情報があふれる今の時代、目の前のタスクに追われて「あれも! これも!」と忙しい日々を過ごしていませんか? そんな中で、充実した毎日を送るために大切なのが「一意専心(いちいせんしん)」という姿勢です。
そこで本記事では、この「一意専心」の意味や、類語、英語表現について紹介します。読み終わったころには、あなたも「一意専心」が身についているかもしれませんよ。
「一意専心」とはわき目もふらず集中すること
まずは「一意専心」の意味を辞書で確認しましょう。
【一意専心:いちいせんしん】
(副詞的に用いて)わき目もふらず心を一つのことだけに注ぐこと。「―環境問題に取り組む」
引用:『デジタル大辞泉』(小学館)
「一意専心」とは、一つのことにひたすら心を注ぎ、周りに流されずに集中し続ける姿勢を意味します。「一意」と「専心」、どちらも「一つの物事に集中する」という意味を持ちます。そんな言葉を2つ組み合わせることで、集中しているさまがより強調されます。「専心一意」ともいいますよ。
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由来は中国の政治論書の「管子」
「一意専心」の由来は、中国の政治論書である『管子(かんし)』という説が有力です。『管子』には「四体既に正しく、血気既に静かに、意を一にし心を摶(もっぱ)らにし、耳目、淫(いん)せざれば、遠しと雖(いえど)も近きが若し」という一文があり、この「意を一にし心を摶らにし」が一意専心の由来となったとされています。
現代語に訳すと「体が健康で、血流や呼吸が安静で、穏やかな心を持った状態で一つのことに集中すれば、遠くにあるものもまるで近くにあるもののようにはっきり感じ取ることができる」となります。要約すると「一つのことに集中すれば、感覚が研ぎ澄まされる」ということから、一つのことに集中する様子を一意専心と表現するようになったといわれています。
「一意専心」の正しい使い方と例文
「一意専心」は、集中して努力する様子を表すときや、はげましの言葉としても使われます。座右の銘や挑戦に対しての意気込みとして用いられることもあるため、耳にしたことがある人も多いかもしれません。
「一意専心する」という表現をした際は、他のことには目もくれず集中する行動を表すでしょう。「一意専心の気持ち」という表現であれば、物事に対して真剣に向き合う気持ちを表せます。また、「一意専心で取り組む」と言えば、全力で取り組む姿勢や心構えを伝えることができるでしょう。
ここからは「一意専心」の使い方のポイントと、例文を紹介します。実際に使う際の参考にしてください。