離婚後、アラフォーにしてモテ期が再び訪れた遙さん。しかも話を聞いていると、どうやら離婚してからの遙さんは、恋人の空白期間が皆無……!
——前回のZさんに婚約者がいることが判明し、彼からのプロポーズに難色を示していた遙さんの前に、またもや次の相手がトコロテン式にスルッと現れます。
連載過去記事:
第1回アラフォーになると独身よりバツイチがモテるってホント!?
第2回モテ美女が完璧主義者の夫とNYで新婚生活を始めたら・・・!?
第3回「子供は絶対に欲しくない」夫からまさかの告白
第4回離婚後、アラフォー美女に訪れた恋愛迷走期
【目次】
惹かれるのは、やっぱり離婚した元夫と同じタイプ
そのお相手とは、10個年上で強気な経営者タイプのYさん。友人が開いてくれた食事会で、遙さんにひと目ボレし、すぐにデートに誘われたそうです。
Yさんは、
・都内で飲食店経営
・20代の時にスピード離婚した経験ありのバツイチ
・それ以来独身主義
・モテるけれど本命はつくらない
・有名経営者やタレントの知り合いもいっぱいいる、見るからに遊び人タイプ
——アレ? ここまで聞いてきて、私はあることに気がつきました。
第1回目では「私はオクテなので、イケメンで高身長で華やか、みたいな男子には昔から興味が持てなくて」と言っていた遙さんなんですが。高校時代から今まで、付き合ってきた男性の特徴のメモを見返すと、高身長かどうかはわからないけど、全員リッチでイケメンで(注:元彼の画像確認済みです)華やか、ってゆーかむしろチャラい系。
遙さん。それ、自己認識、ズレてるから……!!
前回のZさんもチャラそうだという第一印象の方が当たっていたみたいだし、遙さんの男性選びに「この人、もしかしてダメンズ好きなんじゃあ……」という疑惑を持ちはじめた私。が、Yさんは一見遊んでそう外見なのにふたりになると真面目な一面を見せて来て、遙さんはそのギャップに惹かれたそう。そこで遙さんは優柔不断な優男だったZさんと別れ、「前の夫に輪をかけてパワフルなタイプ」のYさんと交際をスタートさせます。
さて、今まで付き合う男すべてから「結婚を前提に付き合ってほしい」と言われている遙さんですが、今回も交際初期に結婚をほのめかされます。結婚願望ないはずの男性から、「結婚したい」と言われる——そう。最初の旦那さん、Jさんのときと同じパターンですね。
さかい(以下、さ):「アラフォーになってもモテる独身男性に出会ってすぐに『妻にしたい』って思われるって、あなた一体、どんだけモテるんですかっ!!」
遙さん(以下、は):「(苦笑)。Yさんは強引なんだけど中身はとても繊細で、気難しいタイプ。癒し系のZさんとは正反対で、一緒にいると楽しいけど気を使って疲れることもいっぱいありました。でも彼が合鍵をくれたので、週5で彼の部屋に通って毎日ご飯を作って……。今思えば、再婚したいという願望があるから、私もちょっとムリしてたんでしょうね」
モラハラ気質の彼と、やさしい元彼の狭間で
さらにYさんは、こんなに美人な(写真をお見せできないのが本当に残念!)遙さんに、容姿のダメ出しをしたり、自分の友人たちの前で「バツイチオバさん」と呼んだり、自分のコンプレックスの裏返しなのか、遙さんの自尊心を傷つけるようなことばかり口にする、軽いモラハラ気質だったそう。そんなYさんに疲れると甘やかしてくれるZさんの元に戻り、でもやっぱりYさんが絶ちきれなくてYさんの元に戻り……。
そんなこんなでその後、遙さんは結局、やさしいけど頼りない元彼のZさんから、刺激があって楽しいけどモラハラなYさんの元に戻り、1年ほどYさんと落ち着いて半同棲の日々を送っていました。が、結局Yさんに他の女性がいることがわかり、半年間それに耐えたあと、Yさんにも別れを告げ、離婚後初めて、神奈川の実家に腰を落ち着けることを決めます。
「アラフォーで離婚してから、生まれて初めて恋愛体質に」
は:「私、離婚した直後は、自分のことを全然恋愛体質じゃないと思ってたんです。20代の頃は向こうから好きと言われた相手と付き合っていて自分から好きになることってなかったし、30代はほぼずっと結婚していましたし。それが、離婚してからの4年間、ZさんのこともYさんのことも、本気で好きになって。人生初の大恋愛を立て続けにして、恋愛欲はもう満たされた感じです」
さ:「恋愛欲が満たされたなら、次に結婚する相手にはどんなことを求めるんですかね?」
