お正月に使う「祝い箸」。使い方にルールはある!?
お正月やお食い初めのときに使う「祝い箸」。 お箸の真ん中が太く、両側が細くなっていますが、両側使っていいという訳ではないので、ご注意を! 今回は「祝い箸」の使い方や意味について、マナーコンサルタントの西出ひろ子さんに伺いました。
そもそも「祝い箸」とは!?
「祝い箸とは、柳などの白木の両側を細く削ったお箸のことです。お正月や婚礼などのお祝い事の食事で使用することが多いですね。使い捨てられることもありますが、お祝いは何度あっても良いという考え方からも、同じ祝い箸をある程度繰り返し使うこともあります。一般的に祝い箸は、紙の箸袋に入っていることが多いです」(西出さん)
祝い箸の片方は神様が使うためのもの
「祝い箸は、両側が細く、両方使用できる型になっています。これは片方は自分が使い、もう片方は神様が使って、共に食事をするという考え方に基づいています。お正月は、神様にも召し上がっていただくというわけですね。
決まりごとではありませんが、お正月に使う祝い箸は、箸袋に家族それぞれの名前を入れ、大みそかに神棚に供えるとも言われています。元旦にはその箸をおろしてお祝いの料理をいただきます。その後、松の内のあいだは洗って繰り返し使い続けるとされています」(西出さん)
別名「柳箸」「俵箸」とも言われている
「祝い箸には柳がよく用いられ、別名『柳箸』と言います。これは、お正月など大切なお祝いの席で箸が折れると縁起が悪いため、簡単に折れないよう丈夫な柳を使用しているからです。さらに縁起のいい漢字をあてて『家内喜(やなぎ)』とすることも。また、両側が細く、中央が太い姿を五穀豊穣の象徴である俵(米)に見立て『俵箸』という別名もあるんですよ」(西出さん)
マナーコンサルタント
西出ひろ子
参議院議員秘書を経て政治経済ジャーナリストの秘書を経験。その後 マナー講師として独立渡英し海外で起業した経験もあるため、グローバルな視点からマナーをわかりやすく解説している。その実績や成果は、テレビや雑誌などでもマナー界のカリスマとして多数紹介されており、「マナーの賢人」として「ソロモン流」(テレビ東京)や「スーパーJチャンネル」(テレビ朝日)などのドキュメンタリー番組でも紹介された。基本のマナーとそこに気くばりを加えたワンランク上のマナーを紹介した新刊、『さりげないのに品がある気くばり美人のきほん』が好評発売中!
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西出ひろ子マナーサロンHP
イラスト/村澤綾香 構成/木戸恵子