汚名【挽回】ではなかった!
たとえば仕事でミスをしたとき、「次こそは成果を出して挽回しよう!」というシーンは誰にでも起こり得ることですが、この様子を表す慣用句があります。
「ミス=汚名」と言い換えて、その状況を挽回するということで「汚名挽回でしょ?」と思った人もいるかもしれません。
しかし、それは間違いなんです!
間違っているのは「挽回」の部分。
この場合は、「挽回」ではなく別の言葉が入ります。
さらにヒント!“一般に、返すこと。または、受け取らないこと„を意味する言葉が入ります。
分かりましたでしょうか?
【汚名○○】の〇〇に入る正しい言葉とはいったい???
正解は…
汚名【返上】
でした!
お‐めい【汚名】
悪い評判。不名誉な評判。
「―を着せられる」「―をそそぐ」「―返上」
〔補説〕
「汚名挽回」「汚名を挽回する」は正しくないとされる。「汚名返上」「汚名を返上する」「名誉挽回」「名誉を挽回する」が正しい使い方。「汚名挽回」を誤用とする説、正しいとする説とがあるが、これは「挽回」の解釈の相違による。誤用説は「失ったものを取り戻す」意とし、正しいとする説は「もとのよい状態を取り戻す」意とする。
文化庁が発表した平成16年度「国語に関する世論調査」では、「前回失敗したので今度は―しようと誓った」という場合に、本来の言い方とされる「汚名返上」を使う人が38.3パーセント、本来の言い方ではない「汚名挽回」を使う人が44.1パーセントという逆転した結果が出ている。【返上:へんじょう】
返すことを、相手をうやまい、へりくだっていう語。また、一般に、返すこと。または、受け取らないこと。
「タイトルを―する」「休日を―して働く」「汚名―」
~【汚名】の類語紹介~
その1:悪名
【悪名:あくめい】
悪い評判。よからぬうわさ。あくみょう。
「―が高い」
その2:面汚し
【面汚し:つらよごし】
その人の属する社会や仲間の名誉を傷つけること。面目を失わせること。
「旅の恥はかき捨てでは日本人の―になる」
その3:札付き
【札付き:ふだつき】
1.札がついていること。特に、商品に正札がついていること。また、そのもの。
2.定評のあること。特に、悪い評判が定着していること。また、その人。
「―の悪党」
〔補説〕
良い評判は「折り紙付き」という。
(引用すべて〈小学館 デジタル大辞泉〉より)
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