から親しくしている相手にこの言い方をすると、他人行儀な印象を与えてしまいます。
場合によっては、相手に「もしかして親しいと思っていたのは、自分だけなのかな?」と思わせてしまうおそれもあるので、使わないようにしましょう。

親しい相手には、他人行儀な印象を与えてしまうこともあるので注意が必要です。
今後の付き合いがないと思われる相手
「今後ともよろしくお願いいたします」は、これからもお世話になることがわかっている相手に使うのが一般的です。もう二度と会うことがないと思われる相手や、これからは今までのように付き合うことはないと考えられる相手に対しては、ふさわしい言葉とはいえません。この場合、「今までお世話になりました」といったように、過去形で話すほうが適しています。

今後の付き合いがなさそうな相手に対しては、「今までお世話になりました」などの言葉を選びましょう。
「今後ともよろしくお願いいたします」に返信は必要?
「今後ともよろしくお願いいたします」は、相手との良好な関係継続を願う挨拶であり、基本的には返信が必須ではありません。しかし、相手との関係性や状況によっては、返信することでより丁寧な印象を与え、今後の関係を円滑にすることができます。
たとえば、目上の方や重要な取引先など丁寧な対応を心がけるべき相手や、今後もやり取りが予想される場合、また相手から特に親切な言動を受けた場合は、返信したほうがよいでしょう。その際には、ぜひ以下の例文を参考にして下さい。
例文
・こちらこそ、今後ともどうぞよろしくお願いいたします
・引き続き、どうぞよろしくお願い申し上げます
・今後ともご指導ご鞭撻のほど、よろしくお願いいたします
・今後とも変わらぬご厚情を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます
「今後ともよろしくお願いいたします」の言い換え表現
「今後ともよろしくお願いいたします」は、便利な表現だけに繰り返し使いやすい言葉です。言い換え表現をあわせて覚えておくことで、語彙力を豊かにしましょう。

(c) Adobe Stock
「引き続きよろしくお願いいたします」
この表現は、すでに確立された関係を今後も継続したい意向を表現する際に用いられます。プロジェクトが進行中の取引先や、チームメンバーに対して使うと効果的です。

相手に対する信頼感や、ともに取り組む姿勢を伝えることで、良好な関係を築くことができるでしょう。
「これからもお世話になりますが、どうぞよろしくお願いいたします」
こちらは、今後も長期的な関係を築く意向を示すのに適しています。新しくパートナーシップを結んだときや取引開始時に使うことで、相手への敬意とともに、今後の協力を期待する気持ちが伝えられるでしょう。

特に、初めての取引先に対して、誠実さを感じさせるいい言い回しだと思います。
「末永くお付き合いのほど、よろしくお願い申し上げます」
こちらは、特にフォーマルなビジネスシーンで使われる言い回しで、目上の方や重要なクライアントに対して適しています。長い付き合いを希望する気持ちを強調しながら、相手への敬意も表現できます。ビジネスの挨拶状やメールの結びにふさわしく、丁寧さが求められる場面で重宝されるでしょう。

「末永くお付き合いのほど、よろしくお願い申し上げます」は、長い付き合いを希望する気持ちを強調し、相手への敬意を表現します。
よくある質問
ここからは「今後ともよろしくお願いいたします」という表現に関する、よくある質問に答えていきます。
Q1. 「今後とも」にはどんな意味がありますか?
A.「今後とも」は、これから先も引き続き、同様の状態や関係が続くことを願う気持ちを表す副詞です。単に「今後」と言うよりも、「とも」が付くことで、相手とのつながりや関係性を意識したニュアンスが強まります。
Q2. 「今後ともよろしくお願いします」と「今後ともよろしくお願いいたします」の違いは?
A.この2つの表現の主な違いは丁寧さの度合いです。どちらの表現も基本的な意味は同じですが、相手との関係性や場面に合わせて使い分けましょう。
ふたつの表現の違い
・今後ともよろしくお願いします:「よろしくお願いいたします」よりもややくだけた印象を与えます。親しい間柄や同僚、部下などに対して使うのが適切でしょう。
・今後ともよろしくお願いいたします:こちらは「いたします」という言葉によって、より丁寧な表現になっています。目上の方やビジネス上の取引先など、敬意を払うべき相手に対して使うのが適切です。
Q3. ビジネスで使える「これからよろしくお願いいたします」の言い換え表現は?
A.ビジネスシーンで「これからよろしくお願いいたします」を言い換える場合、より丁寧さや状況に応じた表現を選ぶようにして下さい。以下の言い換え表現を、相手との関係性や伝えたいニュアンスに合わせて使い分けてみましょう。
例文
・今後ともどうぞよろしくお願いいたします
・引き続きよろしくお願い申し上げます
・今後ともご指導ご鞭撻のほど、よろしくお願い申し上げます
・今後ともお引き立てのほど、よろしくお願い申し上げます
最後に
- 「今後ともよろしくお願いいたします」という表現は、目上の人にも使用OK。普段の挨拶やメールなど、ビジネスシーンで幅広く使える
- 親しい相手や今後の付き合いがないと思われる相手に対して使うのは不適切。謝るときもNG
- 「今後ともよろしくお願いいたします」への返信は必須ではないが、相手との関係性や状況によって判断したほうがよい
「今後ともよろしくお願いいたします」は、ビジネスでも日常生活でも使える便利な言葉です。しかし、適切な場面で使用することがこのフレーズを使いこなすカギとなります。効果的に活用し、相手との関係を深めていきましょう。
メイン・アイキャッチ画像/(c)Adobe Stock
TEXT
Domani編集部
Domaniは1997年に小学館から創刊された30代・40代キャリア女性に向けたファッション雑誌。タイトルはイタリア語で「明日」を意味し、同じくイタリア語で「今日」を表す姉妹誌『Oggi』とともに働く女性を応援するコンテンツを発信している。現在 Domaniはデジタルメディアに特化し、「働くママ」に向けた「明日」も楽しむライフスタイルをWEBサイトとSNSで展開。働く自分、家族と過ごす自分、その境目がないほどに忙しい毎日を送るワーキングマザーたちが、効率良くおしゃれも美容も仕事も楽しみ、子供との時間をハッピーに過ごすための多様な情報を、発信力のある個性豊かな人気ママモデルや読者モデル、ファッションのみならずライフスタイルやビジネス・デジタルスキルにも関心が高いエディターたちを通して発信中。 WEB Domani
あわせて読みたい


