「仕切り直し」の意味と由来
物事が行き詰った時に「さぁ、仕切り直しだ」、などと言います。いったい「仕切り直し」とはなにを意味しているのでしょうか? また言葉の由来は何でしょうか?
「仕切り直し」の意味は?
「仕切り直し」の意味を辞書で確認してみましょう。
1 相撲で、両力士の呼吸が合わないため、仕切りをやり直すこと 2 転じて、スポーツ・囲碁・将棋などの勝負事をやり直すこと。また、交渉などを最初からやり直すこと。「延長15回引き分けで明日―となる」(<小学館 デジタル大辞泉>より)
「仕切り直し」は日本の国技である相撲が発祥。土俵の中央には、仕切り線というものが2本あります。力士はその線の上に手を置いてタイミングを見計らって試合の立ち合いをします。
ところが、両者の息が合わずに立ち合いがずれてしまうと、もう一度やり直しとなります。つまり仕切りからやり直し、ということで「仕切り直し」という言葉になりました。この瞬間は最高の醍醐味。見ている観客も息を飲みながら、両者立ち合いのタイミングが合うのを待ちます。息詰まる一瞬です。
このことから、うまく物事が進まなかったときや決着がつかなかった時は、一からやり直そうという意味になります。本来は、勝負事や交渉事など勝負をかける場面において、使われていました。近年ではビジネスの場など、物事をやり直す時などにも使われるようになりました。
相撲が発祥の言葉は他にも
日本の国技だけあって、相撲発祥の言葉は他にもたくさんあります。
例えば「あの人は押しが強い」の「押し」は相撲言葉です。相撲の決まり手「押し出し」から来ている言葉。他にも「そんなことは序の口だよ」の「序の口」は番付の階級のこと。「彼らの出世競争はがっぷり四つだな」の「がっぷり四つ」は組手の状態を表し、「今日は肩透かしを食らったな」の「肩透かし」は技の名前、などなど数え上げればきりがないくらいたくさんあります。この機会に楽しみながら色々覚えてみてはいかがでしょうか。
使い方を例文でチェック
「仕切り直し」を使った例文を3つ挙げました。例を見ながら言葉の意味を正しく理解しましょう。
君が納得いかないのだったら仕切り直そう
物事が進捗して結果が出たとしても、その結果に納得がいかなかったら、最初からやり直そう。何度でも挑戦し直したらいい、という意味です。結果の有無にかかわらず「仕切り直し」はいつでも使えます。
この場の考えがこれ以上広がらないなら一度仕切り直そう
会議やブレーンストーミングなどで考えが行き詰ったり、膠着状態になってしまったときは、時間を空けて気分を入れ替えよう。リフレッシュするというような意味でも使うことが出来ます。
どうも状況が悪いので仕切り直ししましょう
「仕切り直し」という言葉には、状況を変えるために、あえて時間を取って、形勢を立て直すといった意味があります。
類語や言い換え表現にはどのようなものがある?
「仕切り直す」と似た言葉、言い換えの言葉として4つ例を挙げます。それぞれ似ているけれど、微妙に意味合いが異なります。状況に応じて使い分けましょう。