「間髪」の意味や読み⽅とは?
「間髪をいれず」という言葉の「間髪」を、「かんぱつ」と読む人が多いのではないでしょうか。実は「間髪」を「かんぱつ」と読むのは、誤りです。ここでは、「間髪」の意味や正しい読み方を解説します。
意味と読み方
「間髪をいれず」の「間髪」は「かんぱつ」と読むのではなく、正しくは「かんはつ」と読みます。「間髪をいれず」は、「すぐに」「即座に」という意味です。
「かんぱつ」と読むのは誤りだとはいっても、キーボードで「かんぱつをいれず」と打つと「間髪」と変換されるように、口語で「かんぱつ」と言っても、目くじら立てて「それは間違いです!」とされるものではありません。
語源・由来
「間髪をいれず」の語源・由来には、どのようなものがあるのでしょうか。「間髪をいれず」は、「間に髪一本入れる隙間もない」という、少しのゆとりもないことの表現です。そこから「間髪をいれず」は、すぐに・即座に・少しも間をおかずにという意味として使われています。
本来は、「間、髪をいれず」が正しいのですが、いつしか「間髪」が一つの言葉として認識され、現代のように「かんはつ」と読むようになったものです。
また、「間髪をいれず」の「いれず」は、「間髪を入れず」と「間髪を容れず」の二つの漢字表現で迷うのではないでしょうか。「間髪をいれず」は、中国の前漢に編纂された故事説話集『説苑』の中の、「間不容髪(かんふようはつ)」という四字熟語がもととなった言葉。この「間不容髪」という言葉から考えると、「間髪をいれず」の「いれず」は、「容れず」が適切といえるでしょう。しかし、「間髪を入れず」「間髪をいれず」と書き表しても問題はありません。
「間髪をいれず」使い⽅を例⽂でチェック
ここからは、「間髪をいれず」の使い方を、具体的な例を見ながら確認していきましょう。
あの芸人は、誰に対しても「間髪をいれず」にツッコミができる
バラエティ番組をはじめとしたメディアや、SNSにおいて、秀逸なツッコミをする芸人も思い浮かぶはず。一瞬の隙もなく即座にツッコむのは、容易なことではありません。もとより才能に溢れた人もいますが、常にアンテナを張り、語彙力を豊かに備えている努力の賜物ともいえるでしょう。
そんな無理難題、「間髪をいれず」に断らなくてはならない
人から無理難題を言われたら、即座に断る、つまり、「間髪をいれず」断るのが鉄則です。あやふやな態度でいると、次第に断れない雰囲気になってしまうことも。「考えるまでもなく、受けられないことだ」と理解してもらうためにも、「間髪をいれず」に断るのが重要です。
発売と同時に、「間髪をいれず」に注文ボタンをクリックした
“先着10名のみ”などの限定商品の場合は、発売開始と同時に注文ボタンをクリックしないと、買い負けてしまいます。そのような場合、「発売と同時に『間髪をいれず』に注文ボタンをクリックした」というように使います。
類語や言い換え表現は?
「間髪をいれず」の言い換え表現についても学んでおきましょう。
すかさず
「すかさず」は、漢字で書くと「透かさず」と表せます。機会を逸することなくすぐに・間を置かずすぐにという意味で、「間髪をいれず」の言い換え表現です。
とっさに
「とっさに」は、漢字では「咄嗟に」と書き、ごくわずかな時間を意味します。「散歩中に、飛んできたボールをとっさに避けた」などと使いますが、わずかな時間にという意味のほか、反射的にというニュアンスも持ち合わせています。