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2024.02.01

【一線を画す】は褒め言葉? 使い方や類語・対義語を解説

「一線を画す」は、「境界をはっきりさせる。はっきりとくぎりをつける。区別すること」。正しい読み方は「いっせんをかくす」です。そこで本記事では、「一線を画す」の意味や使い方、類語・対義語を解説しましょう。

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「一線を画す」という言葉を見て、皆さんはどう読みますか? 時々見かける言葉ではありますが、どう読むのか曖昧なままになっている方もいらっしゃるかもしれません。そこで本記事では、「一線を画す」の読み方や意味、「一線を引く」との違い、類語・対義語について解説します。

「一線を画す」とは?

「一線を画す」は、「いっせんをかくす」と読みます。「いっせんをがする」と読んでしまいがちなので、気をつけてくださいね。辞書によっては、「一線を画する」と書いてあるものもありますが、意味に違いはないようです。

「一線を画す」の意味

「境界をはっきりさせる。はっきりとくぎりをつける。区別する」

参考:日本国語大辞典

また、「一線を画する」の意味も載っていたので、見ていきましょう。

境界線を引いてくぎりをつける。はっきり区別する。「保守派とは―・する」
『デジタル大辞泉』(小学館)より引用

このように、「一線を画する」とは、あるものとあるものとの間に境界線を引いて、はっきりと区別することを指します。

走る男性

(c)Adobe Stock

使い方を例文でチェック!

意味を理解したところで、続いて「一線を画す」の使い方を3パターン見ていきましょう。

1:先輩は、仕事とプライベートの間に一線を画している。

仕事とプライベートとの間に、しっかりと境界線を引いているという意味ですね。社会人として働くことと、好きなことをして過ごすことのメリハリをつけることで、充実した生活を送りたいと考えているのかもしれませんね。

2:さすが、プロの歌手である彼女の歌声は、アマチュアの人たちとは一線を画しているね。

「一線を画す」は、日常会話では誰かの技術や表現力などを褒める時にも使います。「さすが、〇〇さんは一線を画しているね」と言うことで、「他の人とは比べ物にならないくらい素晴らしい!」という気持ちが伝わるはずですよ。

3:今年新発売されるカメラは、これまでのカメラとは一線を画す機能が付いている。

あるものとあるものを比較する時にも、「一線を画す」は使われます。他のものより圧倒的に優れている場合に使うことがポイントです。両者の間に一線を引いて比較することで、「AよりBの方が格段に優れている」という意味合いになります。

「一線を画す」と「一線を引く」はどう違う?

「一線を画す」とよく似た表現に「一線を引く」というものがあります。両者にはどのような意味の違いがあるのか、この機会にしっかり把握しておきましょう。

頭脳

(c)Adobe Stock

「一線を引く」とは、「これ以上立ち入られないように、距離をとること」。一般的には人との関係において用いられます。一方、「一線を画す」は、人以外のものにも用いられますね。相手との間に線を引いて、自分の領域と他人の領域を明確にするイメージです。

類語や言い換え表現は?

「一線を画する」と似た表現には、「異なる」「区別する」があります。それぞれチェックしていきましょう。

1:異なる

「異なる」の意味は、以下のとおりです。

[動ラ五(四)]《形容動詞「異なり」の動詞化》違いがある。別である。「兄弟でも性格は―・る」「習慣が―・る」
『デジタル大辞泉』(小学館)より引用

「異なる」は、主に、2つのものの性質が全く違う場合などに使われます。「Aさんの絵の上手さは、Bさんとは全く異なっている」と言うことで、「一線を画す」と同じようなニュアンスで用いることができますね。ただし、「異なる」には、「一線を画す」のような、自ら明確に区別をつけるというような意味合いはありません。

(例文)
・私は彼とは意見が異なるので、グループを離れることにした。
・東洋と西洋の文化は、全く異なっている。

2:区別する

「区別」の意味は、以下のとおりです。

[名](スル)あるものと他のものとが違っていると判断して分けること。また、その違い。「善悪の―」「公私を―する」
『デジタル大辞泉』(小学館)より引用

AとBを違うものとして判断して線引きをする点が、「一線を画す」と共通していますね。「一線を画す」よりもシンプルな表現なので、代わりとなる言葉として使いやすいでしょう。

(例文)
・性別と年齢の区別なく、会に参加させるべきだ。
・まだ子供なので、善悪の区別がつかないようだ。

対義語は?

「一線を画す」の対義語には、どのような言葉があるのでしょうか? 3つ紹介します。

開いた本

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1:五分五分

「五分五分(ごぶごぶ)」の意味は、以下のとおりです。

双方とも、優劣がないこと。五分。「勝負は―とみた」
『デジタル大辞泉』(小学館)より引用

両者を比較して、AとBの間に優劣がないことを指します。一般的には、スポーツなどの勝負をしている時に、「佐藤さんと山田さんのレベルは五分五分だ」というように言ったりしますね。どちらの技術もあまり大差はないため、大きな差のある時に使われる「一線を画す」とは正反対の言葉と言えるでしょう。

(例文)
・姉と私の勝負は五分五分に終わった。
・能力的にはどちらも五分五分なので、この試合はどうなるかわからない。

読書

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2:どっこいどっこい

「どっこいどっこい」の意味も確認してみましょう。

[形動]両者の力・勢いなどが互いに同じ程度で優劣がないさま。「両チームの戦力は―だ」
『デジタル大辞泉』(小学館)より引用

能力がお互いに同じであるさまを「どっこいどっこい」と言います。競争しているのをみていて「両チームの実力はどっこいどっこいだね」などと表現しますよね。こちらも優劣に差がないことを表すため、「一線を画す」の対義語として捉えられます。

(例文)
・私からみたら、あなたも彼の実力もどっこいどっこいだわ。
・どちらの才能もどっこいどっこいなのに、まだ言い争っている。

3:負けず劣らず

「負けず劣らず」の意味は、以下のとおりです。

[副]互いに優劣がつけにくいさま。「―努力する」「―の腕前」
『デジタル大辞泉』(小学館)より引用

お互いに能力や実力が同じくらいで、優劣がつけにくいことを、「負けず劣らず」と言います。兄弟が同じくらいの速さで走っているのをみて、「弟もお兄ちゃんと負けず劣らずだね」と言って、褒め言葉のように使われることもありますね。

(例文)
・2人とも負けず劣らず勉強に励んでいる。
・弟は兄に負けず劣らず言い返した。

最後に

「一線を画す」とは、「境界をはっきりさせる。はっきりとくぎりをつけること」。間違えて「いっせんをがする」と読んでしまうことも多いので、会話で使う際は恥をかかないようお気をつけください。この機会に、類語や対義語も合わせて覚えてみてはいかがでしょうか?

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