太らない食べ方の基本【3つ】
何を食べるかはもちろん、いつ、どのように食べるかが大事です。体が引き締まる、肌が潤う、栄養がいきわたる・・・ 1万人のお腹をひっこめてきた管理栄養士、小島美和子さん直伝の食べ方をレクチャー!
1:朝食は絶対に抜かない
カロリーを摂りたくないからと、朝食を抜く人もいるかもしれませんが、管理栄養士・健康運動指導士の小島美和子さんによると、朝食は1日の代謝を上げるものなので絶対に抜いてはダメだと言います。
「朝は、睡眠中に下がっていた代謝のスイッチを入れるタイミング。朝食を食べると体温が上がり、じっとしていてもエネルギーを消費する〝基礎代謝〟が上がります。体温が1℃上がると基礎代謝は約13%増え、1日で150kcal以上消費が増える計算に。朝食をとらない人の肥満率は、食べている人の5倍というデータもあります」(小島さん)
2:炭水化物は抜かない
さらに小島さんによれば、炭水化物を抜いて野菜ばかり食べるのもNGだそう。これでは筋肉量も代謝も落ちる一方なのだとか。理想は、きちんと栄養をとって代謝を上げ、カロリーの摂取&消費量を高い水準に保つことだそうです。
「確かに炭水化物を抜いて糖質を減らすと、一時的にはお腹がへこんで体重も落ちます。ただし、糖質は生きるのに必須のエネルギー源なので、不足すると筋肉を糖に変え、エネルギーとして使うことに。代謝が落ちて体脂肪が増えやすい体になり、リバウンドもしやすくなります」(小島さん)
3:食事の適量を知っておく
また小島さん曰く、「次の食事までに〝ほどよくお腹が空く〟のが食事の適量」だそう。
「食事の本来の目的は、生活に必要なエネルギーを補給すること。筋肉を切りくずさず仕事への集中力も途切れさせず、次の食事までに使い切る糖質の適量は、次の食事前に適度な空腹感があるかどうかで見極められます。活動量が多く代謝も活発な日中に備える朝食・昼食はおのずとしっかり、あとは寝るだけ…という夕食は軽めに」(小島さん)
太らない食べ方の【時間】はいつ?
2023年4月に発売以来、発行部数2万部を突破した書籍『結局、これを食べるが勝ち』。あすけん管理栄養士であり、著者の管理栄養士・道江美貴子先生にお話を伺いました。 国内最大級の食事管理アプリ『あすけん』のビッグデータが導き出した「賢い食べ方」をご紹介します。
■【午前中】朝は起きて「1時間以内」に食事をとる
バタバタする朝、ちゃんとした食事を準備している余裕がない…どうしたらいい?
「食は体内時計と関係が深く、何をどのタイミングで食べるかも重要です」と道江先生。朝食には、体内時計をリセットする役割が。朝食を抜くことで身体のリズムが崩れ、ストレスやイライラの原因になるだけでなく、肥満や高血圧のリスクが高まることも明らかになっているんだとか。
朝食は炭水化物+タンパク質の組み合わせで体内時計をリセット
体内時計の調整をスムーズにするには、炭水化物とタンパク質をセットで摂ることが大切。「トースト+チーズやハム」「ごはん+納豆や鮭フレーク、卵」というように、簡単なものでもOK!主食とタンパク質の多い食材を上手に組み合わせるのがおすすめです。近年の糖質制限ブームもあり、炭水化物はダイエットの敵…なイメージもありますが、あまり神経質になるのは禁物。糖質は効率よく身体を動かすエネルギーであり、実は筋肉を作るのにも不可欠な存在です。筋肉量を維持して代謝を下げないためにも、1日130gは摂るよう心がけましょう。
また、たんぱく質は食後に体温をあげる効果が高く、朝に摂ることで1日の代謝量をアップさせることができるそう。さらに高血圧予防効果や幸せホルモンのセロトニン、安眠を促すメラトニンの生成にも有効とメリットだらけです。厚生労働省によるたんぱく質の摂取量目安は、最低でも女性50g、男性60g。つまり1食20gは摂取しておきたいところです。
とはいえ、朝の出勤前はバタバタしてちゃんとした食事を準備している余裕がない…ということもあるでしょう。そんなときは「せめてコーヒー1杯だけでも欠かさずに飲みましょう!」と道江先生。どんなに忙しくても、体内時計のリセットだけは忘れずに。
■【日中】昼食・おやつ・間食、これだけは覚えておきたいルールは?
