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LIFESTYLE 漢字クイズ

2024.05.10

「虎魚」の読み方は? どんな魚? その生態や名前の由来について学ぼう

その見た目からは想像もできないほど美味しい魚…「虎魚」ですが、皆さんはこの漢字読めたでしょうか? 今回は「虎魚」の読み方からどんな魚なのか、生態、名前の由来まで合わせて解説していきます!

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「虎魚」はどんな魚?

まずこの漢字「虎魚」は「おこぜ」と読みます。では、「虎魚」とはどのような魚でしょうか?名前は聞いたことあるけど、実体はあまり知らないという方が多いと思います。その風貌は一度見たら忘れられないインパクトがあります。

虎魚(おこぜ):オニオコゼの別名。また、ハオコゼ・ダルマオコゼなどを含めていうこともあり、一般に頭は凹凸が激しく、背びれのとげが強大で、奇異な姿をしている。《季 夏》
引用:小学館 デジタル大辞泉

虎魚

(C)AdobeStock

「虎魚」の体の特徴は?

「虎魚」の体長は、20センチから大きなもので30センチほどになります。体長が20センチほどになるのに3~5年かかり、寿命は長いもので10年といわれています。体の表面にはウロコがなく、柔らかい突起がたくさんついていて、背びれが大きいのも特徴のひとつ。

ですが「虎魚」の特徴は何といってもその面構え。頭の凹凸が激しく、目が飛び出していて口が扁平で上を向いています。醜い鬼の面を連想させるほどのインパクト。きっと一度見たら忘れられないでしょう。そんな「虎魚」ですが、実は幼体の頃はとてもかわいい顔をしているんですよ。

「虎魚」が棲むところは?

生息地は北海道南部以南、朝鮮半島以南、台湾、南シナ海北部など暖かい海で広く分布します。また浅いところを好み、水深200メートルより深いところには生息しません。普段は砂泥の底や藻場に棲み、動き回らずジッとしています。

体の色は周りの環境によって変化する擬態で、気づかずに来た小魚や甲殻類を捕食する海のハンター。下あごが出っ張っているのは、海底で獲物を待ち構えているアンコウと同じですね。藻場では赤紫色、砂泥地では暗灰色、深所では赤色、または黄色が強くなります。

「虎魚」は実は怖い?

「虎魚」には食べられるものもあるのですが、背びれの棘には強い毒性があり、ヨーロッパ方面ではデビルスティンガー(悪魔のトゲ)と呼ばれ恐れられています。棘に刺さると強烈な痛みと共に患部は腫れ上がり、ひどい時にはけいれんや呼吸困難になることもあるようです。一般家庭で捌く機会はあまりありませんが調理する際は気を付けないといけません。

「虎魚」の味は?

「虎魚」の中でも「鬼虎魚(おにおこぜ)」は食用として我々の胃袋と食欲を満たしてくれます。「夏のフグ」と呼ばれるほどの美味です。味はあっさりと上品でまさにフグに近く、身は刺身や唐揚げ、肝は煮つけ、中骨は頭部から上品な出汁が取れるため、みそ汁が合います。

食べられる部分が少なく価格は「夏フグ」の名の通り、フグ並みの値段。ただし、「鬼虎魚(おにおこぜ)」以外の「虎魚」はほとんど食用にされることはありません。ですが「虎魚」の姿は特徴的なので水族館などでは人気があるようです。

虎魚

(C)AdobeStock

「虎魚」は夏の季語

俳句などでは「虎魚」は夏の季語として使われています。夏のフグといわれるだけあって美味しい時期は、晩春から夏にかけて。ですが実際は地方によって旬の時期は異なるようで、長崎などでは冬が旬といわれています。

「虎魚」の種類

「オコゼ類」はメバル類やカサゴ類と近縁で、背びれの位置が頭部の直後から始まる群と、目の上から始まる群に大別します。前の群は、オニオコゼ科とフサカサゴ科、後ろの群はイボオコゼ科とハオコゼ科に分けられます。

オニオコゼ科には、体にうろこのないオニオコゼ、ダルマオコゼ、ヒメオコゼ、オニダルマオコゼなどがいます。フサカサゴ科には体が細かい棘に覆われているダンゴオコゼ、ワタゲダンゴオゴゼなど。次にイボオコゼ科には体に多数の棘を持つイボオコゼ、アブオコゼ、カゴシマオコゼがいます。ハオコゼ科には、体に棘のないハオコゼ、ハチオコゼ、ヤマヒメなど。

虎魚

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「虎魚」の名前の由来は?

「おこぜ」の「おこ」は醜悪なさま、愚かなさまを意味し、「ぜ」は魚の名前の後ろにつく言葉です。つまり「醜い魚」という意味で、ストレートすぎる名前の由来です。この「虎魚」という漢字は当て字で、醜い風貌からつけられたといわれています。また、ことわざで「おこぜのよう」は、醜い顔のたとえに使われます。すべてが醜さからきていて、なんだか可哀そうになってきました。

また他の漢字で「鰧(おこぜ)」と表すこともあります。月と鮝(ふか)が合わさった字です。この右側の字、鮝という文字はひものという意味があります。

また魚ではなく、地方によっては方言で毛虫やマムシ、蛭のことを「おこぜ」と呼ぶこともあります。

「虎魚」と山の神

「虎魚」は古くから山の神への供え物として捧げる風習があり、室町時代の『御伽草子(おとぎぞうし)』にも出てくるようです。山の神は醜い顔をしているのですが、「虎魚」を見ると、自分より醜いものがあったと喜んだという話。他にも、「虎魚」の棘が魔除けにもなるとか、病気を治すのにいいとか、落とし物を見つけるのに特殊な力があるともいわれています。

また、子供の食い初めの膳につければ、その子は一生涯のどに魚の骨が刺さらない、また美味しい魚なので山の神のお供えものに使われたなどの話も。このように色々な言い伝えがありますが、その理由ははっきりとわからないようです。

また、山の神の祭りに「虎魚」を必要とする地方は多く、三重県の尾鷲市などでは、懐に入れた「虎魚」を神様にチラっと見せて大笑いするとか、猟師が「虎魚」を懐に忍ばせ猟に出て、「獲物を授けて下さればみんな見せます」と出すまねをして山の神に祈願するという風習があるようですよ。

見た目が悪くても神様のお供え物になりますし、お料理では美味しいと重宝がられています。「人は見かけによらず」などといわれますが、それは人間だけに限らず、生き物すべてがそうなのかもしれませんね。

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