「競合」とは?
競合とは、特定の業界や市場において、同じ顧客層や需要をもつ他の企業や製品との競争や対立のことを指します。競合は市場シェアの獲得や顧客の獲得において無視できないポイントです。競合相手の動向や戦略を把握し、それに適切に対応することで、企業の成長やプロジェクトの成功を期待できます。本章では、競合という言葉の意味や例文について解説します。
「競合」の意味
「競合」とは、同じ市場や領域で競い合う他の企業や組織を指す言葉です。類似した商品やサービスを提供している企業が、顧客の需要を獲得するために競争します。この競争は、価格競争や製品の品質・特徴などの面でおこなわれます。競合分析は、市場動向を把握し、競争相手の強みや弱みを把握するうえで重要です。なお「競合」を辞書で調べると、以下3つの意味が解説されています。
[名](スル)
1.せりあうこと。きそいあうこと
2.私法上、単一の事実または要件について、評価あるいはその効果が重複すること。また、刑法で、同一行為が数個の罪名にあたること
3.コンピューターで、異なるソフトウエアやハードウエアが、同じファイルにアクセスしたり、同じデバイスを利用したりすることで、動作が不安定になったり、データ更新の整合性が失われたりすること
(引用〈小学館 デジタル大辞泉〉より)
「競合」の例文
「競合」は、ビジネスシーンで頻繁に用いられる言葉です。具体的には、以下のような使い方をします。
1.この新しい製品を開発する際は、競合他社の市場シェアを考慮しなければならない
2.我々の会社は、競合の動向を常にモニターし、市場に適応する柔軟性をもっている
3.今後の戦略会議で競合分析をおこない、競合の弱点を特定して競争力を強化する計画を立てよう
「競合」を使った言葉
競合を使った言葉には「競合脱線」と「競合阻害」があります。本章では、この2つの意味についてそれぞれ解説するため、ぜひ参考にしてください。
競合脱線(きょうごうだっせん)
「競合脱線(きょうごうだっせん)」とは、列車の脱線を意味する言葉です。競合脱線のポイントは、脱線した要因が1つではなく、複数の原因によって引き起こされていることです。いくつかの要因が重なって、列車が脱線してしまう様子を、単一の原因で脱線した場合の区別して「競合脱線」と表現します。
きょうごう‐だっせん〔キヤウガフ‐〕【競合脱線】
列車が、複数の要因で脱線すること。
『デジタル大辞泉』(小学館)より引用
競合阻害(きょうごうそがい)
競合阻害(きょうごうそがい)は、競合的阻害とも言われます。これは医薬品や農薬、殺虫剤に用いられる仕組みのことです。専門的な内容ですが、酵素の活性部位に、基質と競合したものが結合することで、結果的に酵素活性を阻害します。
きょうそうてき‐そがい〔キヤウサウテキ‐〕【競争的阻害】
酵素の活性部位に、基質と競合して結合し、結果的に酵素活性を阻害する機構。医薬品、農薬、殺虫剤などに利用される。競合阻害。競争阻害。拮抗的阻害。→非競争的阻害
『デジタル大辞泉』(小学館)より引用
「競合」の類語は?
競合には「競り合う」「鎬を削る」「競う」といった類語があります。競り合う(せりあう)とは、競争相手と争い合うことを指します。市場での優位性をめぐる競り合いは、ビジネスにおいては頻繁にみられるものです。鎬を削る(しのぎをけずる)とは、競争相手と鋭く対立し、互いの実力を試す行為です。ここでは競合の類語として、上記3つの語句を解説します。
競り合う(せりあう)
「競(せ)り合(あ)う」とは、複数の人や団体が同じ目的で、競争や競争的な活動をおこなう様を表した言葉です。ビジネスシーンでは、主に企業同士が市場シェアを争ったり、顧客を獲得し合ったりすることを指します。スポーツにおいては、競技者が優勝や記録更新のために競い合うことを意味しています。競り合うことで、互いの刺激となり成長を促す一方で、過度な競り合いが紛争や不正を引き起こす可能性もあるため、バランスに気をつけましょう。
せり‐あ・う〔‐あふ〕【競(り)合う】
[動ワ五(ハ四)]
1 互いに競争する。きそいあう。「ゴール寸前まで―・う」
2 争う。戦う。
「大砲数発打出して双方烈しく―・うたる其音」〈染崎延房・近世紀聞〉
3 口論する。口げんかをする。
「両人赤面して―・ひける所へ」〈咄・露がはなし・二〉
『デジタル大辞泉』(小学館)より引用