【目次】
・口元に大人ニキビができる原因
・口元のニキビができないようにするには?
・気になるニキビを上手に隠すには?
口元に大人ニキビができる原因
大人ニキビが口元によくできる場合、皮脂が過剰に分泌される思春期の頃とは原因が異なる可能性があります。ニキビの主な原因である、皮脂や毛穴の詰まりを引き起こしている理由について皮膚科医の泉さくら先生にお伺いします。
睡眠不足のせい?
睡眠不足や過度なストレス、食生活の乱れは、肌のターンオーバーの乱れを引き起こします。本来であれば定期的に角層の細胞が入れ替わることで、肌は健やかで潤った状態をキープしています。しかし、食事や生活習慣の乱れにより、ターンオーバーの長期化を招きます。古い角質が毛穴をつまらせ、ニキビを招くことがあるのです。
口元にニキビができやすいときは、睡眠不足が疑われます。人間の体は睡眠不足になると、少しずつ日常のバランスが崩れてしまいます。また、眠りが浅いと、なかなか疲れがとれません。自律神経の働きやホルモンバランスなどが通常とは違う動きとなり、皮脂の出る量が変化してニキビの原因をつくってしまうのです。
肌の外側にある角層には、うるおいを十分に蓄えることで外界の刺激から肌を守る機能が備わっています。しかし、乾燥や紫外線、洗顔時の過剰な摩擦などの外的刺激により、このバリア機能が低下してしまうと、ニキビが発生しやすくなります。大人のニキビはあごや口もと、フェイスラインなど、皮脂腺が少なく乾燥しやすい部位にも発生します。洗顔後は化粧水や乳液、美容液などで肌に水分と油分をバランスよく補い、肌の乾燥を防ぐことが大切です。
乾燥をしている
顔の中でも、口の周りはよく動きます。食べ物やメイク道具などの摩擦もあり、乾燥しがちな部位。乾燥した状態でも、ニキビはできやすくなってしまいます。乾いた肌はバリア機能が低くなり、ちょっとした刺激にも敏感です。また、人間の体は乾燥すると「皮脂を出して守ろう」とします。しかし、乾燥によりカサカサになった肌の上にたっぷりの皮脂が出ると、過剰な皮脂が原因でニキビができてしまうのです。ニキビ予防には、口元が乾燥する前のケアが重要となります。
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ストレスの可能性も
ストレスは、体のさまざまな機能に影響を与えます。眠れなくなったり、体が長時間緊張状態にあることで自律神経が乱れがちになったりと、肌にとってもよくありません。ストレスを解消しようと脂っこいものや甘いものを食べ過ぎると、肌荒れの原因にも。
ストレスが原因の場合は肌のケアと同時に、体や心のケアも行いましょう。ストレスの原因から遠ざかることができない場合でも、できる限り自分がリラックスできる環境をつくるなど、ストレス緩和ができれば少しずつ心身への影響も減っていきます。
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口元のニキビができないようにするには?
