突然「離婚をしたい」と言い出した夫…理由を聞くと「レス」
佳奈さん(仮名)は現在46歳のワーキングマザー。結婚11年目で、ふたりの間には娘がひとりいます。これまでの夫婦仲は「良くも悪くもない関係」がずっと続いていたものの、夜の生活は娘が生まれて以降、ずっとご無沙汰だったそうです。
「夫との間に、離婚の亀裂が走るような特別な出来事があったわけではありません。ただ、ある日いきなり『ずっと思っていたんだけど、離婚したいんだよね』と静かに告げられました。あまりにも突然だったので、その場で私は返事をできず面食らってしまったのですが、そんな私に対して夫は『そういうことだから、真剣に考えておいて』って言ってきたんです…」
その場では理由を聞けなかったものの、後日になって佳奈さんから夫に離婚をしたい理由を聞いてみると「レスだから」と返ってきたのだとか。
今さら夫とラブラブにはなれない…でも離婚も避けたい
佳奈さんは、夫が夫婦のレスをそこまで真剣に捉えているとは思ってもいなかったそうで「正直、“そんなことで?”って感じがしました」と話します。
「レスが離婚したい理由だってハッキリ言われた以上は、また夫とラブラブな関係に戻れれば離婚は回避できるのだろうなって気がしています。だけど、今さら夫とラブラブにはなれないし、夫だって私をもう何年も誘ってきていませんから、私から夫を誘ってどうにかなる問題でもなさそうなのです。
でも、離婚も避けたい。夫は“離婚したい”と私に告げて以降、明らかに以前よりも家庭運営に興味がなさそうで、このまま夫婦を続けていてもさらに冷めきった関係になっていきそうなのは目に見えているのですが…、やっぱり生活に関わる話なので、私はできれば現状維持をしたいんですよね」
仕事をしているので、離婚をしても金銭的な不安はそこまで大きくないものの「ひとりで稼ぐよりふたりで稼いだほうが安心感が高いから、そういう意味でも離婚は避けたい」と話す佳奈さん。
「このまま離婚を合意するしかないのかと悩み続けていますが、悩む毎日にも疲れてきましたし、レス解消をしないまま夫婦関係を継続できる方法はないものかと。わがままかもしれませんが、現状のまま離婚をせずに済めば、私はそれがベストなのですが…」
レスは離婚を考える理由になりえますし、民法770条1項5号が定める「婚姻を継続しがたい重大な事由」に該当し、法的な離婚原因にあたる可能性もあります。しかし今回の佳奈さんのケースが法的な離婚原因にあたるかどうかは現時点では不明なだけに、夫の希望に必ずしも合意しなければならないわけではありません。
一時的に「レスを理由に離婚したい」と考えても、その後の夫婦努力によって結婚生活を維持できている夫婦も決して少なくない実態があります。離婚を避けたい気持ちが強いのであれば、まだ努力をしてみる価値はありそうですし、夫が離婚の意思を翻意してくれれば夫婦関係の継続も十分に可能です。まずは、これまでとは違う空間に家族で出掛けてみるなど、家族で過ごす喜びを夫に再認識してもらうところから始めてみるのはいかがでしょうか。
文/並木まき
※個人が特定されないよう、エピソードには一部の脚色を加えています。
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