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「自分がない」とはどんな意味?
「自分がある・ないとは、自分の考えや意見があること。それが他人と違っていても、きちんと表明・行動できることではないでしょうか。似た意味で【主体性】という言葉がありますが、こちらは独自の意思を持ち、成功や失敗、運・不運といった環境要因を含めて、自分の人生を納得して引き受けること。【自分がある】と【主体性】は似ていると思いますが、敢えて違いを挙げるなら、自分がある・ない=自分らしく生きられるかどうか。主体性=自分の人生に対して納得して責任を負える態度、という違いになると思います」と臨床心理士・吉田美智子さんは話します。
では「自分がない」と感じている人はどうすればいいのでしょうか。
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臨床心理士が伝える、「自分がない」状態から抜け出す方法
まず「自分がない」という状態を改善する方法はあるのでしょうか。
「集団で生活する中で、自分と他の人との気持ち・考えをどの程度、すり合わせるのかというのは悩ましい事だと思います。人のことはあまり気にせず自分のペースで行ける人もいれば、相手の気持ちを優先させようとする人もいます。大半の方は、TPOに合わせて柔軟に振る舞うことができると思いますが、中には『必ず相手を優先しなければいけない』と考える人もいます。【必ず相手を優先】というのが、【自分がない】状態ですよね。
【必ず相手を優先】という考え方は、成長過程のどこかで身近な誰か(例えば、親や祖父母、先生など)から強く教えられたためにそうしているということが多いように思います。【自分がない】状態を克服するには、自分にとって強い影響力を持っていた誰かからの教えを振り返り、『大人になった今は自分なりに柔軟に運用してもいいのだ』と理解し直す必要性があります」(吉田さん)。
では、自分を変えるにはどうしたらいいのでしょうか?
「自分より他者を優先する生き方を変えるには、【自分がある】という自分になったとしても誰からも責められないし、自分もハッピーなのだということを体験することが必要です。
まず試しにやっていただきたいオススメ行動はこの2つです。
・自分が信頼している人との関係性の中で、自分の気持ちや意見を伝えてみる。
・お手本を見つけて、真似をしてみる。
しかし、自分の意見を強く押し出そうと無理をすると、うまくいかなかった時に【自己責任】と感じてしまい、辛くなるので続かなくなります。まずは家族や友人など、失敗したとしても許し合える関係性からスタートしてみてください。ご自身を縛っていた【相手を優先】の状態を手放して、自分を取り戻していってくださいね」(吉田さん)。
では実際に「自分がない」と感じる人はどのくらいいるのか、Domani読者100人にアンケート調査を行いました。
【質問】あなたの周りに「自分がない」と思う人はいる?
「はい」…28.3%
「いいえ」…71.7%
※アンケートは30~45歳の日本全国の有職既婚女性を対象にDomani編集部が質問。調査設問数10問、調査回収人数110名(未回答含む)。
周囲に「自分がない」と感じる人がいると回答した人は、全体の約3割りとなりました。ではどのような言動を見ると「自分がない」と感じるのでしょうか。
エピソードから見る、自分がない人にみられる特徴とは?
実際に「自分がない」と感じたエピソードから、自分がない人の特徴をまとめました。