鎬を削る(しのぎをけずる)
「鎬(しのぎ)を削(けず)る」とは、主に競争や対立のなかで使われる表現です。競争相手との間で、激しい戦いを指す場合に用いられます。鎬(しのぎ)とは、刀などの刃物の刃の部分を指しており、削るとはその刃を削って鋭利にすることを意味します。つまり「鎬を削る」という言葉は、お互いが自分の能力や戦略を研ぎ澄まし、最高のパフォーマンスを発揮しようとする状況を表現しているのです。
鎬を削・る
激しく刀で切り合う。転じて、激しく争う。「二党が―・る激戦区」
[補説]「凌ぎを削る」と書くのは誤り。
『デジタル大辞泉』(小学館)より引用
競う
「競う」とは、何らかの目的や目標を達成するために、他者との競争や競争的な行動をおこなう様子を指します。スポーツやビジネス、学術、芸術など、さまざまな分野で競争がおこなわれます。競うことによって、個人やチームがさまざまな能力・技術を試し、向上させるでしょう。時に競争が激化してしまうこともありますが、健全な競争は成長や進歩をもたらします。
きそ・う〔きそふ〕【競う】
[動ワ五(ハ四)]互いに負けないように張り合う。競争する。「技わざを―・う」「高さを―・う」
→争う[用法]
[可能]きそえる
『デジタル大辞泉』(小学館)より引用
「競合」に使われている2つの漢字
「競合」という言葉は、「競」と「合」といった、2つの漢字で構成されています。これらの漢字はそれぞれ異なる意味をもち、両者が合わさって「競合」という言葉を形成します。以下では、それぞれの漢字について詳しく掘り下げてみましょう。熟語を構成する漢字の意味まで理解することで、競合という単語をより正確に理解できます。
「競」について
「競」という漢字について、基本的な情報を以下で解説します。
・部首:「立」 たつ・たつへん
・画数:20画
・漢字の種別:常用漢字・教育漢字
・読み方:(訓)きそう・せる(音)キョウ・ケイ
「競」は、以下のように複数の意味をもつ漢字です。
1.勝敗・優劣を争って張り合う
2.値段を競り合う
「合」について
「合」という漢字について、基本的な情報を以下で解説します。
・部首:「口」くち・くちへん
・画数:6画
・漢字の種別:常用漢字・教育漢字
・読み方:(訓)あう・あわす(音)ゴウ・ガッ・カッ
「合」は、以下のように複数の意味をもつ漢字です。
1.複数のものがいっしょになる
2.規格・条件などに一致する
3.合成することの略
「競合」の英語表現
「競合」を英語で表現すると「competition」と「concurrence」といった単語が用いられます。それぞれの例文を以下で解説します。
・The three companies are competing for the right to develop the land.
日本語訳:3社が土地開発の権利をめぐって、競合している
・The Upper and Lower Houses have concurrent voting rights on that bill.
日本語訳:その法案に対する決議権は上下両院において競合している
「競合」を正しく使おう!
競合という熟語について解説しました。ビジネスや日常生活において頻繁に用いられる表現であり、比較的身近に感じられる言葉です。競争相手との関係を理解し、適切に対処することが、ビジネス成功の鍵です。また記事の後半では、競合に関連する慣用句や類語、漢字の意味についても解説しました。本記事を参考に、語句を深く理解しましょう。
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