は:「最初の結婚は、離婚はしてしまったけれど、人としても尊敬できて男性としても魅力的でしたし、夫として充分サポートもしてくれたから、自分には合っていて、しあわせな結婚生活だったと思うんです。だから別れたあとも彼のこと憎む気持ちはないですし。ただ、長く一緒に暮らして家族になるには、生活のリズムが合って、もう少し情が深い人の方がいい。それとやっぱり、妊活に協力してくれる人。私の場合は子どもがほしくて離婚したので、そこは大きいですね」
さ:「そうかあ。じゃあ、離婚したことは後悔はしていない?」
は:「そうですね。別れたあとに付き合った人は、結局結婚はしなかったけど妊活には協力的だったんです。もし離婚していなければ、その可能性さえ試せなくて、いつかどこかで不満が爆発していたと思います。だから、あえて人にはおすすめはしないし、できれば離婚なんてしない方がいいとは思うけれど、私自身は離婚して良かったです」
「結婚がしあわせだったかどうかなんて、死ぬ瞬間までわからないのかもしれない」
人は離婚と親の死という、ふたつの挫折を経験したときに最も精神的に成長する、という話を聞いたことがあります。美人に生まれ、今まで人生イージーモードで比較的スイスイ生きてきた遙さんにとっても、それは同じ。アラフォーにしてシングルという振り出しに戻り、生まれて初めて挫折感や自分の中のドロドロした感情に向き合ったこの数年間は、「今までの人生の中でいちばん濃い時間だった」そう。
は:「この4年間、精神的にはキツいこともいっぱいあったけれど、その分前よりもずっと人の痛みがわかるようになったと思うし、人の大切さを痛感するようになりました。今はとにかく、大事な人たちをちゃんと大事にして行きたいなあと」
——わかるなあ。歳のせいなのか、ホルモンバランスの影響なのか。私もアラフォーで離婚してからは、ちょっとしたことですぐに落ち込んだり自信をなくしたり。そんなときに家族や友人、職場やSNSで、誰かがかけてくれた何気ないやさしいひと言に救われたことが、何度あったか。人間、辛い想いを味わったからこそ、他人に対してやさしい人でありたいなと強く感じるようになるものなのですね。
さ:「それにしても、遙さんみたいに比較的うまくいっていた夫婦でも離婚してしまうことがあるなんて。結局、夫婦って何なんでしょうね……」
は:「結婚する理由はみんなだいたい同じようなものだけれど、離婚ほど原因が千差万別なものはないと思うんです。みんなそれぞれに違う事情があるから、一概に離婚が良いとか悪いとかはいえない。結婚していても離婚しているみたいな夫婦もいるし、友だちにだって夫婦の悩みをすべて話すわけではないから、外側から見てうまくいっているかどうかなんて、本人たちにしかわからない。その結婚が本当にしあわせだったかどうかなんて、もしかしたら死ぬ瞬間まで、わからないのかもしれないですね」
今回の遙さんのインタビューからわかったことは、「モテる女はアラフォーバツイチになってもモテる」ということ。遙さん自身、「離婚した瞬間は最大風速で通常の1.3倍のモテ方だった」とおっしゃっていたので、離婚して恋愛市場に戻ってきた美女に男性たちが群がってくる、という現象も実際にあるようです。
ただ、モテる美女が恋愛でしあわせになれるかといったら、それはまた別の問題なのだなぁということも、よくわかった気がします。
Yさんとも別れ、束の間のシングル生活を楽しんでいる遙さんが、次はどんな相手を選び再婚するのか。それとも未だ恋愛迷走期で、今後も華やかな恋愛遍歴を重ねていくのか。
どちらの道を選んだとしても、美しく前向きで、自立した精神の持ち主である遙さんは、きっと豊かなこれからの人生を歩んで行くのだろうな。アラフォーバツイチに、幸あれ! (遙の場合編・完結)
※プライバシー保護のため、取材内容は一部変更してあります。
イラスト/naotte 取材・文/さかいもゆる
さかいもゆる/出版社勤務を経て、フリーランスライターに転身。——と思ったらアラフォーでバツイチになり、意図せず、ある意味全方位フリーダムなステイタスになる。女性誌を中心に、海外セレブ情報からファッションまで幅広いジャンルを手掛ける。著書に「やせたければお尻を鍛えなさい」(講談社刊)。講談社mi-mollet「セレブ胸キュン通信」で連載中。withオンラインの恋愛コラム「教えて!バツイチ先生」ではアラサーの婚活女子たちからの共感を得ている。