臨時
臨時とは、その期間だけの一時的なものや対応を意味する言葉です。あらかじめ決めてあったときではなく、そのときどきの事情に合わせて行うことを指します。
一時的なものや対応という意味では暫定と似ていますが、臨時は時限的なニュアンスが強い点が特徴です。
「今のところの対応」にすぎず、今後も続いていく可能性のある暫定とは異なります。「特別警報が出たため臨時休校になった」などと使います。
応急的
応急的とは、急場にとりあえず間に合わせることを意味する「応急」に、接尾辞である「的」がついた言葉です。急場しのぎのニュアンスが強いことが特徴といえるでしょう。「ドアが壊れたので応急的な修理をした」といった使い方をします。
対症的
対処的とは根本的な解決や改良を行わず、表面的な問題のみに対処することです。病気の治療においては、表面的に表れている症状を取り除き、苦痛を和らげるための治療のことを指し、対症療法とも呼ばれます。
暫定の対義語・反対表現
暫定の反対の意味を持つ対義語・反対表現には、「確定」「恒久」「確立」などがあります。意味や使い方をみていきましょう。
確定
確定は、はっきりと定まること、または定めることを意味する言葉です。暫定は、物事が確定するまでの間、一時的に定めることを表すため、反対の意味であることがわかります。「試合の日程が確定した」などと使います。
恒久
恒久は「こうきゅう」と読み、いつまでもその状態が続く様子を表す言葉です。暫定は正式に決まるまで、仮の措置としてひとまず決めることを意味し、正式決定が出た後はそちらが優先されることから、反対の意味で使われます。
「恒久的な対策が発表された」というように使用します。
確立
確立とは、物事の基礎や内容をしっかりと打ち立て不動のものとすることや、そのさまを表現する言葉です。「その技術を確立するために研究を重ねる」などと使います。
あくまでも仮の措置であり、今後変更する可能性があるというニュアンスが込められている暫定とは、対極の意味にあるといえるでしょう。
暫定の意味と使い方を確認しよう
暫定とは、物事が正式に決まるまで、ひとまず仮の措置として決めておくことを意味する言葉です。あくまでも仮の措置であり、正式な決定が出た後に変更する可能性があるというニュアンスを含みます。
とくに政治やビジネスにおいては、正式決定には至らないものの、現時点でひとまず物事を決定させておかなければならない状況が発生します。そのようなときによく使われるのが、暫定という言葉だといえるでしょう。
暫定という言葉のみで使われるケースよりも、「暫定予算」や「暫定政府」、「暫定値」といったように、ほかの言葉とセットで使われることが多いことが特徴です。
暫定の類義後・類似表現には「臨時」「応急的」「対症的」があり、対義語・反対表現として挙げられるのは「確定」「恒久」「確立」などです。
暫定の意味と使い方を確認し、適切に使えるようにしましょう。
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