「一蓮托生」の意味や読み方とは?
「一蓮托生」という四字熟語に、どのような意味があるか知っていますか? 夫婦仲が良いことのたとえや結婚式のスピーチとして使われることもある言葉です。詳しい意味がわからないという方は、この機会に意味を押さえておきましょう。
意味や読み方
「一蓮托生」の読み方は、「いちれんたくしょう」です。意味を辞書で調べてみましょう。
1 仏語。死後、極楽の同じ蓮華の上に生まれること。2 結果はどうなろうと、行動や運命をともにすること。(<小学館デジタル大辞泉>より)
「一蓮托生」という四字熟語は元々仏語だったよう。「生まれ変わっても一緒にいたい」という意味から「結果がどうなろうと運命を共にすること」という意味として使われるようになりました。「一蓮」は、「ひとつの蓮の花」を表し、「托生」は、「他のものに身をまかせて生きること」を指す言葉です。
「一蓮托生」は、「運命を共にする」という意味を持つことから、結婚式のスピーチで使われることもあります。「私たちはどんな苦難も一蓮托生で乗り越えることを誓います」「一蓮托生な夫婦になってください」というような使い方です。現代では、やや堅苦しい表現にも感じますが、結婚相手と一生添い遂げる強い覚悟が伝わることでしょう。
由来
「一蓮托生」の詳しい由来は定かではありませんが、浄土教では罪を犯した身でも阿弥陀仏の誓願により、仏様の座す蓮華座上に往生し、悟りをきわめることができるとされています。「一蓮托生」は、このような阿弥陀信仰から生じた言葉だそう。また、恋愛結婚が許されなかった江戸時代では、来世こそ恋が成就しますようにと願うときに「一蓮托生」が使われたようです。
使い方を例文でチェック!
「一蓮托生」は、「運命を共にしよう」「どんな結果でも一緒にいよう」ということを伝えたいときに使います。恋愛や結婚以外にも、家族や友達との関係で使うこともある言葉です。主な使い方を例文で紹介します。
私と彼は、いわば一蓮托生の身である
「一蓮托生」は、「一蓮托生の身」と表現することもあります。互いに運命を共にすることを誓い合った、相思相愛の関係であるというようなニュアンスです。他の人が入り込めないような固い絆が感じ取れます。
結婚指輪は一蓮托生の誓いを形に表したものである
前述したように「一蓮托生」は、結婚式のスピーチなどでも使われます。二人で同じデザインの指輪を身につける結婚指輪は「一蓮托生」の象徴ともいえるかもしれません。
前半戦は負けてしまった、もう後がない。後半戦は一蓮托生で挑もう
「一蓮托生」は、一致団結して何かに挑戦するときなどにも使われます。何かに追い込まれているときや、悪い結果が予想されるときに「一蓮托生で乗り越えよう!」と声をかけるようなイメージです。
俺たちはいろんな苦楽を共にした「一蓮托生」の仲じゃないか
「一蓮托生」は「一蓮托生の仲」と表現することもできます。2人でひとつと言えるくらい仲がいいというようなニュアンスです。このことから、幼い頃からずっと仲の良かった親友やチームメイトにも使うことがあります。
ただし、元々仏語である「一蓮托生」には、たとえ死んでもまた一緒になりたいという意味があります。そのため、関係性や場面によってはやや重たく受け取られてしまう可能性もあるでしょう。
類語や言い換え表現とは?
「一蓮托生」の類語には「蓮の台の半座を分かつ」「運命共同体」「死なば諸共」などが挙げられます。それぞれの意味を詳しく解説します。
蓮の台の半座を分かつ
こちらの言葉は「はすのうてなのはんざをわかつ」と読みます。「台(うてな)」とは、極楽に往生した人が座る蓮の形をした台のことで、「蓮台(れんだい)」ともいいます。ひとつの台に2人が仲良く座っている様子が想像できますね。このことから夫婦仲がいいことを表現する時に使われます。
例文
・蓮の台の半座を分かつほどにあの夫婦は仲がいい。
・いずれは蓮の台の半座を分かつような親しい仲になりたい。