ケセラセラとは?意味を解説
歌詞のフレーズや座右の銘、物語の登場人物のセリフなどで目にする「ケセラセラ」とは、どのような意味なのでしょうか。ケセラセラの意味と、語源について解説します。
「なるようになる」という意味を持つ
ケセラセラとは、「なるようになる」という意味を持つ言葉です。以下の例文のように、未来に対する不安や心配を「思い悩んでも仕方がない」と割り切りたいときなどに使われます。
【例文】
・やれることはやった。結果は分からないけど、ケセラセラだ
・新しいプロジェクトがうまくいくか不安だけど、ケセラセラでいこう
ケセラセラは、不安で投げやりになるのではなく、未来を前向きに受け入れる姿勢を示すニュアンスで使われます。
ケセラセラはスペイン語を元にしている
なるようになるという意味で広まっているケセラセラは、スペイン語が由来とされています。しかし、スペイン語の「Que será, será」の正しい訳は、「どうなるであろうか」という疑問の意です。
ケ‐セラ‐セラ
[形動]《米国映画ヒッチコック監督の「知りすぎていた男」の主題歌から》なるようになるさ、の意。昭和32年(1957)ごろの流行語。
[補説]スペイン語では、Lo que será, será、英語では、Whatever will be, will beとなる。スペイン語で、Que será(, será)?は、「どうなるであろうか」の意の疑問文。後のserá(動詞)は省略可。
小学館 『デジタル大辞泉』より引用
なるようになるを正しいスペイン語で表現するなら「Lo que será, será」です。この場合の「lo」は「中性定冠詞」として使われており、「lo」と「que」で「こと」を指しています。スペイン語には中性の名詞は存在しませんが、「lo」を形容詞・副詞・過去分詞などの前に置き、名詞化するのが基本です。
ケセラセラは、なるようになるという意味で広く浸透していますが、「Que será, será」は異なった意味を持つということを念頭に置いておきましょう。
ケセラセラが流行った背景とは?
ケセラセラは、世代を超えて世界中で親しまれているフレーズでもあります。ケセラセラが流行した背景について解説します。
映画の主題歌であり流行語にもなった
ケセラセラ(Que Será, Será)というフレーズは、1956年にアルフレッド・ヒッチコック監督により制作されたアメリカ映画「知りすぎていた男」の主題歌から広まりました。
主題歌のタイトルは「Que Sera, Sera (Whatever Will Be, Will Be)」で、歌唱は主演女優であるドリス・デイ(Doris Day)です。
「Que Sera, Sera (Whatever Will Be, Will Be)」は、その年のアカデミー賞主題歌賞を受賞し、映画ファンやそれ以外の人々の間でも大ヒットしました。ドリス・デイの美しい歌声とキャッチーなメロディーが相まって、ケセラセラは日本でもよく使われる言葉となり、世の中に浸透していったのです。
軽やかな響きと前向きなメッセージが特徴
「Que Sera, Sera (Whatever Will Be, Will Be)」が広く受け入れられ世界中でヒットした要因は、ドリス・デイの甘い歌声と軽やかなメロディーに加えて「なるようになる」という、気持ちを楽にしてくれるようなメッセージ性だとされています。
映画が公開された当時の日本では、ペギー葉山や雪村いづみなどの歌手によってカバーされ、広く親しまれました。
1999年に公開されたスタジオジブリのアニメ映画「ホーホケキョ となりの山田くん」では、出演者が歌唱した「ケ・セラ・セラ」が挿入歌となっています。また、近年もCMソングとして使用されていました。
ケセラセラと似た意味の言葉
「なるようになる」。気持ちがスッと楽になるケセラセラ同様、未来に対する不安を受け入れる心構えが必要なときに役立つ言葉を紹介します。
できる限りの努力をした後や物事がうまくいかないときなど、シチュエーションに合わせて使い分けるのがおすすめです。
結果は天に任せる「人事を尽くして天命を待つ」
「人事を尽くして天命を待つ」とは、自分はできる限りの努力をし、結果は天に任せるという意味です。自分の努力で変えられる物事は限られています。全力で取り組んだ後の変えられない物事については、運命として受け入れるという考え方です。
たとえば、仕事のプロジェクトで最善を尽くし〝あとは結果を受け入れるのみ〟と構えておく際などに「人事を尽くして天命を待つ」と表現できます。
ケセラセラと同じく、不確実な未来に対して「心を落ち着かせる言葉」として使用します。
あるがままにを意味する「Let it be」
英語の「Let it be」は、成り行きに任せる、そのままにしておく、あるがままにという意味を持っています。世界的に有名なビートルズの「Let It Be」は、今なお多くの人々に親しまれている名曲です。
物事がうまくいかないときや行き詰まったときに「Let it be」と言えば、自然の成り行きに任せる心構えができるでしょう。気持ちを楽にしてくれる表現であることが、ケセラセラと共通しています。
それが人生「セラヴィ」
フランス語の「C’est la vie」は、「それが人生」という意味。いいことがあったときだけでなく、悪いことが起こったときにも使われるフレーズです。
人生の浮き沈みを達観し、幸せな出来事もそうでない出来事も、全てを受け入れる姿勢を示しています。
仕事で昇進したときや予期せぬ困難に直面したときなど、冷静に受容することを表現したい場合に使うのが一般的です。セラヴィは、ケセラセラと同様に、出来事を前向きに受け入れるための一助となる言葉といえます。
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