お食い初めのやりかた
お食い初めは生後100日ごろに行うのが一般的ですが、地域によっては、生後110日や120日に行うこともあるので、地域の慣習に合わせましょう。中にはお宮参りと一緒にすることもあるようです。
お食い初めをする場所は、自宅、レストランや料亭が多いです。以前はパパとママ、両家の祖父母が集まってお食い初めをすることが一般的でしたが、近年は家族の形や親戚付き合いが多様化しているため「誰とお祝いするか」は、各家庭によってさまざまです。
お食い初めには、以下のものを準備するとよいとされています。
・お食い初めの食器(飯椀・汁椀・平椀・つぼ椀・高杯)
・お食い初めの料理(祝い膳)
ごはん(赤飯)・焼き魚(鯛)・お吸い物・煮物・香の物など
・祝い箸
・歯固めの石(地域によっては梅干しや勝ち栗、たこなど)
・お食い初め用の服
食器は、離乳食用の食器を新調することで代用するケースが増えているようです。服装については、小袖と呼ばれる着物を着せるのが正式ですが、おでかけ用の服やベビードレスなどでもよいでしょう。パパママや祖父母も、正装にこだわる必要はありませんが、記念撮影をするのであれば、普段着よりきちんとした服装にすることをおすすめします。
歯固めの石は、「石のように、しっかりと丈夫な歯が生えてきますように」と願いを込めて準備します。氏神様を祀っている神社の境内の石、河原や海岸などの石を拝借し、洗って使用します。お宮参りの際に授与してくれる神社もあります。
生後6か月目:ハーフバースデー
赤ちゃんが生後6か月を迎えたことをお祝いするイベント。もとは海外の習慣ですが、最近は日本でもハーフバースデーをお祝いする家庭が増えてきました。
ハーフバースデーは何をする?
特に決まりはありません。家族でパーティーを開いたり、記念におでかけをしたり、記念撮影をすることが多いようです。
季節の行事:初正月、初節句
赤ちゃんがはじめて迎える「初正月」や「初節句」などをお祝いします。初正月には、赤ちゃんを邪気から守るために、男の子には破魔矢、女の子には押絵羽子板を飾る習わしがあります。
初節句は、男児は5月5日の端午の節句、女児は3月3日の桃の節句にそれぞれお祝いをします。五月人形やひな人形を飾り、赤ちゃんの厄除けと健やかな成長を願うというものです。
生後1年:初誕生祝い
赤ちゃんがはじめて迎える誕生日を祝います。ハーフバースデー同様、家族でパーティーや、お出かけを楽しむ家庭が多いようですが、子どもの成長を願う昔ながらの習わしもあります。
とうとう1歳! 初誕生祝いにすることは?
初誕生祝いでは、「一升餅(いっしょうもち)」を用意し、それを赤ちゃんに背負わせたり、踏ませたりしてお祝いする習わしがあります。一生食べ物に困らないように、困難を乗り越えられるように、という願いがこめられています。
また、さまざまな物を用意して赤ちゃんに選ばせ、最初にどれを手に取るかで未来を占う「選び取り(えらびとり)」をする地域も。たとえば電卓やそろばんであれば商売が向いている、本なら勉強に向いているなどで、用意する物や解釈は地域によって異なります。
最後に
赤ちゃんが生まれて1歳になるまでの行事には、それぞれ意味が込められています。いずれもしきたりに縛られる必要はありませんので、体調や状況と相談しながら、楽しんで行うとよいでしょう。
季節の行事を親子でいっしょに学べる絵本形式の実用書です。ものごとの由来やしきたり、遊び方、箸の持ち方、衣服のたたみ方など、行事を子育てに役立てるコツを豊富なイラストで楽しく紹介。文化と愛情を伝える「行事育」が手軽に実践できます。
監修/和文化研究家
三浦康子
古を紐解きながら今の暮らしを楽しむ方法をテレビ、ラジオ、新聞、雑誌、Web、講演などで提案しており、「行事育」提唱者としても注目されている。連載、レギュラー多数。All About「暮らしの歳時記」、私の根っこプロジェクト「暮らし歳時記」などを立ち上げ、大学で教鞭もとっている。著書『子どもに伝えたい 春夏秋冬 和の行事を楽しむ絵本』(永岡書店)ほか多数。