「何卒(なにとぞ)」や「切に」で強意する
「これからもお世話になるので、どうかよろしくお願いします」という気持ちを強く持っているときは、「何卒」や「切に」を使って強意することができます。
例えば、子どもの担任に挨拶するときや、仕事上でいつもお世話になっている方に挨拶するときは、「何卒、今後ともよろしくお願いします」や「今後とも切によろしくお願いします」のように表現できるでしょう。
「今後ともよろしくお願いいたします」のNGシーン
「今後ともよろしくお願いいたします。」は、目上の人に使っても失礼にはならないだけでなく、メールなどにも使えるので、大抵のシチュエーションで「今後ともよろしくお願いいたします」と挨拶できます。
しかし、あまり適さないシーンもいくつかあるので注意が必要です。特に次の3つのシチュエーションでは、「今後ともよろしくお願いいたします」はふさわしくないかもしれません。
・謝るとき
・親しい相手
・今後の付き合いがないと思われる相手
それぞれのシチュエーションで、なぜ「今後ともよろしくお願いいたします」がふさわしくないのか解説します。
謝るとき
「今後ともよろしくお願いいたします。」は、お世話になった方やこれからお世話になる方への挨拶です。ただし、謝罪の要素はないため、謝罪が必要な場面では使用を避けましょう。
もし、発注ミスでクライアントに迷惑をかけた場合、相手が許してくれたとしても、「今後ともよろしくお願いいたします」というのは厚かましく思われることがあります。その際は、「ご迷惑をおかけしました。今後は気を付けます」と謝意をしっかり伝えましょう。
親しい相手
「今後ともよろしくお願いいたします」は、丁寧な挨拶の言葉です。普段から親しくしている相手に「今後ともよろしくお願いいたします」と伝えると、他人行儀な印象を与えてしまいます。
場合によっては、相手に「もしかして親しいと思っていたのは、私のほうだけなのかな?」と思わせてしまうこともあるので、使わないようにしましょう。
今後の付き合いがないと思われる相手
「今後ともよろしくお願いいたします」は、これからもお世話になることがわかっている相手に使うことが一般的です。もう二度と会うことがないと思われる相手や、これからは今までのように付き合うことはないと考えられる相手に対しては、ふさわしい言葉とは言えません。
「今までお世話になりました」などのように、過去形で話すほうが適しています。
「今後ともよろしくお願いいたします」の言い換え表現
「今後ともよろしくお願いいたします」は、便利な表現だけに繰り返し使いやすい言葉です。言い換え表現を併せて覚えておくことで、語彙力を豊かにしましょう。
「引き続きよろしくお願いいたします」
この表現は、すでに確立された関係を今後も継続したい意向を表現する際に用いられます。プロジェクトが進行中の取引先や、チームメンバーに対して使うと効果的です。相手に対する信頼感や、共に取り組む姿勢を伝えることで、良好な関係を築くことができるでしょう。
「これからもお世話になりますが、どうぞよろしくお願いいたします」
こちらは、今後も長期的な関係を築く意向を示すのに適しています。新しいパートナーシップや取引の開始時に使うことで、相手への敬意と共に、今後の協力を期待する気持ちが伝えられるでしょう。
特に、初めての取引先に対して、誠実さを感じさせるいい言い回しだと思いますよ。
「末永くお付き合いのほど、よろしくお願い申し上げます」
こちらは、特にフォーマルなビジネスシーンで使われる言い回しで、目上の方や重要なクライアントに対して適しています。長い付き合いを希望する気持ちを強調することで、相手への敬意を表現します。ビジネスの挨拶状やメールの結びにふさわしく、丁寧さが求められる場面で重宝されるでしょう。
最後に
「今後ともよろしくお願いいたします」は、ビジネスでも日常生活でも使える便利な言葉です。しかし、適切な場面で使用することが重要です。このフレーズを効果的に活用し、相手との関係を深めていきましょう。
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