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【目次】
「マイナス思考」の特徴を心理カウンセラーが語る
マイナス思考はどのようなメカニズムで起こるのか、心理カウンセラー・吉野麻衣子さんにお話をお聞きしました。
「ちょっと専門的なお話をしますが、マイナス思考とは、ブリティッシュコロンビア大学のソフィア・フラングー教授らの研究によって解明されています。脳には様々な部位と働きがありますが、その中でも『下前頭回・頭頂葉皮質、島皮質、被殻』は、考えや感情のコントロールに影響を及ぼす脳回路になります。この脳回路の働きが悪くなり、一方で『左扁桃体』という〝戦うか、逃げるかの反応を司る場所〟 の働きが活発になると、感情的な思考がコントロールできない上に、同じことを繰り返して考えたり、ネガティブな思考にとらわれるという研究結果が出ています。
つまりは、考えや感情のコントロールに影響を及ぼす脳回路の働きと、左偏桃体の働きが活発になる事で感情的な思考のコントロールが難しくなり、マイナスな思考にとらわれてしまうのです。この繰り返しから、失敗や自信を失う行動をさらに引き起こし、その悪循環によって、ますます思考がマイナスになってしまいます」(吉野さん)。
ではこのような状態に陥ってしまったら、どのように脱すれば良いのでしょうか。
マイナス思考から脱する3つの方法
マイナス思考に陥ってしまったときに有効な、脱却方法をご紹介します。
自分の良いところを書き出す
「1日10個、自分の良かった点を書き出すことを3カ月ほど続けます。内容はどんな些細なものでも構いません。例えば、食後すぐ洗い物をした、子どもを怒らずに1日を終えられたなど。毎日書き出し、自分に対して肯定感を高めていくことが大切です」(吉野さん)
軽い運動をする
「1日30分のランニング(難しい場合は早歩き)などをし、体をしっかり動かすことにより、血流が良くなり、脳への血液循環も上がります。それにより、脳の働きも改善し、ポジティブな思考を持ちやすくなります」(吉野さん)
毎日15分の瞑想
「これは日本では写経、書写、座禅、滝行などでも昔から有効活用されていますが、瞑想についても同様で海外で多くのビジネスエリートが実践しており、効果も高いとされています。心を無にして、しっかり心と脳をリセットさせるという行為がとても有効です。最近の流行りでいえば『マインドフルネス』というものがありますね」(吉野さん)
マイナス思考からの脱出は心身ともに健やかに保つことが重要のようです。ではみなさんはどのようなシーンで、マイナス思考に陥ってしまうのでしょうか。
【質問】マイナス思考になってしまうことはありますか?
「はい」…17.5%
「いいえ」…82.5%
※アンケートは30~45歳の日本全国の有職既婚女性を対象にDomani編集部が質問。調査設問数10問、調査回収人数110名(未回答含む)。
マイナス思考になってしまうことが「ある」と回答した人は全体の約2割。5人に1人がマイナス思考を経験していました。
マイナス思考になってしまう原因
読者のみなさんがマイナス思考になってしまう原因をみていきましょう。
不安なことがある
「子どもの将来や、老後を漠然と考えてマイナス思考になる」 (40代・岡山県・子ども2人)
「少しでも不安なことがあると、そこからどんどん悪い方へ考えてしまい、もっと不安になってしまうことがあります」 (40代・千葉県・子ども1人)
自分の時間がない
「育児で思うように自分の時間が取れない時。肉体的にも精神的にも追い込まれてしまうから」 (30代・東京都・子ども2人)
褒められない
「例えいいことをしても、あまりにも誉められずにいると落ち込んでしまう」 (40代・静岡県・子ども1人)
対人関係
「仕事でペアになってレジ作業するとき、レジのお金を出すのが遅いと思われているんじゃないかと考えてしまう」 (30代・秋田県・子ども1人)
「PTA活動が周りに馴染めず、仲間外れにされているんじゃないかと考えてしまう」 (40代・静岡県・子ども1人)
レスポンスがない
「LINEしたときに返事がすぐに返ってこなかったり、既読スルーされていたりすると、その時点で嫌われているかもとくよくよしちゃったりする」 (40代・茨城県・子ども2人)
「友人からLINEなどの連絡がないと、自分はいなくてもいい存在なのかなと落ち込むことがある」 (40代・岡山県・子ども2人)
自信がない
「自分が駄目だと感じ、自信がなくなる時」 (30代・愛知県・子ども1人)
「自分の言った言葉や取った行動が間違っていなかったかとよく不安になることがある」 (30代・静岡県・子ども1人)
体調不良
「子どもの風邪をもらってしまい、体調を崩して、仕事も家事も中途半端にしかできない時」 (30代・京都府・子ども1人)
「ホルモンバランスの影響(生理前など)」 (30代・群馬県・子ども2人)
物事がうまくいかない
「自分の思うように物事が進まなかったり、子どもの将来について考える時」 (40代・群馬県・子ども3人)
「嫌なことが重なると、ネガティブな気持ちでいっぱいになる」 (30代・福岡県・子ども1人)
マイナス思考から抜け出す方法とは?
マイナス思考からいち早く脱するにはどんな方法を試しているのでしょうか。
プラスに考える
「なるべく前向きの考えを引き出してきたり、プラス思考になれる言葉を心の中で繰り返すなど、頭のスイッチをプラスへ切り替える作業をしている」(30代・愛知県・子ども1人)
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なるべく考えない
「マイナス思考になっている原因を、〝なるようになるさ〟と忘れるようにする」(40代・東京都・子ども1人)
「そのことを深く考えることをやめ、別の楽しいことを考えたりする」(30代・東京都)
とことん悩む
「一度マイナス思考になってしまったなら、とことん深掘りして解決の道を探す」(40代・千葉県・子ども1人)
泣く
「1日の終わりに泣くことでマイナス思考のモヤモヤから抜け出せる」(40代・京都府・子ども2人)
そのほか、「お酒を飲む」「諦める」「時間に任せる」「叫ぶ」「目の前のことに取り組む」などという意見もありました。マイナス思考に陥っても、自分なりの抜け出す方法を備えておけば気持ちを切り替えやすいはずです。
写真/(C)Shutterstock.com 取材・文/福島孝代
心理カウンセラー
吉野麻衣子
「SMART BRIDAL」代表/MBA婚活心理カウンセラー/モデル「MBA(経営学)・心理学・AI・オンライン」を融合させた、科学的根拠(エビデンス)に基づいた、戦略的婚活が可能な結婚相談所を経営。43歳で14歳年下3高男子と再婚。MBAと心理カウンセラーの資格をもち、さまざまな企業で経営側に立って部下を指導した経験と、多くの婚活&キャリア指導の経験を活かし、多くの独身男女の婚活を支援中。
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