日常生活の中で、何を決めるにも時間がかかり「優柔不断な性格だね」と言われたことはありませんか? 仕事や恋愛面などで、勇気を出して挑戦してみればよかった… などと後悔することもあるのではないでしょうか。人生は決断の連続。優柔不断な性格を改善してみることで、より前向きに生きられるようになるかもしれません。
そこで本記事では、優柔不断な人の特徴や心理、改善方法を解説します。
優柔不断とは
人の性格を表すときに良く使われる「優柔不断」ですが、そもそもどのような意味なのでしょうか? 辞書には、四字熟語として以下のように記載されています。
[名・形動]気が弱く決断力に乏しいこと。また、そのさま。「―な(の)態度」
『デジタル大辞泉』(小学館)より引用
ぐずぐずして、すぐに決断できないことを「優柔不断」と呼ぶようです。買い物をする際や仕事で決断をする際などにいつまでも迷って、AかBかすぐに決められない… という人は、優柔不断なのかもしれませんね。
優柔不断の類語・対義語
優柔不断の類語には、「意志薄弱(いしはくじゃく)」「意気地なし」などがあります。意志薄弱とは、「意志が弱く、自分で決断を下す能力に欠けること」。物事を最後までやり遂げようとする気持ちが弱いことを指します。また「意気地なし」は「気力が弱く、役に立たないこと」。そのような人物を揶揄するときに使われますね。
対して、優柔不断の対義語には、「剛毅果断(ごうきかだん)」「気骨がある」などがあります。剛毅果断とは、「意志が強固で気力があり、思い切って物事を行うこと」。「気骨がある」は、「自分が正しいと思ったことを貫き通す強い心」を指します。決断力に欠ける優柔不断とは正反対といえますね。
優柔不断の英語表現
海外の人と会話をする際にも、英語で「優柔不断な性格だ」などという機会があるかもしれませんね。ここでは、優柔不断を意味する英単語を2つ紹介します。
indecisive
「indecisive」は、「決断力がない」「優柔不断の」「はっきりしない」などの意味があります。「an indecisive character(優柔不断な性格)」など覚えておくと役立つでしょう。
(例文)
・He is indecisive and won’t propose to me.(彼は優柔不断な性格で、なかなかプロポーズしてくれない)
)
・I’m indecisive and can’t decide what I want to buy.(優柔不断なので買いたいものが決められない)
wishy-washy
「wishy-washy」は、「(人・態度などが)煮え切らない」「優柔不断の」などの意味があります。本来は、色が淡い、スープや飲み物の味が薄い、水っぽいという意味でしたが、そこから派生して人の性格もはっきりしないという意味合いで用いられるようになったようです。「indecisive」に比べると口語的な表現ですね。
(例文)
・He’s really wishy-washy!(彼は本当に優柔不断なんだから!)
・My sister is very wishy-washy and cannot decide anything.(妹はとても優柔不断で何にも決められないの)
優柔不断な人の特徴って?
あなたはどのような人に対して「優柔不断な人」だと感じますか? 優柔不断な人にはいくつかの特徴が考えられます。具体的な特徴を3つ見ていきましょう。
決められない
「決断が苦手な性格」は、優柔不断な人の最大の特徴といえるでしょう。例えばランチで洋食と和食で迷ったときに、優柔不断な人は「今日は洋食にしようかな」「やっぱり和食にしよう!」と決めきれず、直前まで意見がコロコロ変わってしまったり。最終的に和食を選んだものの「やっぱり洋食の気分だった…」と自分の判断を後悔する姿もよく見られる光景ではないでしょうか。
二者択一であれば「どちらがいいか」で迷うことができますが、複数の選択肢が広がったときに「どうすればよいかわからない」と混乱してしまうこともあるかもしれません。そして、仕事や人生における重要な判断を迫られたときでさえも、自分自身で決めきれないなんていうことも。
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責任感がない
優柔不断な人はプレッシャーを感じやすく、責任感のあるポジションから逃げようとする傾向が。生きていると臨機応変な判断が求められるシチュエーションが多々あるものです。1から10まで答えが書いてあるマニュアルがあれば問題ありませんが、自分もしくはその場にいる人々と瞬時に判断しなければならないこともあります。
そんなシチュエーションに置かれたとき、優柔不断な人は「自分が選択を誤ったら」と思い自分で決断できないということがありえます。責任から逃れることばかりにしばられ、常に受け身の姿勢をとり、他人に決断を委ねようとしてしまうことも。主体性がない行動を続けることで、ますます優柔不断に拍車がかかってしまう可能性もあります。