平日のうちもっとも長い時間を過ごす職場。忙しく働いていると、ついランチも適当になってしまったり、小腹が減っておやつをつまんでしまったり。でも、すべてを我慢するのは無理! 3つのルールを覚えて、上手にビジネスタイムを乗り切りましょう。
「セカンドミール効果」を味方に! 昼食30分前の野菜ジュース習慣
通常、食後の血糖値は20分〜30分かけて徐々に上昇しますが、食事までの空腹時間が長かったり、一度に大量に食べたりすると血糖値は一気に急上昇します。すると体はインスリンというホルモンを大量に分泌し、余った糖を脂肪に変えてしまいます。
そこで味方にしたいのが、「セカンドミール効果」です。これは、その日の1回目の食事が、2回目(セカンドミール)の食後の血糖値上昇に影響を及ぼす効果のこと。たとえば朝食で食物繊維の多い「低GI」の食事をすることで、昼食後の血糖値を上がりにくくすることができるのです。
きちんとした朝食を食べられなかった日や、朝食と昼食の間があいてしまった場合は、ランチの30分前に野菜ジュースを飲んでおくのがおすすめ。これだけでも「セカンドミール効果」を期待することができます。
おやつのゴールデンタイムは「10時〜15時」
甘いものはやめられないからと、ランチのお米を抜いて辻褄をあわせている…という人もいるのでは? 同じ糖質でも、お菓子に含まれる砂糖類と、主食に含まれる多糖類は「似て非なるもの」。ダイレクトに血糖値を上昇させる砂糖類は、なるべく避けたいものです。
道江先生は「だからといって、おやつを食べるなとは言いません。食べるなら、1日のうちでもっとも脂肪になりにくい10時〜15時に」と言います。14時〜15時は、1日のうちで食べたものがもっとも脂肪になりにくい時間帯。これは脂肪の合成を促す時計遺伝子・BMAL1(ビーマルワン)の働きが少なくなるからだそう。また、午前中はそもそも代謝が高いので、10時〜15時は太りにくい時間帯と考えて良いとのこと。
「甘いものを食べたいときは、自分が一番好きなものを食べるのがおすすめ。量の目安は1日200kcal以内。甘いものは心の栄養なので、食べて心が満足できるものを選びましょう」(道江先生)
量を食べたいときは、食物繊維が豊富で低カロリーな寒天ゼリーやこんにゃくゼリー、干し芋や甘栗がおすすめ! 食物繊維に加えて、ポリフェノールも摂れる高カカオチョコも良いでしょう。個包装されたものなら、少量ずつ楽しんで食べすぎを防ぐことができるはず。
帰りが遅くなる日のテクニック「主食を先取り」
忙しく働いていると、帰宅が遅くなり夕食が21時をまわるようなこともあるでしょう。前述の通り、食事と食事の間隔が開くと血糖値の急上昇を招き、脂肪を溜め込みやすくなってしまいます。これを避けるポイントを道江先生に聞くと、「18時頃に間食でおにぎりを1個食べ、後でおかずを食べるようにすると太りにくくなります。夕食の主食を軽く先取りして、空腹になりすぎないようにしましょう」とのこと。この場合も食物繊維を一緒に摂ってセカンドミール効果を活用したいところ。コンビニで買うなら、わかめやひじきが入ったものが良さそうです。