「一目瞭然」とは?
■読み⽅と意味
「一目瞭然」は「いちもくりょうぜん」と読み、一目見ただけではっきりわかるという意味です。「一目」は、ちょっと見ること、ひとめに見渡すことで、「瞭然」は、はっきりしていて疑いのないさまという意味です。この「一目」と「瞭然」が組み合わさり、一目見ただけではっきりとわかるという意味の「一目瞭然」という言葉になっています。
■由来
「一目瞭然」の言葉の由来はどのようなものでしょうか。四字熟語の多くに見られるように、「一目瞭然」の由来は、昔の中国です。「一目瞭然」は、南宋の儒学者・朱子(朱熹)の朱子学で見られます。
その頃「一目瞭然」は「一目了然」と表され、「瞭」ではなく「了」の字が使われていました。中国語では「動詞+了」で、「~した」、「~してから」、「~したら」という意味になります。
「一目瞭然」の意味を理解するには、「瞭」よりも、もともと使われていた漢字の「了」で考えたほうが理解しやすいかもしれませんね。それぞれの漢字の持つ意味を単独で考えると、「一目瞭然」は、「ちょっと」、「見たら」、「そのように」という意味の言葉が合わさって成り立っていることがわかるでしょう。
ちなみに、「一目瞭然」の最後の「然」は、「そのように」という意味を持つ副詞です。この「然」で終わる四字熟語は数多くあり、「旧態依然」、「理路整然」、「物情騒然」などがそれに当たります。
「一目瞭然」の使い⽅を例⽂でチェック
実際にどのようなシーンで「一目瞭然」が使われるのか、例文で確認していきましょう。
急激な円安で、ガソリン価格が上昇するのは一目瞭然だ
ガソリン価格の変動は為替の影響だけではありませんが、わが国ではガソリンの調達は輸入に頼っているため、短期間で大きく円安に振れると、その影響は少なくありません。
そのような、少し考えればはっきりわかる場合に、「一目瞭然」という言葉が使えます。
彼が優勝することは一目瞭然だった
誰が見ても明らかに抜きんでた実力であるなら、優勝することがはっきりとわかるということを言い表しています。
我が社が不利なのは一目瞭然だ
ライバル会社との争いで、自分たちの会社が不利であることがはっきりとわかっている場合に使える例文です。
類語や⾔い換え表現にはどのようなものがある?
「一目瞭然」の類語や言い換え表現についても、チェックしておきましょう。ここでは、「一目瞭然」と同じように四字熟語の表現を集めました。
明々白々
「明々白々」は、「めいめいはくはく」と読みます。「明々白々(明明白白)」は、同じ漢字を重ねることでその意味を強調するものです。「明々白々」は、非常にはっきりしていて疑いの余地がないという意味です。
簡単明瞭
「簡単明瞭」は、単純で分かりやすいことを意味します。「簡単」は、ものごとが単純なこと。「明瞭」は、はっきりしていることです。