■助かります
同僚や後輩社員など対等・目下の関係にある人に対し、気軽に感謝の気持ちを伝えたい場合は「助かります」という表現が向いています。ありがとうございますでは堅苦しいと感じる場合でも、助かりますであれば自然に感謝の気持ちが伝わるでしょう。
助かりますは「助かる」を丁寧語の「ます」に言い換えた敬語表現ですが、取引先や目上の人には使わないように注意してください。
「助かる」には「自分の負担が少なくて済む」というニュアンスがあることや、相手をねぎらう言葉であり上から目線の印象を与えやすいためです。
〈例文〉
・今回の件について善処していただけると助かります
・仕事を手伝ってもらって、とても助かりました
■感謝いたします
ビジネスシーンなどで、ありがとうございますをさらにあらたまった印象にする表現として「感謝いたします」がよく使われます。
〈例文〉
・いつもお心遣いいただき、感謝いたします
・皆様のご理解とご協力に感謝いたします
また、「感謝いたします」をより丁寧にした表現に「感謝申し上げます」があります。場面によっては堅苦しい印象を与えることになるため、注意して使いましょう。
■恐縮です
相手に迷惑をかけたり気遣いを受けたりした場合、「申し訳ないという思い」を伝える表現です。褒められたり、高い評価を受けたりしたときにも使います。
ただありがとうございますというよりもへりくだった表現で、相手を立てるニュアンスがあるため、取引先や上司など目上の人に使うのが適しています。
恐縮の度合いを強めたい場合は、「恐縮の至りです」「甚(はなは)だ恐縮です」など言葉を付け加えるとよいでしょう。
〈例文〉
・大切なお時間を割いていただき恐縮です
・お褒めいただき、恐縮です
■御礼申し上げます
「御礼申し上げます」は、会話よりも主にメールや手紙などで使われる表現です。メールや手紙は動作や表情など言葉以外のものが伝わらないため、感謝の気持ちを正確に伝えるにはより丁寧でフォーマルな表現が必要になります。
御礼申し上げますを使えば、間違いないでしょう。
〈例文〉
・この度はお忙しい中ご来社いただき、厚く御礼申し上げます
・弊社のサービスをご利用いただき、御礼申し上げます
■拝謝申し上げます
「拝謝(はいしゃ)」は「謝意」に謙譲表現の「拝」をつけた謙譲語です。「御礼申し上げます」と同じく、主にメールや手紙で使われます。基本的に書き言葉であり、会話で使用すると堅苦しい印象になる場合もあるため、注意しましょう。
定型の挨拶文として、ビジネスメールや文書の書き出し・結びに使われることも多い表現です。
〈例文〉
・ご承諾いただき拝謝申し上げます
・平素は格別のご高配を賜り拝謝申し上げます
【目次】
ありがとうございますは丁寧な表現
ありがとうございますは丁寧語であり、正しい敬語表現です。ビジネスシーンで使っても間違いではありませんが、取引先や顧客などに対し敬意を強め、より丁寧な表現をしたい場合は文頭に「誠に」をつけることをおすすめします。
ありがとうございますには言い換え表現も多く、相手や状況に応じて適したものを使い分けるとよいでしょう。
【あわせて読みたい】