アラカルトとは?
「アラカルト」は主にレストランなどの飲食店で使われる言葉ですが、日本料理や中華料理のお店ではあまり耳にすることはないかもしれません。
場合によっては「アラカルトでよろしいですか?」などと聞かれることも。そんなとき、アラカルトの意味を知らないと、自分が予想していたものとは違う食事になってしまうかもしれません。そこで本記事では、アラカルトの意味やコース料理との違い、アラカルトを注文する際のマナーやレストランでの一般的な食事マナーについて、一緒に見ていきましょう。
「アラカルト」の意味
「アラカルト」とは、簡単にいうと「メニューから自由に選んで注文できる一品料理」のことです。フランス語が語源で、「à la carte」と表記します。「la carte」が「メニュー」「品書き」を指します。
アラカルトとコース料理の違いについて
アラカルトとコース料理の違いについても紹介します。コース料理はなじみがある方も多いかと思いますが、おさらいも兼ねてアラカルトとコース料理の量の違いなどを見ていきましょう。
そもそもコース料理とは?
「コース料理」とは、「西洋料理の正式な献立による食事で、一組になった料理」のこと。「正式な献立による食事」を「正餐(せいさん)」や「フルコース」ともいいます。「一組になった料理」とは、一品を指すのではありません。一品一品が順番に提供されます。つまり、一品で完結する食事方式がアラカルト、複数品を順番に食していくのがコース料理です。
フレンチもイタリアンも、アラカルトとコースのふたつのメニューにわかれている場合が多いです。アラカルトの場合は品数を自由に選ぶことができ、コース料理に比べて一品の量が多めという傾向があります。
コース料理の例
参考までに、フレンチとイタリアンのコース料理例を紹介します。
【フレンチ】
オードブル(前菜、アントレともいう)/スープ(ポタージュ、コンソメともいう)/ポワソン(メインの魚料理)/ヴィアンド(メインの肉料理)/レギューム(サラダまたはつけ合わせ野菜)/フロマージュ(チーズ)/デセール(デザート)、コーヒー
※魚料理と肉料理の間に口直しのシャーベットが入る場合も。【イタリアン】
アンティパスト(前菜)/プリモピアット(第一の料理)/セコンドピアット(第二の料理)/コントルノ(サラダ)/ドルチェ(デザート)/コーヒー(エスプレッソなど)
(引用:平成ニッポン生活便利帳─レストランでの基本マナー)
ここからもわかるように、コースは食材や味つけの違う料理を時間をかけて味わうことができる食事形式です。
アラカルトを注文する際のマナー
なじみのない食事方式で食事をする際は、マナーがわからず不安になりますよね。そこで、アラカルトを注文する際の主なマナーを紹介します。郷に入っては郷に従えという言葉があるように、場合によってマナーは異なってくるので、ひとつの参考として見てみてください。
1:食事相手と食事方式を統一させる
メニューにアラカルトとコース料理がある場合は、基本的に食事相手と食事方式を揃えましょう。どういうことかというと、アラカルトを注文するなら全員がアラカルトで注文する、コース料理を注文するなら全員がコース料理にするということです。
また、コース料理を注文する際は、事前にお店に予約しなければならない場合も多いです。コース料理での食事を希望の際は、前もって確認しておくのがおすすめ。
2:シェアしたいときは要注意
アラカルトは一皿で多めの量が届くため、複数人でシェアしたいということもあるかもしれません。しかし、ひとつのお皿を複数人でつつくということは、状況によってはマナーとしてふさわしくないという見方もあります。
取り皿を頼んで取り分けることもできますが、格式のあるレストランなどでは控えた方がよい場合も。そのときは、あらかじめ取り分けてもらうようにお願いすることをおすすめします。
3:アラカルトのみの注文が可能か確認する
コース料理の追加として、アラカルトが用意されていることも。その場合、アラカルトだけでは注文できない可能性があります。コース料理とアラカルトがある場合に、アラカルトだけで食事をしたいときは、アラカルトのみの注文が可能かどうか確認しておきましょう。
レストランでの食事マナー
最後に、レストランでの食事マナーについても押さえておきましょう。ぜひひとつの参考にしてみてください。
1:入店から着席まではスタッフの案内に従う
お店に入ったら、スタッフの案内に従って席に着きます。席についたら、食事が終わるまで席を立たないのがマナーです。お手洗いは、できるだけ席に着く前に済ませておきましょう。
2:スマートカジュアルな服装を心がける
レストランの格式や雰囲気、食事相手などにもよりますが、基本的にはスマートカジュアルを意識した服装がおすすめです。
3:ナプキンは膝の上に
テーブルの上にナプキンが用意されていることがありますよね。ナプキンは首からお腹にかけてかけるのではなく、膝の上に置きます。その際、ナプキンはふたつ折りにして折り目側(輪側)を手前に。席を立つときは、たたんで椅子の上に置きましょう。食事が終わったら、丁寧にたたむのではなく、ある程度くしゃっとさせてテーブルの上に置きます。
ナプキンで口を拭く場合はふたつに折った内側を使い、使い終わったら元通りに内側にしてたたんでおくことで、ふき取った汚れが見えずに清潔感を保てますよ。
最後に
アラカルトの意味はおさえられましたか? 食事のマナーって難しいもの。言葉も耳慣れず、手順も多くて難しいという印象を抱きがちです。しかし、だからこそそれらがわかっていると、会食などで一目置かれる存在になれるはず。ぜひ実践で活かしてみてはいかがでしょうか。
あわせて読みたい