【目次】
主体性の意味とは
「主体性」=自分の意志・判断で行動しようとする態度。(小学館刊・大辞泉)
「主体性とは、独自の意志を持ち、成功や失敗、運・不運といった環境要因を含めて、自分の人生を受け入れることを意味します」と話すのは、臨床心理士・吉田美智子さん。
では、読者の皆さんの周りには、主体性のある人は存在するのでしょうか。またどのような言動をしているのか気になり調査しました。
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【質問】あなたの周りに主体性のある人はいますか?
「はい」…36.1%
「いいえ」…63.9%
※アンケートは30~45歳の日本全国の有職既婚女性を対象にDomani編集部が質問。調査設問数10問、調査回収人数110名(未回答含む)。
周りに主体性のある人がいると回答した人は全体の約4割に。では、どのような特徴を見て「この人、主体性があるな」と感じているのか調査してみました。
【臨床心理士が解説】主体性がある人に見られる特徴
読者の皆さんが回答した特徴。吉田さんにそれぞれ行動パターンに解説をしていただきます。
1:自分の意見がある
多数の人と異なる主張であっても臆さず述べられる人 (40代・東京都・子ども1人)
自分の意見をきちんと持っていて、ぶれない (40代・東京都・子ども1人)
受け身ではなく、自分の意思で動ける (30代・徳島県・子ども3人)
Yoshida’s Voice
「主体性がある人は、自分の考えをしっかり持っています。この場合の自分の考えというのは、正しいかどうか、周囲の期待に沿っているかどうかに係らず、自分はどうしたいのかを考えられるということですね」
2:芯が強い
信念のある発言をする (40代・千葉県・子ども2人)
芯がしっかりしている (40代・神奈川県・子ども2人)
自分の意思や意見を強く持っていて、周囲に流されない (40代・千葉県・子ども2人)
Yoshida’ Voice
「主体性がある人は、自分の考え、信念をとても大切にします。常日頃、自問自答し自分の思考を鍛錬しているので、それが芯の強さへと繋がるのです」
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3:リーダシップがある
リーダーシップがあり自分の考えを持っている (40代・兵庫県・子ども3人)
リーダシップがとれる上司は主体性を感じられる (40代・熊本県・子ども2人)
Yoshida’s Voice
「実は、主体性=リーダーシップ、ではありませんが、しっかり自分の考えを持ち、自分の言動に責任を持つ態度から、リーダー役を果たすことが多いかもしれませんね」
4:行動力がある
とにかく行動力がある (40代・愛知県・子ども3人)
後回しにしたり、見て見ぬ振りなどせず率先して動く (30代・岐阜県・子ども2人)
Yoshida’s Voice
「これも、主体性=行動力、ではありませんが、自分が信じることは自分のペースで実現しようとすることから、行動力が評価されるのだと思います」
5:思考力がある
自分で考えて行動する力 (30代・兵庫県・子ども1人)
既存の考えに疑問を持って、新たにより良い方法を考えようとする人 (40代・埼玉県・子ども1人)
Yoshida’s Voice
「主体性のある人は『自分ならどうする?』と考える態度を身につけています。言わば『自分に置き換えて考える癖』があるということになりますね」
6:損得を考えない
損得を考えないで動ける人 (40代・静岡県・子ども1人)
他人の評価を気にしない (30代・東京都・子ども1人)
Yoshida’s Voice
「主体性のある人は周りの評価や目先の損得より、自分の納得感を大事にします。そのことが損得を考えず動けていると感じるのでしょう」
7:自信がある
自分に自信がある人。 (40代・長崎県・子ども1人)
Yoshida’s Voice
「主体性のある人は、周囲の賛同が得られなかったり、物事がうまくいかない時も、『きっとなんとかなる』と自分を信じることができるため、自信のある姿に映るのですね」
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8:経験や知識が豊富
たくさんの経験や知識が身についており、良い自信になっている (40代・東京都・子ども1人)
Yoshida’s Voice
「自分の興味関心・動機づけから知識を得たり、また物事を体験したりもするため、知識や経験が自分のものとなりやすいといえるでしょう」
9:誰とでもすぐ仲良くなれる
人見知りしない。誰とでもすぐ仲良くなれる。 (30代・神奈川県・子ども2人)
Yoshida’s Voice
「主体性のある人は、対人関係もマイペースです。それが、対人関係でのオープンさにつながるかもしれませんね」
主体性を身につけるためにやっておきたい3つのアクションを紹介
1:自己肯定感を持つ
「主体的に生きるというのは、自分のポジティブな面だけでなく、ネガティブな面も『自分らしさ』として受け入れられることも含まれます。ネガティブさを受け入れるためには、自己肯定感(ありのままの自分でよい)が不可欠です」(吉田さん)。
2:自分の感覚やペースを大切にする
「周りの評価を気にして、『100点』や『いい人』を目指さないことが重要です。主体性を養うためには、自分の感覚を信じたり、自分なりのペースに気付けることが最初の一歩ではないでしょうか」(吉田さん)。
3:人と比べない
「人と比べている毎日では主体性は生まれません。比べられない自分だけ、オリジナルな何かを探す方が主体性を早く身につけられると思います」(吉田さん)。
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ちなみに似たようなイメージの「自主性」とは、どんな違いがあるのでしょうか。
「自主性とは辞書で引くと、『他からの干渉や保護を受けず、独立して事を行うこと』とあります。主体性と比べると、自主性の方が責任感を持ちながら、やるべきことや与えられたことをより積極的に行動に移し、自分らしい人生を実現していくことを指すのではないでしょうか」(吉田さん)
主体性を持つには、まず己を知ることから
主体性がある人は、周りから見ると芯があり、自分の意見が言える人となりますが、実は本人の心の中では、何百回、何千回と自問自答を繰り返し自分なりの答えを見つけている人なのではないでしょうか。主体性を表に出す前に、まずは自分自身をきちんと把握し、自分の色を作り出すことから始めるといいかもしれませんね。
取材・文/福島孝代 写真/(C)Shutterstock.com
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臨床心理士
吉田美智子
東京・青山のカウンセリングルーム「はこにわサロン東京」主宰。自分らく生きる、働く、子育てするを応援中。オンラインや電話でのご相談も受け付けております。
HP
Twitter: @hakoniwasalon