ニキビが口元にできてしまう前に、対策を試みるのも大切。洗顔や保湿など、日々のケアでニキビができにくい肌を目指しましょう。普段の生活習慣がニキビの原因になっていることもあります。
正しく洗顔をする
汚れが落としきれていない状態はよくありませんが、洗顔料の洗い残しや洗顔のし過ぎで皮脂が減ってしまうのもニキビの原因の1つ。適度な間隔で、正しい洗顔を心がけましょう。基本的には朝晩の1日2回、洗顔料をしっかり泡立てて肌をこすらないように気をつけながら洗顔します。
洗顔料が顔に残らないよう、ぬるま湯できちんと洗い流しましょう。泡やぬめりが取れたと感じたあとも、少し長めに洗い流すのがポイントです。
冷たい水や熱いお湯は皮脂が取りきれなかったり、逆に取れすぎてしまったりすることがあります。常温〜ぬるま湯程度が最適です。クレンジングを使うときは「肌を摩擦せず保湿できるもの」や「油分残りしにくいもの」を選んでください。
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化粧品や加湿器で保湿
乾燥しがちな口元には、保湿がおすすめです。化粧水やクリームなどをしっかり塗って、保護しましょう。保湿によって肌のバリア機能が維持され、ニキビ予防に役立ちます。乾燥しやすい季節には、加湿器で湿度を与えるのもいいですね。
ニキビができているときでも、ニキビに直接触らず避けるようにすれば、化粧水や乳液などの使用は問題ありません。顔全体に化粧水や乳液などをつけて、保湿を心がけます。ニキビができていない部位も、優しく扱いましょう。肌が荒れているときは、全体的に敏感になっている可能性があるため要注意です。
化粧水や乳液は、刺激が少なくニキビケアができるものを選びます。摩擦が起こりやすいコットンの使用は避けて、優しく肌を押さえるように化粧水や乳液をのせていくのがコツです。
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生活習慣も見直して
睡眠のリズムや食生活を見直すのも、ニキビケアにつながります。「最近口元にニキビがよくできる」というときは、普段の生活習慣を整えましょう。夜遅くまで起きている場合は少しだけ眠る時間を早くするなど、できるところからでかまいません。
食生活の見直しも重要です。お菓子や揚げ物などは皮脂の分泌を促すことがあります。適度に食べる分には問題ありませんが、食べ過ぎは禁物。また、栄養バランスの整った食事もポイントです。野菜や果物などを食事にプラスして、ニキビ予防に努めましょう。
睡眠不足やストレス、肌バリアの低下など、さまざまな要因が重なり合うことで、起こりやすくなる大人のニキビ。ニキビを引き起こしている生活スタイルの乱れや、スキンケアを見直すことで、ニキビのできにくい肌をつくっていきましょう。
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気になるニキビを上手に隠すには?
出かけるときにニキビが目立つと、テンションも下がってしまいますよね。ニキビが気になるときは、ちょっとしたアイテムやメイクテクニックで隠すことも可能です。
簡単に隠せるニキビパッチを使う
「ニキビパッチ」は、ニキビを保護して目立たなくするためのアイテムです。塗るタイプや、シールタイプがあります。「ニキビを隠すこと」を重視するなら、ベージュの肌色タイプまたは透明タイプのニキビパッチが役立つはずです。メイクに対応しているシールタイプのものを選べば、より自然にニキビを隠せます。
夜にニキビを保護するタイプや、ニキビから出てきた膿を吸収してくれるものもありますが、隠したい場合は目立たずメイクをしても違和感のないカラーを選びましょう。ニキビ跡やちょっとした赤みを隠したいときには重宝しますよ。
ニキビ跡を隠すメイクテク
ニキビ跡を隠すには、コンシーラーが役立ちます。リキッドなら筆を使い、スティックならポンと軽く押します。気になるニキビ跡に塗ったあとは、目立たせないようコンシーラーを外側に向けて伸ばしていきます。上から明るいカラーをのせてぼやかすと、自然な仕上がりです。
コンシーラーは「自分の肌の色よりやや暗めのもの」や、赤みを目立たせない「オレンジ系のカラー」が向いています。ただし、パッチやコンシーラーは本来「腫れているニキビを隠したいとき」に使うのではなく、保護やニキビ跡隠しに使われます。悪化の可能性もあるため、痛みがあったり炎症を起こしていたりする場合は使用を避けましょう。
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トップ画像・アイキャッチ/Shutterstock.
監修/皮膚科医
泉 さくら
琉球大学医学部卒業/東京大学医学部附属病院皮膚科・都内美容皮膚科・形成外科勤務後、ココメディカルクリニックを開業。一般皮膚科、美容皮膚科、アレルギー外来、女性外来を行い、漢方薬などを用いた近代西洋医療と補完代替医療、伝統医学等を組み合わせて行う統合医療を積極的に取り入れている。プライベートでは一児の母。
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