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2023.07.28

「エンパワーメント」とはどういう意味? メリット・デメリット、具体例も紹介

「エンパワーメント」とは権限委譲などを指し、ビジネスでも用いられる言葉です。今回は、エンパワーメントの詳しい意味や由来、注目される理由、実践するメリットデメリットをご紹介します。使い方や具体例も解説しているため、ぜひ参考にしてください。

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「エンパワーメント」「 エンパワメント」とは?基礎知識を解説

「エンパワーメント(empowerment)」とは権限を与えることなどを指す言葉で、「 エンパワメント」ともいいます。現在は、企業や組織における人材育成・マネージメントの手法としても用いられている言葉です。

はじめに、エンパワーメントの詳しい意味や由来と注目される理由、メリット・デメリットをそれぞれ確認していきます。

■意味は“権限を与えること”など

【エンパワーメントempowerment】
1.権限を与えること。
2.社会福祉政策において、従来のサービスを提供するやり方とは別に、受益者に直接手渡す補助金を増やして、それを選択する権利を与え、政府の介入や裁量を減らそうという考え。
3.よりよい社会を築くために人々が協力し、自分のことは自分の意思で決定しながら生きる力を身につけていこうという考え方。また、組織の業務処理において、メンバーの考えを積極的に取り入れ、権限を委譲することで、相互に協力しながら自発的に目標の達成を目指そうという考え方。

(引用〈小学館 デジタル大辞泉〉より)

エンパワーメントとは、「力をつけること」「自らで意思決定し、自発的な行動を可能にすること」などを指す言葉です。ビジネスシーンでは、「権限を与えること(権限委譲)」「自律性の促進」「能力開花」の意味で用いられます。権限や力を与えることで、一人ひとりの自律性の促進や能力開花につなげようという考え方です。

使うシーンによって使い方や意味が異なる場合があるため、詳しくは後述します。

■エンパワーメントの由来や注目される理由

もともと、エンパワーメントとは市民運動や先住民運動、フェミニズムなどで提唱された言葉です。エンパワーメントの概念が広まったのは、1970年代のアメリカでの公民権運動や、1980年代の女性の権利獲得運動だとされています。このとき、「抑圧されてきた方々に対する権利を認めて一個人として尊重すること」や「社会的地位の向上」を求める言葉として、広く知られるようになりました。

現在、ビジネスのグローバル化によって以前よりもスピーディな意思決定が必要です。上層部で判断してからでは遅いケースがあり、現場に権限を持たせる重要性が高まったため、エンパワーメントが注目を集めています。

■エンパワーメントを実践するメリット

エンパワーメントを実践するメリットは、大きく分けると以下のとおりです。

・業務スピードや生産性の向上

・仕事に対する責任感が増す

・自分で考える従業員を育成し、本来の能力を発揮できるようになる

・従業員のモチベーションアップや従業員満足度の向上につながる

・顧客満足度の向上につながる

 

エンパワーメントによって現場に権限を持たせれば、上司の指示を待たずにすみ、意思決定が迅速になります。そのため、業務スピードや生産性の向上が可能です。また、自らが判断するため、仕事に対する責任感が増し、自発的に考えて動けるようになり、モチベーションアップや従業員満足度の向上につなげられるなどのメリットがあります。

■エンパワーメントを実践するデメリット

一方、ビジネスにおけるエンパワーメントを実践するデメリットは、以下のとおりです。

・ミスが増える

・逆効果になる人もいる

・組織と個人で方向性がずれる

・上司や管理職が責任を放棄してしまう恐れがある

 

判断を個人にゆだねることで、誤った判断によるミスが増える恐れがあります。また、人によっては自分での判断が得意ではない場合があり、逆効果になるかもしれません。

なにかあった場合に上司や管理職が判断者に責任を丸投げしてしまうケースも考えられるでしょう。権限委譲は部下の能力に見合った程度にして、上司や管理職が責任を持ち、ある程度のミスは許容することが重要です。

エンパワーメントの使い方・具体例

エンパワーメントの使い方は、女性に対するもの・企業におけるもの・看護や介護におけるエンパワーメントアプローチなどで異なります。また教育の現場でも、知識を詰め込むだけではなく自ら課題を見付けて学び、考え、判断して行動できる力を身に付けられるようにと、エンパワーメントが重要視されています。

それでは、具体的な例をもとに、エンパワーメントの使い方を確認しましょう。

■女性に対するエンパワーメント

先述のとおり、エンパワーメントは女性の権利獲得運動などがきっかけで広まった言葉です。このような社会運動に関するエンパワーメントでは、女性などの弱い立場に置かれた人々が、力のない状態から力のある状態へと変化させようとして使われます。

社会変革を引き起こすために使いやすい言葉であったこともあり、普及したといわれています。現在では、内閣府が「女性のエンパワーメント原則(WEPs)」を発表するなどして、取り組みを推進している考え方です。

例えば、以下のように使います。

・企業活動の活力と成長促進のためには、女性の経済的エンパワーメントの推進が重要である。

 

■企業でのエンパワーメント

企業でもエンパワーメントが注目されています。エンパワーメントを重視して組織づくりをおこなうことで、従業員の自己決定能力が高まります。また、上司に判断してもらう必要がないぶん、中間管理職を削減可能です。

例えば、以下のように使います。

・企業を発展させるためには、エンパワーメントを重視した組織づくりが効果的だ。

 

■看護や介護のエンパワーメントアプローチ

看護や介護の分野においても、エンパワーメントを重視したアプローチが大切です。この場合、一般的には「患者主体で考えてプロセスを構成すること」を指します。

看護や介護のエンパワーメントでは、患者が受け身とならず、自らの意思で積極的に治療に参加してもらい、身体的・心理的な独立をうながすアプローチをします。

例えば、以下のように使います。

・患者の積極的な参加を促すためには、正確な情報を提供し、十分にコミュニケーションを取ることが重要だ。

 

エンパワーメントを理解して活用しよう

エンパワーメントは、女性の権利運動などで広がった言葉で、現在では企業や組織における人材育成・マネージメントの手法としても用いられています。企業でエンパワーメントを実践するメリットは、業務スピードや生産性の向上や仕事に対する責任感の増加、自分で考える従業員の育成、本来の能力を発揮できるようになることなどです。

一方で、誤った判断によるミスが増える恐れがあるなどのデメリットもあります。

言葉の表す意味や由来、メリット・デメリット、シーンごとの使い方などを理解し、正しく言葉を使えるようになりましょう。

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