「焼きもち」の意味と由来
焼きもちには、「嫉妬」や「ねたみ」といった意味合いがあります。「焼きもちを焼く」「やきもち焼き」といった慣用句として用いられる言葉です。
主に身近な人に対して使用する言葉であり、「嫉妬をする」「束縛する」という言葉とは異なるニュアンスを持ちます。まずは焼きもちの意味や由来とあわせ、「嫉妬」や「束縛」との違いを確認していきましょう。
焼きもちは「嫉妬」から生まれた言葉
焼きもちは「嫉妬をする」という意味の「妬く(やく)」に「焼く」を掛けた言葉です。「餅(もち)」は、洒落(しゃれ)で添えられたといわれています。
また、嫉妬をするときに顔を膨らませる姿が、餅が焼けて膨らむ様子に似ていることから焼きもちになったという説もあります。そのほか「妬く気持ち」が焼きもちになったなど由来はさまざまです。
主に「焼きもちを焼く」という慣用句として、他者への嫉妬深いねたみの感情を表すときに用いられます。
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焼きもちと「嫉妬」「束縛」との違い
焼きもちの類語には「嫉妬」という言葉があります。焼きもちの由来でもある「嫉妬」は、誰かをうらやましく感じるときに用いる言葉です。
「嫉(シツ)」「妬(ト)」という漢字は、それぞれ「ねたむ」「そねむ」という意味を持ち、うらやましく感じると同時に憎しみの感情があることを表します。
そのため「焼きもちをやく」より「嫉妬する」のほうが、ねたみの感情をより強く表す表現です。「束縛」は、恋人やパートナーへの「焼きもち」の感情から、相手の自由を奪う行為を意味します。
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焼きもちに隠された3つの心理
焼きもちには、「自信がなくコンプレックスを抱えている」「相手の1番の存在でありたい」「不安やさみしさを抱えている」といった3つの心理が隠されています。
周囲から向けられる焼きもちに対処するためには、それらの心理状態を理解しておくことが大切です。また、自分自身の焼きもちの感情をコントロールしたいときにも役立てることができます。
自信がなくコンプレックスを抱えている
焼きもちの由来である「嫉妬」は、相手をうらやましく思う気持ちが込められた言葉です。つまり、自分に自信がなくコンプレックスを抱えているほど焼きもちの感情を抱きやすくなります。
「体型に自信がない」「人と話すのが苦手」「おしゃれに自信がない」という感情を抱いているほど、対極にある人をうらやましく思い、焼きもちの感情が生まれやすくなるでしょう。
相手の1番の存在でありたいと思っている
焼きもちは「好意を寄せる相手のなかで、自分が1番の存在でありたい」と願う気持ちの現れでもあります。人は、好意を寄せる相手がほかの誰かをほめると、自分の存在がおびやかされるのではという不安を抱えてしまいます。
そのため、誰かに対してうらやましく思うと同時に、ねたましい気持ちが生まれてしまうのです。つまり、焼きもちを焼くという感情は、相手に対する好意の裏返しであるともいえます。
不安やさみしさを抱えている
焼きもちの感情は、不安やさみしさを抱えているときほど感じやすくなります。「自分のことをもっと考えてほしい」「一緒にいてほしい」という気持ちが、焼きもちとして表れるのです。
自分が恋人となかなか会えないとき、恋人が誰かと出かけたと聞けば、その誰かに焼きもちを焼いてしまいます。恋人と第三者の間に恋愛感情がなかったとしても「自分はさみしいのにどうして」と嫉妬してしまうこともあるでしょう。
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焼きもちを焼かれたときの3つの対処法
誰かに焼きもちを焼かれたときには、「相手への気持ちを言葉で伝える」「素直に謝る」「相手のことを認めて褒める」といった3つの対処法があります。
相手が恋人やパートナーであれば、焼きもちを焼かせるほど不安にさせてしまっているのかもしれません。後々トラブルにならないように、焼きもちには早めの対処を心がけましょう。