「現実を目の当たりにする」
「目の当たり」は、実体のあるものを見たときによく使われる表現です。しかしこの例文のように、実体として見ることができない「現実」や「死」などについても使うことができます。たとえば、「子どもの成績表を見て、現実を目の当たりにする」「重病にかかったことで、初めて死を目の当たりにした」など。この場合、たいていは、過酷な現状や、悲しい現実を知ったときなど、ネガティブなシーンで使われます。
類義語や言い換え表現は?
次に、「目の当たり」の類語を紹介しましょう。「目の当たり」を他の言葉に言い換える場合には、「目撃する」「遭遇する」などがあります。それぞれの意味や、「目の当たり」との違いはあるのかについても解説しますので、一つひとつチェックしてみてください。
目撃する
「目撃する」は聞き慣れた表現ですよね。あらためて意味を紹介すると、「その場で、自分の目で直接物事を見ること」です。「目の当たり」も「ある物事を目の前で見る」という意味ですので、まったく同じ意味の表現として使えるでしょう。ただし、例文の箇所で紹介した、「現実を目の当たりにする」を「現実を目撃する」とは言い換えられませんので、その点だけは注意してください。
例文:道を歩いていたら、同僚が彼女と歩いているのを目撃した。
遭遇する
「遭遇する」も、馴染みのある表現ではないでしょうか。「遭遇する」の意味は、「不意に出合うこと」です。予期せず、ある物事や人に出合うときに使います。「遭遇する」も、直接物事に巡りあっているため、「目の当たり」の類語といえるでしょう。ただし、「遭遇する」には「不意に」「思いがけず」「予期せず」などの意味合いがあり、驚いたようなニュアンスが含まれます。しかし「目の当たり」には含まれませんので、その点が両者の違いです。
例文:この間、旅先で友人にばったり遭遇したときは、とても驚いた。
「目の当たり」の英語表現は?
「目の前で見る」という意味の「目の当たり」にはどのような英語表現があるのでしょうか。一緒に見ていきましょう。
witness
「目の当たり」の英語表現として最もシンプルなのは「witness」です。「witness」は「目撃する」「見る」などの意味を持つ英語。直接自分の目で見るようすをあらわすので、「目の当たり」の英語表現としてぴったりですね。
例文:My friend witnessed the terrible accident.(私の友人は、惨事を目の当たりにした)
see with one’s own eyes
次に、「目の当たり」の英語表現としてあげられるのは「see with one’s own eyes」です。「see」は「見る」、「with one’s own eyes」という表現で「〜自身の目で」という意味。これらを合わせて、「〜自身の目で見る」という意味になりますので、「目の当たりにする」という英語表現として使えます。
例文:She saw a car accident with her own eyes.(彼女は自動車事故を目の当たりにした)
最後に
「ある物事を目の前で見る」という意味の「目の当たり」について解説しました。シンプルな意味の言葉ですが、単に「目の前で見た」というよりは、「目の当たりにした」という言い回しにしたほうが、知的な印象を与えます。ぜひ日常生活でも使ってみてください。
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