内弁慶の意味とは
家庭の中と外で振る舞いが異なる人は「内弁慶」と呼ばれることがあります。あまりよい場面で使われることはないため、何となくネガティブな意味だと理解している人も多いのではないでしょうか。内弁慶とはどんな人柄を指す言葉なのか、正確な意味を把握しておきましょう。
家では威張るのに、外では意気地がないこと
弁慶とは平安〜鎌倉期に活躍したとされる「武蔵坊弁慶」のことで、大変な強さと威勢のよさを持っていたらしい僧兵です。つまり、内弁慶という言葉は、内向きには弁慶のように威勢よく振る舞う人のことを指すのです。同じような意味を持つ言葉に「陰弁慶」があります。家族や友人など、親しい間柄の人に対しては威張った態度をとるにもかかわらず、職場などでは意気地なく弱気に振る舞う人に使われる言葉です。仲間や身内に対してしか強く出られない、情けなさや卑怯さを指摘するニュアンスを含んでいます。
内弁慶な人の特徴
内弁慶という言葉の意味が分かったところで、次は具体的な言動や性格に見られる特徴について見ていきましょう。内弁慶は本人が自覚していないことが多く、知らない間に家族や友人に負担をかけていることが多々あります。自分の身近な人たちのために、ぜひセルフチェックしてみましょう。
自分をよく見せようとする
内弁慶は、実際よりも「自分をよく見せたい」という欲を持っています。凄い人間だと思われたいがために尊大な態度をとったり、見栄を張ったりするのです。家族や仲の良い友人など、自分からちょっとやそっとのことでは離れていく可能性が低い人に対しては、無理のある振る舞いをしたり、誇張した自慢話をしたりします。自分のプライドを満たすため、周囲の親しい人たちに自分の凄さを認めさせようとするのです。
「職場で重要なポジションにいる」「上司から大きなプロジェクトを任された」など、驚くような出来事を披露することもありますが、実際は行動も実績も伴っていなかったというようなことも。
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自己主張ができない
他人の前でははっきりと自己主張できないところも、内弁慶の人によく見られる傾向です。もともと人見知りの性格をしていることが多く、あまり親しくない人の前で自分の意見をしようとすると緊張してしまいます。外で自己主張できないぶん、家に帰るとストレスを発散するように強気な発言をしてしまうのです。親しい人たちなら自分の意見を受け入れてくれる、と安心して甘えている節があります。
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家族の愚痴や不満をこぼす
内弁慶は、家族への愚痴を外でよく口にする傾向があります。ちょっとした癖・生活習慣・不満などを口にし、自分の家族の評判を落とすのです。内弁慶にとって、家庭という存在は安全地帯ともいえます。「家庭内での振る舞いを知られたくない」という思いから、ネガティブな話を広めて話題を遠ざけようとするのです。さらに、「できの悪い家族に悩まされている自分」という立場は、内弁慶の人にとって好都合な設定です。もともと見栄っ張りなこともあって、外面よく振る舞ったり、家族の愚痴をこぼしやすいからです。