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2024.07.13

実は深い「王道」の意味とは?よく使う類語から覇道との違いもご紹介

王道とは儒教で理想とした、有徳の君主が仁義に基づいて国を治める政道のことです。覇道と並べて語られることがありますが、どのように意味が異なるのかわかりやすくご紹介します。また、王道と類似した意味で使う言葉や、反対の意味の言葉も解説します。

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王道とは?意味をわかりやすくご紹介

王道とは、有徳の君主が仁義に基づいて国を治める政道のことです。また、安易な方法や近道の意味でも使われることがあります。

辞書

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たとえば、次のように使われることがあります。

・彼が目指している政治は王道ではあるが、理想ばかり追い求めているような気もする。

・学問に王道なしというから、毎日こつこつと勉強するようにしてください。

 

【王道】おうどう
1.儒教で理想とした、有徳の君主が仁義に基づいて国を治める政道。
2.《royal roadの訳語》安易な方法。近道。「学問に―無し」

(引用〈小学館 デジタル大辞泉〉より)

王道と覇道の違い

王道の対義語は、覇道(はどう)です。覇道とは、儒教の政治理念で、武力や権謀をもって支配・統治することを意味します。徳のある人物が君主となる「王道」とは異なり、覇道では徳ではなく力で治めようとする人物が君主となります。

中国の古城のイメージ

(c)AdobeStock

中国の政道になぞらえた指導者の在り方

儒教では、夏(か)・殷(いん)・周(しゅう)の王たちの政治の在り方を理想としていました。夏・殷・周の王たちは徳と仁義に基づいて国を治め、人民たちにも理性や尊敬、信頼、正義などを重んじる価値観が広まっていたといわれています。

一方、春秋戦国時代の覇者たちによる政治は、武力や権謀による政治を行っていました。覇者などの上に立つ人々が、巧妙に人を欺くことや武力を背景に大義を装うことを是としていたため、国全体に暴力や恐怖、裏切りなどがまん延していたといいます。

王道では人民は王の徳を慕って心服しているため、国が安定して長く繁栄が続きますが、覇道では国が不安定なため、いずれは民衆からの支持を失い滅亡へと進んでいくでしょう。孟子は王道と覇道を比較し、王道のほうが優れていると結論付け、「尊王賎覇(そんのうせんぱ)」という思想を説きました。

現代の行動原理

王道と覇道は、いずれも中国古代の政治に基づいた思想です。しかし、現代の行動原理にも、王道と覇道の考え方が活かされていることがあります。

現代社会での王道とは、公正さに基づく行動原理を指します。国や為政者にとって都合が悪い情報であっても人民に公開し、そのために政治が停滞することがあっても、主権者が現実に迫ろうと努力することが大切だという考え方です。

一方、覇道は策略や嘘に基づく行動原理です。人民の自由を武力や権力で踏みつぶし、国や為政者・独裁者の意思を実現することを目指します。

仁義を求める王道は理想主義的でもあり、力を重んじる覇道は現実主義ともいえます。本来は二者択一ではなく、どちらにもよい点があり、適切なバランスをとることが理想的な政治です。覇道に傾きすぎるのではなく、王道を忘れず、王道を追求することが、よりよい社会を作るためにも必要になるのかもしれません。

王道と類似する意味の言葉

王道と類似する意味で使われる言葉には、次のものが挙げられます。いずれもよく似た意味のため、混同されがちな言葉です。使い分けやニュアンスについて、例文を通して見ていきましょう。

まっすぐ伸びる道と日の出

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王道と類似する意味の言葉
  1. 近道
  2. 早道
  3. 定番
  4. 基本
  5. 基礎
  6. 基盤

近道

近道(ちかみち)とは、目的地に早く行ける道や目的に早く達する方法、てっとり早い手段のことです。王道にも安易な方法や近道の意味があり、前後の内容にもよりますが、置き換えられることがあります。

・路地から行くほうが、信号がないので近道だ。

・この参考書は合格への近道だ。理論がしっかりとわかっていなくても点数は取れるよ。

 

早道

早道(はやみち)とは、目的の場所へ早く行ける道のことで、近道と同義の言葉として使われます。また、あまり手数をかけずに目的を達成できる簡便な方法も「早道」と呼ぶことがあります。

・急いでいるときには、駅裏の早道を使うほうがいいよ。夜は暗いのでおすすめしないが。

・とにかく話すこと。これが語学上達の早道だ。

 

定番

定番(ていばん)とは、流行に左右されない基本的な商品のことです。多くの人が支持する王道の商品ともかぶることがあります。

なお、流行に左右されない基本的な商品は、安定した需要があり、台帳の商品番号が固定していることが一般的です。番号が定まっていることから、「定番」といわれるようになりました。

・流行の洋服を買うのもいいが、定番のものも買っておくほうがいい。

・社員食堂のメニューがリニューアルしたが、定番のものは変わらなかった。

 

定番のものは常にあるため、いつでもあるものやどこにでもあるもの、誰もがするような事柄の意味でも「定番」という言葉が使われることがあります。

・から揚げとプチトマトはお弁当の定番メニューだ。

・出社する前にコーヒーを買うのが、近頃の定番のようだ。

 

基本

基本(きほん)とは、判断・行動・方法などのよりどころとなる大元のことです。王道では仁義が基本となりますが、王道の考え方(夏・殷・周の伝説の王たちの考え方)を基本とした儒教では、王道そのものを基本と置き換えられるかもしれません。

・数学が得意になりたいなら、難しい問題よりも、まずは基本問題に注力するほうがいい

・基本の型を身につけてから、自分らしさを追求することが大切だ。

 

基礎

基礎(きそ)とは、ある物事を成り立たせる大もとの部分のことです。基本とも言い換えられることがありますが、「基礎を固める」や「基礎知識」のように土台を意味する言葉として使う傾向にあります。

・基礎がしっかりしているから、上達が早い。

・彼女は演技の基礎ができていない。

 

基盤

基盤(きばん)とは、物事を成立させるための基礎となるもののことです。土台とも言い換えられます。

・生活の基盤を固める。

・家の基盤が盤石なら、そう簡単には崩れないだろう。

 

王道と覇道の違いを確認しておこう

日の出

(c)AdobeStock

王道と覇道は異なります。しかし、「王道は正解、覇道は間違っている」と簡単に断言できるものではありません。理想主義的に王道を追い求めつつも、状況によっては現実主義的な覇道が必要になることもあります。それぞれの特徴や違いを確認しておきましょう。

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