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テーブルマナーに自信がありますか?
食事会やイベントなどの際、同僚や友人などのテーブルでの振る舞いが美しくて、見惚れたことはありませんか? そして自分の振る舞いを振り返り、もっとマナーを身につけ、自信を持ちたいと思う方も多いのではないでしょうか。
テーブルマナーには、2種類の考え方があります。結婚式など特定の儀式で用いられるものと、日頃の食事の作法として身につけるものです。儀式のマナーはともかく、日頃の食事の作法は日常生活を豊かにするためにもぜひ押さえておきたいものです。
テーブルマナーを身につけることの重要性と学び方を見ていきましょう。
テーブルマナーの意義
洋食・和食・中華料理など、どの料理にも必ずテーブルマナーは存在し、それぞれルールやマナーが異なります。レストランで食事をすると「いちいちテーブルマナーに気を使わないといけないなんて、純粋に食事を楽しめない!」と思う方もいらっしゃるかもしれません。
しかしテーブルマナーは店の雰囲気や料理の味を損なわず、最高の状態で楽しむために考え出されたもの。ひとつひとつのルールには理由があり、それを守ることで店内の人が皆、気持ちよく過ごせるように工夫されています。
同席する人はもちろん、周囲の客や店員に不快な思いをさせないためにも、正しいテーブルマナーを身につけることが必要になってきます。そうすることで、和やかな雰囲気のもと、自身も気持ちよく美味しい料理が楽しめるのではないでしょうか。
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テーブルマナーをもっと磨きたい
学校の授業や研修などで、基本的なテーブルマナーを学んだ方も少なくないでしょう。しかし実践する機会が少なく、学んでから何年も経つと忘れてしまいますよね。
テーブルマナーを学ぶ方法としては、「本やネットの記事を読む」「動画を見る」「講座やマナー教室に通う」などがあります。忙しい方は通勤時間や家事の合間などに本や動画を見れば、空いている時間を利用して学ぶことができます。
もし、まとまった時間が取れるならテーブルマナー教室に通うのも手。ホテルが主宰しているものや、カルチャースクールの講座など通いやすい教室を探してみては?
そして学んだことは、繰り返し練習することが大切です。マナーをいちいち意識しなくても自然に体が動くようになるでしょう。
カトラリーの持ち方や食器の置き方など、ルールはすべて食事を楽しむために考えられたもの。なぜこのようなルールができたのか、理由を意識するとテーブルマナーに対する理解が深まり、より学びやすくなります。
知っておくと心強い基本的なテーブルマナー
上司や取引先の人、友人や親戚などで食事をする際、円滑な人間関係を築くためにも、テーブルマナーは身につけておきたいものです。知っておくと心強い基本的なテーブルマナーを紹介していきます。
席は左側から座る
席の位置やテーブルの形などによるため、絶対左側から座らないといけない、というわけではありませんが、席に案内されて着席する際、左側から座るのが基本だとされています。このマナーは、欧米だけでなく、実は日本にも定着しているのを知っていますか?
まだ日本で刀の携帯が許されていた時代、男性は左の腰に刀を差していました。そのことから、左側から席に着くのが自然な流れになったのです。ちなみに退席も左側からするのが基本だとされています。
またレストランでは、店員が椅子を引いてくれることも。座るタイミングに迷ったことはありませんか? 店員が椅子を押してくれた際、膝の裏に椅子が当たったタイミングで座るとスマートに座れるでしょう。
ナプキンの使い方
ナプキンをするタイミングは、料理が運ばれてくる直前がベスト。ナプキンを二つ折りにして、膝の上にのせます。汚れた口元や指先を拭う際は、折ったナプキンの内側を使うのがマナーです。食事の相手に汚れを見せないという配慮と、自身の衣装を汚さないためという意味があります。
また中座するときは、汚れている部分を内側にし、周囲の目に入らないようにすると、よりスマートです。
カトラリーの扱い方
フォークやナイフなどのカトラリーは、皿を挟んだ両側に置かれていて、両端から使うということを知っている方は多いでしょう。肉や魚料理、スープなどでは使うカトラリーが違います。
しかし、もし間違えても大丈夫です。そのまま使いつづけてください。お店の人が次の料理を提供するタイミングで、その料理用のカトラリーをそっと持ってきてくれます。
音はなるべく立てない
ナイフやフォークを使う際、カチャカチャと音を立てないのが基本です。また咀嚼音も同じ。クチャクチャと音を立てて食べるのはマナー違反。同席している相手や周囲の人に不快な思いをさせてしまうことがあります。このように、食事をするときは、なるべく音を立てないのが基本的なマナーです。
