ミニマムとは「最小、最低限」を意味する言葉
ミニマムとは、「最小」や「最低限」を意味する言葉です。単に最も小さいことや少ないことを指すのではなく、法律やルールの範囲での最小や最低限などを表現する際に使われることがほとんどです。ボクシングの最軽量階級を示す「ミニマム級」や、持ち歩きやすさを重視して必要最小限の機能に絞った「ミニマム財布」などをイメージするとわかりやすいでしょう。
また、ミニマムは長い言葉の一部を簡略化した、いわゆる略語ではなく、カタカナ英語の1つであることを押さえておきましょう。
■ミニマムの由来
ミニマムの語源は、英語の「minimum」であり、さらに英語のミニマムは、ラテン語の「最も小さい」が語源です。ラテン語の「minimum」は、英語のミニマムと綴りは同じですが、「ミニムム」と発音します。
■ミニマルとの違い
ミニマムと混同しやすい言葉に、「ミニマル」があります。ミニマムが法律やルールなどで決められた範囲内の最小や最小限を意味するのに対し、ミニマルは相対的な「量」のほか、「質」もあらわすことがポイントです。また、「minimal care」が可能な限りの必要最低限のケアを意味することからわかるように、可能な限りの最小、最低限を意味することも、ミニマムとの明らかな違いといえるでしょう。
日本語では同じようなニュアンスで使われることが多いミニマムとミニマルですが、英語では明確に使い分けられています。
■ミニマムの使い方
ミニマムは、「ミニマムライフ」や「ミニマムチャージ」、「ミニマム財布」のように、他の言葉と組み合わせて使われることが多い言葉です。また、「ミニマムなファッション」や「ミニマムな予算」など、「ミニマムな〇〇」という使い方もします。
一方、「この〇〇はミニマムだ」といった使い方はあまりしないことを知っておきましょう。
ミニマムを使った言葉
ミニマムを使った言葉の代表例として、以下の4つをご紹介します。それぞれの意味や使い方を確認していきましょう。
1.ミニマムライフ
ミニマムライフは、生きるうえで必要な、最低限のモノだけで暮らすというストイックな考えに基づくライフスタイルのことです。できる限りモノを減らし、シンプルに暮らすことを目指します。多くを求めず、モノに支配されない生活は、空間だけでなく時間や心にもゆとりが生まれる点がメリットです。
1980年代から1988年までの昭和末期に生まれた人たちは、「ミニマムライフ世代」と呼ばれることがあります。景気の良かった日本をほとんど知ることなく育ち、前世代から見ると質素倹約を旨とするような生活を送る傾向があるとされます。
“ミニマルライフ”との違い
一方、“ミニマルライフ”は、自身のライフスタイルに照らし合わせて必要なモノを取捨選択して暮らすライフスタイルです。
不要なモノは持たない点はミニマムライフと同じですが、ミニマムライフは必要最低限のモノで暮らすイメージであるのに対し、“ミニマルライフ”は必要なモノを取捨選択し、心地よく暮らすことに重きを置きます。ミニマムライフよりも無理のない範囲で、ソフトに行うのがミニマルライフといえるでしょう。
2.ミニマムスタンダード
「ミニマムスタンダード」とは、最低基準という意味の言葉です。法律上遵守しなければならない基準や、商品やサービスの質を確保するための基準をミニマムスタンダードといいます。ビジネスや教育の分野で使われることが多い言葉といえるでしょう。
3.ミニマムチャージ
ミニマムチャージとは、最低利用料金のことです。たとえばレストランのミニマムチャージが2,000円の場合、以下のような対応を求められるイメージです。
・2,000円以上のオーダーをしなければならない
・2,000円未満のメニューを頼んだ場合でも、2,000円以上を支払わなければならない
4.ミニマムアクセス
ミニマムアクセスとは、いかなる貿易品目でも、最低限の輸入枠を義務的に設定するという考え方を指します。ミニマムアクセスは、1993年12月のガット・ウルグアイラウンド交渉の中で、輸入品に高い関税率をかける代わりに事実上の輸入禁止を撤廃することを目的として決まりました。
ガット・ウルグアイラウンド交渉では、1986年から1988年の期間に輸入量がほとんどない品目については、ミニマムアクセス(最低輸入量)として、当時の国内消費量の3%の輸入量を義務付けられました。さらに、6年間のうちに輸入量は5%まで拡大されています。
ミニマムの対義語はマキシマム
ミニマムの対義語は、「マキシマム」です。マキシマムは、ある範囲や条件の中で最大であることをあらわします。「max.」と略して表示されることが多く、スピーカーやテレビなどの音量調節のボタンなどに記載されているのを、見たことがある方もいるでしょう。「計測値はそのマキシマムに達した」といったように使います。
ミニマムの意味を知り正しく使おう
ミニマムとは、「最小」や「最低限」を意味する言葉です。法律やルールの範囲での最小や最低限などを表現する際に使われることがほとんどです。
ミニマムと混同しやすい言葉に「ミニマル」がありますが、ミニマルは相対的な「量」のほか、「質」もあらわします。また、ミニマルは、法律やルールなどで決められた範囲内の最小や最小限をあらわす際には使わないことに注意しましょう。日本語では同じようなニュアンスで使われることが多いミニマムとミニマルですが、英語では明確に使い分けられています。
ミニマムは、「ミニマムライフ」や「ミニマムチャージ」、「ミニマム財布」のように、他の言葉と組み合わせて使われることが多い言葉です。また、「ミニマムなファッション」や「ミニマムな予算」など、「ミニマムな〇〇」という使い方もします。一方、「この〇〇はミニマムだ」といった使い方はあまりしないことを知っておきましょう。この機会に、ミニマムの意味を知り、正しく使えるようにしてください。
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