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心配性な性格
優柔不断な人はもともと心配性な一面があり、選択を誤ることに対しての不安があると考えられます。例えばジェットコースターに乗るときに「事故が起きたらどうしよう」「無事に降りられるだろうか」と心配しすぎてしまうために、「乗るかどうかを決められない」というようなタイプ。
本来は楽しいこと・ワクワクすることであっても、少しでも不安の種を見つけてしまうと、それを解決・納得できるまで悩み続けてしまうことも。慎重といえば聞こえはよいですが、常に最悪のパターンに考えおびえすぎて、何も選べなくなってしまうとデメリットになってしまいます。
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過去を後悔する
優柔不断な人は、過去に起きたことを後悔することが多い傾向があります。「あのときこう言えばよかった」「もしかしたら嫌われたんじゃないか」「あのとき勇気を出して告白していたら、どうなっていたんだろう」などなど。優柔不断な人は失敗を恐れるため、なかなか思い切った行動ができません。
そのため、あとになって過去のことを後悔することがあるのでしょう。やって失敗して後悔するよりも、やらなかったことに対して後悔するタイプです。
優柔不断な人の心情とは
優柔不断な人を見ると「どうして決められないのだろう」「もっと簡単に考えればよいのに」と疑問に感じることもあるのではないでしょうか?優柔不断な人が判断に迷うのにはどんな理由があるのでしょうか。優柔不断な人が決断に悩むときの心情を見ていきましょう。
失敗をしたくない
「失敗は成功のもと」という言葉があるように、失敗はときとして成功に近づくチャンスでもあります。しかし、優柔不断な人にとって「失敗は悪」であり、絶対にしてはならないものだと感じている可能性があります。「失敗したくない」という気持ちにより、選択すべきことに対するメリットよりもデメリットに目が付きがち。デメリットを避けられることは素晴らしい能力ですが、デメリットを意識するあまり、決断することができなくなってしまうことがあるのです。
たとえデメリットが小さく、得られるメリットが大きいものだとしても、姿が見えない「失敗するかもしれないリスク」におびえて、いつまでも決断することを避けてしまうということもありえます。
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自分の答えに自信がない
何かを決断することは、自分の出した答えを信じることともいえます。優柔不断な人は自分に自信を持てない人が多く、自分の答えに対しても自信が持てない場合があります。たとえ自分のなかで答えが出ていたとしても、自分に自信がないせいで、それが最良の答えだと思えないのでしょう。
答えが出ているのに決断しないのは答えを出していないのと同じで、せっかくの可能性を失っている場合があります。決断すべきときに決断できない人は、周囲からの信頼を得ることも難しいのではないでしょうか。これが影響して自分の自信を失ってしまうこともあるかもしれません。
周りの意見が気になる
優柔不断になる背景には、周りの意見を気にしてしまうという可能性も。自分が決断することで「不快に思われないか」「間違っていたら迷惑をかける」と不安に感じ、必要以上に周囲の目が気になってしまうのではないでしょうか。「自分よりも他人の意見が優れている」と思い込んでいる人もいます。
これは自分に自信が持てない・責任を負いたくない気持ちが関係していることが多いでしょう。また、身近にリーダータイプの人や自分の意見を押し付けるタイプの人がいると、自分が決断する場面が減り、自然と「自分の意見は必要ない」と感じてしまうこともありえます。
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優柔不断な性格は直すべき?
優柔不断な性格が関係して、周囲に迷惑をかけてしまう・時間を無駄にしてしまうというデメリットもあります。しかし、優柔不断な性格は見方を変えればメリットもあるため、絶対に直さなければいけないというわけではありません。優柔不断な性格を直すべきか、判断材料の一つとして優柔不断な性格によるデメリットを具体的に紹介します。
周囲をイライラさせてしまう
決断に時間がかかると周りに迷惑をかけたり、イライラさせてしまったりすることもあります。自分が食べるものや進路など自分の生活・人生に関わるものであれば、他人に大きな影響を与えることはあまりありません。しかし、他人が関わるシーンで判断に迷ってしまうと、大きな迷惑をかけてしまう可能性もあります。
加えて締め切りのような期限が設定されているものを守れないと、周囲の信頼を失いかねません。「あの人はああいう人だから」とレッテルを貼られてしまうことも考えられます。