最低限覚えたい和食のテーブルマナー
和食のマナーは、日本人なら身につけておきたいですよね。箸の使い方や食べる順番など基本的な和食のテーブルマナーを紹介します。
知っておきたい箸のNGマナー
箸を正しく使う人は、食べている姿が美しく見え、食事の相手やお店の人に与える印象もよくなります。和食のマナーの中でも最も重要なポイントと言えるでしょう。しかし、箸にはマナー違反になるものがたくさんあり、知らずにやっている場合もあるかもしれません。箸の使い方は相手の目に付きやすいものです。以下の3項目は覚えておいて注意するといいでしょう。
・刺し箸:料理に箸を突き刺す
・迷い箸:どの料理を食べようかと迷いながら箸を動かす
・ねぶり箸:箸の先をなめる
他にもついついやってしまいがちなのが、器の上に箸を置く「渡し箸」や、器を箸で自分の方に引き寄せる「寄せ箸」など。自宅でも箸は箸置きに置くなど、日頃から気を付けるようにすると、箸の使い方がより美しくなるでしょう。
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食べる順は、汁物、ご飯、おかず
和食は汁物→ご飯→おかずの順に食べるのがマナーです。汁物を先に食べると箸の先が湿るので、ご飯粒が付きにくくきれいに食べられるからです。また、先に温かい汁物を飲むことで、胃や腸の働きを促すことができるといわれています。
汁物を飲んだら、次はご飯です。おかずより味が薄いご飯を先に食べることによって、おかずの風味をより引き立たせることができます。おかずが数種類あるときは、味の薄い順番に食べるようにしましょう。
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魚はひっくり返さない
焼き魚や煮魚を食べる際、骨や皮を外すためにひっくり返したりしがちですが、ひっくり返さないのがマナー。表側の身に骨に沿って箸で切り込みを入れ、左から右へ食べていきます。表側を食べ終えたらひっくり返さず、骨を外してそのまま裏側の身を左から右に食べましょう。
骨を外すときは、骨と身の間に箸を入れて骨だけを引き上げるようにするのが基本です。ただし、うまく取れない場合は手を添えてもOK。食べ終えたら、残った頭や骨は皿の上にまとめておきましょう。
口に運ぶときに手を添えてはいけない?
食べ物を口に運ぶとき、落とさないようにするため、手で受けるような仕草をする方も多いのでは? 一見上品な仕草に見えますが、箸を持っていないほうの手を添えるのは、「手皿」といってマナー違反。和食では食器を持って食べるのが基本です。
手で持てないような大皿に載っている料理は「箸先五分(約1.5cm)」で取ることを意識すると、手を添えなくてもきれいに口に運べます。もし気になる場合は手ではなく、小皿や懐紙を添えるようにしましょう。
大人の女性なら身につけたい洋食のマナー
結婚式などのあらたまった席や夫との記念日デート、クライアントとの食事などで行く機会が多い洋食。行く機会が多いからこそ、テーブルマナーは身につけておきたいですよね。基本的の洋食のマナーを見ていきましょう。
カトラリーの美しい持ち方
ナイフやフォークは柄の部分を人差し指で押さえ、先端を下に向けて「ハの字」に持ちます。脇を締めるイメージで持つと、美しい姿勢をキープできます。
スプーンやフィッシュナイフは、ペンと同じ持ち方でOK。注意したいのが、会話中にカトラリーを持ったまま振り回したり、先端を相手に向けたりしないこと。会話をするときは皿の上に「八に字」に置きます。また刃の先端が食事の相手に向かないようにするのも大切です。
もしカトラリーを床に落としたときは、自分で拾わずにお店の人を呼んで取ってもらいます。その際は、大声を出さずに軽く手を上げて呼びましょう。
手は常にテーブルの上に出しておく
食事中は、両手をテーブルの上に出しておきます。両手を相手に見せるのは「武器を持っていない」つまり「攻撃する意思がない」ことを証明する、昔の騎士道の名残といわれています。
また、手をテーブルの下に置くと、姿勢が崩れがちに。次の料理が運ばれてくるまでの間など、手持ち無沙汰になりますが、テーブルの上に手を出しておくようにしましょう。
飲み物の位置を勝手に変えない
コース料理では、飲み物が出てくる順番が決まっています。順番どおりに注げるように、あらかじめグラスが並べられています。そのためグラスの位置を勝手に変えてしまうと、注ぐ飲み物を間違えたり、倒してしまったり周りに迷惑をかけてしまうかもしれません。飲み物を飲んだら、グラスは必ず元の位置に戻しておきましょう。
また、席の間隔が狭い場合、隣の人のグラスを間違えて使ってしまったり、どちらかわからなくなることも。グラスは右手でも持つことを想定して置かれています。自身の飲み物は右側にあると覚えておくと間違えることもないでしょう。