2:結婚式における「ご教示」の使い方
「ご教示」という言葉は、結婚報告や結婚式においてよく使われる言葉です。以下に2つの例を紹介します。
・上司への結婚報告はがきの文例
「このたび私たちは○月○日に結婚いたしました。ここに謹んでご報告申し上げます。 なにぶん未熟な二人ではございますが、明るく楽しい家庭づくりに邁進してまいりたいと思っております。今後とも変わらぬご教示と励ましをいただけますよう心からお願い申し上げます」
・今後の指導・支援のお願い(結婚式における新郎の挨拶編)
「なにぶん未熟な私たちでございます。皆様方にはご指導を仰がなければならないことが多々あるかと存じます。どうぞ、これまで以上に公私にわたるご助言、ご教示を賜わりますよう、宜しくお願い申し上げます」
類語表現はどんなものがある?
「ご教授」「ご教示」と同じように使える言葉として次のようなものがあります。
1:ご指南(ごしなん)
「ご指南」は、武術や芸事を教え示すこと、指導することを意味します。本来の意味通りに解釈すると、「ご教授」よりも教えてもらう対象が限られます。
2:ご指導(ごしどう)
「ご指導」は、ある目的やある方向に向かって教え導くことを意味します。「ご指導」の方が「ご教授」よりも教えの内容をあまり問わず広く使えるので、ビジネスシーンには向いている言葉と言えます。
また、「ご指導」は「ご鞭撻」という言葉と合わせて使われることが多いです。「ご指導ご鞭撻のほどよろしくお願いいたします」といった言い方を聞いたことがあるのではないでしょうか。「ご鞭撻」は「努力するよう励ます」という意味で、「ご指導ご鞭撻…」は定型表現として使われています。
3:ご指示(ごしじ)
「ご指示」は、物事を指し示すことを意味します。判断や行動などをどうすればよいか教えてほしいときに使います。
英語表現とは?
英語で「ご教授」「ご教示」はどのような言い回しになるのでしょうか。一般的には次のような表現となります。
ご教授ください:Please give me a lecture.
ご教示ください:Please instruct it.
日本語と同様、「ご教授」だと、「lecture」のように学問や技能などを教え授けることを意味しているので、ビジネスの場では適しません。外国人の方に何か教えて欲しいことがあれば、「ご教示=instruct」を使うようにしましょう。
【ご教授】英語表記の具体例
・I must thank you for your kind instruction.(ご懇切なるご教授を感謝いたします)
【ご教示】英語表記の具体例
・I’d appreciate it if you could teach me that.(あなたがそれを私にご教示いただけると助かります)
最後に
「ご教授」と「ご教示」。なんとなく似ているだけに意識して使っていなかった方も、意味の違いが理解できたのではないでしょうか。言葉の意味をきちんと理解することで、使う場面が的確に判断でき、正しく使い分けられるようになります。
言葉1つで相手に伝わる意味は大きく変わり、時には大変失礼なことを伝えてしまっていることも。特にこうしたビジネス用語は、なんとなく真似をして使用してしまうこともあるため、注意が必要です。
仕事でのやりとりだからこそ、言葉の意味をしっかりと理解し、正しく使えるようになりましょう。ビジネスメールでは「ご教示ください」が一般的、この基本だけはきっちりと押さえておきましょう。